川方裕則
専門
実験地震学,計測地震学
「直接測る,目で視る」ことができる地震学的研究を目指して、実験研究に取り組んでいます。岩石試料を用いた、三軸圧縮破壊試験(地下の地震発生層に相当する圧力条件下で実施する破壊試験)や大型二軸せん断試験(メートルスケールの試料を使い模擬断層上での固着すべりを発生させる試験)をおこない、目視での観察に加えて、弾性波(破壊や高速すべりにともなって発生するアコースティック・エミッションと呼ばれる波。地震に対する地震波に相当)の計測を実施します。時には、能動的に弾性波を送信し、試料内部の波の通り方についても調べます。また、実験後には、試料のX線CT画像を取得し、試料の内部構造(できつつある断層の様子)についても調べます。
最近は、フィールドを斜面にも展開し、地すべりに先行して発生することが期待される地下の弾性波の通り方の変化についての知見を得ることを目指しています。実験室での土層への注水実験と斜面現場での弾性波計測を並行して実施し、どのようなメカニズムで弾性波の通り方が変化するかを明らかにしようとしています。
さらに、室内実験と自然地震の双方にまたがるテーマとして、地震の前震の発生様式の解明を目指した研究や、地震のような大きい破壊と岩石試料内で発生する非常に小さい破壊との関係について調べる研究もおこなっています。
業績・プロフィールなど
- メールアドレス:kawakata_アット_se.ritsumei.ac.jp [_アット_は@に変換]
- 立命館大学の研究者データベース
- 科研費データベース
- researchmap
- ORCID 0000-0002-4907-5594
- Web of Science ResearcherID AAX-3405-2021
- J-GLOBAL
- LOOP
担当講義
学科専門
連続体物理学,実験物理学講義2,物理学研究実習2,地学実験,物理リテラシー基礎演習,卒業研究大学院専門
地球物理学特論1,理工学特殊研究1-4,理工学特別研究他学部向け
宇宙科学メディア,地域・社会連携,模擬講義など
2024年度
- ・協定校プログラム 日曜日スクーリング「物理学を活かして現象を理解する」 2024/05/26
- ・日向灘地震に関するコメント 2024/08/09 香港鳳凰衛視
- ・日向灘の地震に関するコメント 2025/01/16 香港鳳凰衛視
- ・その他 滋賀県の防災士養成事業講師(11/30)など -->
2023年度
- ・協定校プログラム 日曜日スクーリング「物理学を活かして現象を理解する」 2023/05/28
- ・玉川中学校つながり学習「地震のことについて学ぼう」 2022/07/12
- ・滋賀県立高等学校生徒を対象とする大学連続講座 2022/07/27
- ・能登半島地震に関するコメント 2024/01/02 香港鳳凰衛視
- ・その他 東大津高校模擬講義(07/14)、滋賀県の防災士養成事業講師(12/09)など
2022年度
- ・最近地震多い?意外と知らない「揺れ」への対処&「地震予測」の最前線 2022/05/19 shiRUto
- ・南笠東まちづくりセンターにて開催された防災研修会における講演「地震による災害と対策」 2022/06/25
- ・正課外プログラム 宮城・岩手の被災地を訪ね「減災を考える東北巡見」プログラムのコーディネート、引率。参加学生によるプログラム紹介 2022/08/31-09/03
- ・その他 滋賀県の防災士養成事業講師など
2021年度
- ・【しが防災応援団】あなたの町を襲う地震とは? 2022/02/03 NHK大津放送局 おうみ発630
- ・千葉県北西部の地震に関するコメント 2021/10/08 香港鳳凰衛視
- ・トカラ列島の地震に関するコメント 2021/12/09 香港鳳凰衛視
- ・その他 滋賀県の防災士養成事業講師など
2020年度
- ・おうみ発スペシャル「滋賀のこれからを考えるTV 防災のこれから」 2021/03/19 NHK大津放送局
- ・福島県沖の地震に関するコメント 2021/02/15 香港鳳凰衛視
- ・新聞記事掲載(学生部)(スポーツTOPICS)大学運動部、不祥事断てるか コロナ禍で活動停止、今年は大麻など頻発 2020/12/06 朝日新聞
- ・【しが!!防災応援団】滋賀で備える あなたの町を襲う地震とは? 2020/11/19 NHK大津放送局 おうみ発630
- ・その他 滋賀県の防災士養成事業講師など
2019年度
- ・「第43回 防災カフェ 滋賀を襲う地震とは? ~適切に備えるために~」 2019/11/20 滋賀県
- ・「しが!!防災応援団 滋賀で備える あなたの町を襲う地震とは?」 2019/10/24 NHK大津放送局 おうみ発630
- ・その他 附属校での模擬講義複数回、滋賀県の防災士養成事業講師など
2018年度
- ・「第29回 防災カフェ 滋賀を襲う『地震』とは」 2018/10/15 滋賀県
- ・その他 附属校での模擬講義複数回、滋賀県および大津市の防災士養成事業講師など
- ・新聞記事掲載「5活断層 県内も備えを」 2018/10/6 読売新聞滋賀県版
- ・新聞記事掲載(学生部)「体育会気質、変わらなきゃ 「脱・競技偏重」で大学横断組織 「日本版NCAA」設立前に」 2018/10/23 毎日新聞大阪版夕刊
- ・新聞記事掲載(学生部)「関西ではKCAAが先行、大学や企業がスポーツで交流や情報交換」 2019/3/1 産経新聞ウェスト
2017年度
- ・集中講義 2017/9/11-12 京都大学防災研究所
- ・「第14回 防災カフェ 前震・本震・余震とは何か」 2017/7/7 滋賀県
- ・その他 附属校での模擬講義複数回、大津市の防災士養成事業講師など
2016年度
- ・「BKC研修:地震の揺れについて考える」 2016/6/17 立命館宇治中学校
- ・「講義:岩石および断層の特性を知る」 2016/9/13-14 京都大学防災研究所
- ・「第4回 防災カフェ 地震はなぜ起きるのか?」 2016/9/16 滋賀県
- ・高2向けリレー講義 2017/1/25 立命館宇治高校
- ・新聞コメント掲載「緊急地震速報関連」 2017/3/14 読売新聞滋賀県版
- ・その他 大津市の防災士養成事業講師など
2015年度
- ・「モーニングスクープ!~日本の地下では何が!?」 2015/6/10 ラジオ大阪
- ・SSH Ritsumeikan Science Workshop in BKC「振動の伝搬から地層の構造を読み解く」 2015/7/25
タイMahidol Wittayanusorn School・立命館高校・立命館宇治高校・立命館慶祥高校 - ・「理系に進んで世の中をかえよう」世の中をかえる科学技術 ‐位置を知るという技術‐「地球の動きを測る」
2015/8/6 立命館大学高大連携プログラム - ・【SS DayⅡ】現代科学Ⅱ模擬講義 「波を使って断層を調べる」 2015/8/29 立命館慶祥高校
- ・大津市科学館 科学の子事業「地面の揺れを測ってみよう」 2015/10/5 瀬田中学校
- ・理科コースハワイ研修 事前学習(第1回) 「地面の揺れを測ってみよう」 2015/10/31 立命館宇治高校
雑記
(2016.4.16)このサイトをご覧になる方は少ないかもしれませんが、私見を述べておきます。今回の地震活動の特徴を考えると、14日21時の地震と同断層(布田川断層と思われる)の南西延長で15日0時に発生した地震に対し、16日1時に発生したM7.3の地震は 北側の別の断層帯(日奈久断層と思われる)で発生したものであり、単純な前震と本震の関係とは言えないように思います(気象庁の速報を参考)。さらに、布田川断層帯の東延長で16日の3時台に2つのM5.8程度の地震が発生しています。 これもM7.3の(狭義の)余震と呼ぶには離れすぎており、この地域の活動に飛び火していると思われます(単なるずれ残りによる余震ではなさそうです)。その場合、東側の「(活動が活発化している)阿蘇地方」および「(2つの活動域に挟まれている)14日からの地震の活動域と阿蘇地方の間の地域」で16日未明のものよりも大きな地震が発生する危険性が高いように感じられます。この地域にお住まいの方で 先の地震での揺れがそれほど強くなかったとお感じの方におかれましても、上述の新たな場所でM7クラスの地震が発生する恐れがありますので、充分にご注意ください。
(2016.4.18)18日の23時20分ごろに徳島県北部の中央構造線付近でマグニチュード3.1ではありますが、深さ10kmの地震が発生しました。震源が構造線上を東に推移している可能性もあるので、四国中部の中央構造線付近にお住まいの方も大地震に備えていただければと思います。 今回の地震で被害を受けられた方に心よりお見舞い申し上げます。また、犠牲となられた方とそのご遺族の方々に深く哀悼の意を表します。被災され、いまなお不便な生活を強いられている方も多いことと思いますが、一日も早く復旧・復興できることを祈念しております。
(2016.4.22追記)18日の23時20分ごろに徳島県北部で発生した地震に関し、21日いっぱいまでの間では、極微小なものも含め、この地震とよく似た波形を示す前震は直後に発生した2つだけであり、特異な活動とは認められていません。