環境システム研究室 教授
天野 耕二|あまの こうじ
1982年東京大学工学部都市工学科を卒業して同大学院修士課程へ進み、数値モデルによる河川水質の予測手法に取り組みました。大学院修了後1984年からちょうど10年間、環境庁国立環境研究所において、河川や湖沼の水質データ解析に関する研究に従事しました。1992年9月より1年間は、フルブライトプログラムにより米国コロラド大学環境工学科客員研究員として水環境政策支援システムに関する研究を行っています。 1994年、環境システム工学科設立時に立命館大学着任の後、水質汚濁や廃棄物などに関わる大量の環境データの解析と評価、環境への負荷を総合的に評価するライフサイクルアセスメントやマテリアルフロー分析など幅広い分野での環境システム分析に関する研究を進めてきました。 研究成果の対社会的貢献に関しては、学会等を通したいわゆる「学術ルート」だけではなく、大学での講義や演習を通して、最新の環境研究知見を理解した多くの卒業生が社会で活躍することによる社会的な効果が大きいと考えています。特に、環境関連の仕事に従事することになる学生だけではなく、直接には環境問題に関わらない一般ビジネス分野に進む学生への環境リテラシー教育が重要です。国立の研究機関から立命館大学へ移籍した際にも、研究成果の教育による社会へのフィードバックが大学の重要な役割の一つであると強く意識してきました。 個別の汚染・汚濁防止技術だけでなく、現場の環境動態をシステムとして理解した上で的確な施策立案を支援し得るだけの能力を持った人材の養成が最優先目標です。