音もれを気にせずに、公園で思い切りダンスの練習がしたい!

2023.09.08

なぜこの研究をしているの? どんなところが面白いの? 研究の源である「探究心」について先生に聞きました。

  • 西浦 敬信 教授
    立命館大学 情報理工学部
超音波スピーカー、びっくりしました! 先生はどうしてこの研究をしようと思ったんですか?
スピーカーは、発明されてからもう120年ぐらいになりますが、基本的な仕組みはずっと変わってないんです。学生のときにそのことに気がついて、それであれば新しいことを発見しやすいかも、と思ったのが音の研究を始めたきっかけのひとつですね。 一方、当時、騒音が社会問題になっていました。音を閉じ込められたら騒音はなくなりそうだけど、それは難しい。そこで逆転の発想で、音をある場所にだけに出すという方法について研究を深めていったら、この騒音問題に自分が貢献できるかもしれないと思い、超音波スピーカーを研究しようと考えました。
なるほど、社会への貢献できるかもという思いが今の研究につながっているんですね。先生は超音波スピーカーの研究をしていて、どんなときに「面白い!」と思うんですか?
二人もきっと、音は当然いろんな方向に広がるものだと思っていたでしょ? でも、そうじゃないことが示せました。そうやって常識をひっくり返す瞬間が、この研究をしていて一番の面白いですね。
常識をひっくり返すか……それって面白そう!
先生は、この研究をしていて「難しい!」と思うことはありますか?
いっぱいありますが、一番は音を1点だけで聴こえるようにすると、どうしても音量が小さくなってしまうことですね。それをなんとかするために、いまも日々工夫を続けています。
まだまだ先生の研究は続くんですね。
超音波スピーカーって、将来どんなことに使われるようになりそうですか?
いろいろな使い道がありますが、たとえば目の見えない人が横断歩道を渡りやすいように、横断歩道の上を歩いているときだけ音が聴こえるようにするとか、バリアフリーに役立つような使い方ができるといいなと思っています。
あと、1点だけで音を鳴らす技術については、勉強してるふりをしながら音楽を聴いていてもバレないので……なんて言うと怒られてしまいますね(笑)
そっか!そんな使い方もできるんだ。
自分なりの使い方を発見できたらもっと面白くなりそうだね。
最後に、先生が“探究”を続ける理由を教えてください。
実はいま私が一番力を入れているのは、「不快な音」を「心地よい音」に変えるという研究なんです。 たとえば、車の音が水の流れる音に変わったらうれしくないですか? そのような技術を生み出して、音によるストレスをなくすことで社会に貢献したい、という気持ちがずっとあります。それが探究を続ける原動力になっていますね。
探究するって面白そうだなあ。
研究することに興味が出てきたみたいですね。ぜひそれぞれに何かを見つけて、探究していってください。大切なのは「なぜだろう?」と思う気持ちです。なぜこの机の角は丸いんだろうとか、なぜスマホで遠くの人の顔が見えるんだろうとか、そういうちょっとした疑問が、思わぬ発見につながるかもしれませんよ。

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