OIC H棟・
情報可視化

「みんなで描くみらいの茨木2025‐
みらいの担い手とつくる、感じる」
イオンモール茨木×立命館

参加した市民の数は2,700人強!
キャンパスから出て、多くの市民に向け
社会共創の取り組み成果を共有

OUTLINE

2025年3月2日、イオンモール茨木で、立命館とイオンモール茨木の共創プロジェクト「みんなで描くみらいの茨木2025‐みらいの担い手とつくる、感じる」が開催されました。昨春の「みんなで描くみらいの茨木 ポスターコンテスト」に続く2回目の開催です。

TRY FIELDの始動から1年。立命館と自治体や企業との間に生まれ、育まれている、数多くの社会共創の取り組みを広く市民の皆さんと体感、共有する場として企画されました。

共有した共創プロジェクトは18を数えます。会場のイオンモール茨木に設置されたステージでは、共創に関連し制作された映像作品の上映や、音楽と映像のコラボ、スポーツ体験などが行われ、店内各所に設けられたブースでは、展示だけでなく体験型の企画も実施されました。フロアでは子どもたちがロボットと会話したり、技術を体感できる場も用意されました。いつもと違う様子に、買い物に来ていた多くの市民も足を止めて、興味深くステージを楽しんだり、学生の声に誘われてブースでのイベントやワークショップに参加。最終的な参画者数は2,700人にものぼりました。

立命館と地元自治体や企業との共創を「なにか面白いことをやっている」と多くの方に認識していただく確かなきっかけとなるイベントでした。

地域との社会共創プロジェクト「みんなで描くみらいの茨木2025-みらいの担い手とつくる、感じる-」

EPISODE

EPISODE01

この1年で生まれた社会共創の取り組みを
キャンパスから出て地域の中で発表する

昨年3月、TRY FIELD最初の社会共創プロジェクトとして実施された「みんなで描くみらいの茨木 ポスターコンテスト」は、イオンモール茨木、茨木市、地域に根ざす多くの企業との共創に加えて多くの市民も参加し、成功裏に終わりました。継続開催を望む声も多く、6月には立命館とイオンモール茨木との間で第2回目に向けた協議がスタート。秋には茨木市も交えての話し合いが始まりました。

TRY FIELDという新しいプラットフォームで社会共創への取り組みが始まって1年。立命館大学が企画する大小さまざまなプロジェクトイベント、そこから派生して学生が自主的に取り組む活動、ゼミや学生団体レベルでの活動、教員の研究活動など、立命館を起点とした社会共創の取り組みが進展しました。その内容は「いばらき×立命館DAY」や「Ritsumeikan Global Week(旧Asia Week)」など、地域に開かれた大学のイベントで紹介されることもありますが、大学まで足を運ばない人には情報をなかなか届けられませんでした。そこで、年間延べ12万人の市民が訪れるイオンモール茨木を会場として提供いただくことによって、大学を出て地域の中に飛び込み、社会共創の取り組みを発信、共有するイベントを開催しようと、関係する学生、教員への呼びかけが始まりました。

告知チラシを制作した際には7つだった企画数はその後も増え続け、最終的には18の企画が実施されました。学部、学生団体、サークル、研究室など、立命館における社会共創の取り組みの多様さが改めて感じられるラインナップです。ステージ発表の準備、各ブースでのイベントの準備は学生・教員・関係企業が分担しながら行われました。不特定多数の人が訪れる商業施設で、安全を確保しながら活動の発表をすることは、大学のキャンパス内とはまた違った配慮が必要です。イオンモール茨木の担当者と相談や交渉をしながら、必要な物品を手配したり、営業時間外に設備を搬入したり、まさに共創が大いに発揮されました。

準備を進める中で、OICで大学生と小学生の交流活動を行う学生団体「立命の家inいばらき」が、同じ日に「春の立命の家」というイベントを実施することがわかりました。そこで、イオンモール茨木での「みんなで描くみらいの茨木2025」と、OICでの「春の立命の家」をつなぐスタンプラリーを実施することで、イオンモール茨木でイベントに参加した人がOICにも足を運びやすくなる仕掛けも用意しました。ここでも小さな共創が生まれていたのです。

EPISODE02

日曜日のイオンモール茨木。突然現れた
ステージとブースに、2,700人もの市民が参加した

3月2日、イオンモール茨木のエントランスホールに設けられたステージ上では「みんなで描くみらいの茨木2025-みらいの担い手とつくる、感じる」のオープニングに合わせて、学校法人立命館とイオンリテール株式会社による「産学連携協力に関する協定書」の締結が行われました。OIC開設時に締結した「災害に強いまちづくりに関する連携協定」から、さらに広く緊密な連携を目指して締結されたものです。

その後、茨木市の福岡洋一市長も臨席して行われたオープニングセレモニーで大きな感動を呼んだのは、茨木市消防本部と立命館大学の学生団体stoRiの共創による映像と漫画の作品でした。令和7年茨木市消防出初式の様子を収めたもので、消防隊員一人ひとりの真摯な思いが映像を通して強く伝わり、上映後には静かな感動と大きな拍手が起こりました。漫画でも消防隊員の活躍が丁寧に描かれていました。登壇した茨木市消防本部総務課の2人は、共創の取組に参画したのは「若い方に防災のことを知ってほしかったから」と明かし、「映像や漫画を通して、学生たちが丁寧に私たちの”想い”を表現してくれました。我々の災害に対して取り組む姿勢を感じていただけたらと思います。たくさんの方にご覧いただきたいです」と感想を述べました。

ステージ発表以外にも、イオンモール茨木1階の各所にイベントブースが設けられ、活動の紹介とワークショップなどが行われました。イベント全体を盛り上げてくれたのは、立命館小学校のプライマリーアンバサダーの皆さんです。Adobe Student Ambassador 、RU Chapterを含む大学生が小学校を訪れて動画制作の授業を行うなど、この1年で交流が深まり、参画を促す契機になりました。ステージ周りでキャラクターと一緒にダンスしたり、各ブースを回ってワークショップに参加したりと大活躍。小学生の参加は、このイベントが、大学にとどまらず、立命館学園としての取り組みになったことを端的に示しています。

当日行われた発表やワークショップのイベントから、いくつかピックアップしてご紹介しましょう。

漫画と映像で目指す
「安全で、安心して暮らせるまち」
茨木市消防本部×立命館大学学生団体stoRI

3月2日、イオンモール茨木のエントランスホールに設けられたステージ上では「みんなで描くみらいの茨木2025-みらいの担い手とつくる、感じる」のオープニングに合わせて、学校法人立命館とイオンリテール株式会社による「産学連携協力に関する協定書」の締結が行われました。OIC開設時に締結した「災害に強いまちづくりに関する連携協定」から、さらに広く緊密な連携を目指して締結されたものです。

令和7年茨木市消防出初式【映像作成:立命館大学stoRi】

第1回 錯視・錯覚・だまし絵展
表彰式/展示

立命館大学総合心理学部での研究成果を軸に、茨木商工会議所、茨木市観光協会、茨木青年会議所と地元企業が一体となって新たな観光資源創出を目指す横断型プロジェクト「錯視のまち茨木、茨木観光促進のための新たな社会共創価値創出プロジェクト」の一環として開催。まっすぐな線が歪んで見えたり、同じ大きさなのに一方が小さく見えたり、不思議な感覚を味わえる錯視・錯覚・だまし絵を公募し、入賞作品(7作品)、入選作品(5作品)をイオンモール茨木で展示し、イベント当日に表彰式が行われた。

最新のロボットを体験!
実際に話したり、動かせるよ!

OICで活躍している巡回ロボットのメーカー「Neibo」によるロボット体験のブース。第1回「みんなで描くみらいの茨木」で市民の方々から寄せられた「みらいの茨木」のキーワードを学習したロボットと対話することによって「みらいの茨木」をイメージした画像を生成する体験ができる。特に子どもたちから大人気で、行列もできていた。

市民の声をモザイクアートへ!

第1回「みんなで描くみらいの茨木」で市民の方々から寄せられた「みらいの茨木」のキーワードをもとに生成AIが描いたイラスト1枚1枚を小さなパーツとして、大きなモザイクアートが制作された。

卓球チャレンジ体験

プロ卓球リーグ「Tリーグ」で地域を盛り上げたいと考える学生が、「まずはやってみよう」と卓球体験の機会を提供。スタッフが優しくサポートすることで、年齢を問わず誰もが卓球の試合を体験できた。

参加者数は、昨年を大きく上回る約2,700人にのぼりました。出展者の満足度も高く、すべての団体がイベントの継続を希望するという結果になりました。「いばらき×立命館DAY」「Ritsumeikan Global Week(旧Asia Week)」と並ぶ、市民に開かれたイベントとして、今後も開催が期待されています。

REFLECTION

プロジェクトを終えて、関わった方々の
振り返りをお聞きしました

  • 立命館大学 副学長・社会共創推進本部本部長

    三宅 雅人教授

    大学が主催するイベントは、どうしても情報発信が一方通行になりがちです。しかし、今回の企画のように、市民の皆様から「何を面白いと感じ、何を楽しいと捉えていただけるのか」といったフィードバックを大切に受け止め、それを大学の教育・研究活動へと還元できる機会を得られたことは、大変貴重でした。また、学生にとっても、自らの研究テーマや取り組みについてどのように伝えるかを考える機会となり、コミュニケーション力を養う実践的な学びの場となりました。今後も市民の皆様からいただいたお声に真摯に向き合いながら、今回の経験を次回以降の第三回、第四回へとつなげていきたいと考えております。

  • イオンリテール株式会社 西日本カンパニー 北大阪事業部 事業部長

    渡邉 浩昌

    私たちは、ビジネスの立場から住民の方へ寄りそうことはできますが、学びの場から地域を盛り上げるという発想はできません。そんな私たちにはない着眼点から、立命館大学さんと新しいもの作り上げていきたいと考えています。市民の皆さまにも、今日のイベントを「私にもなにか新しいことができるんじゃないか」「参加できることがあるんじゃないか」と考えるきっかけ、スタート地点にしていただけたらと思います。

  • イオンモール茨木 営業担当

    佐光 正成

    今回の「みんなで描くみらいの茨木2025」では、2,700人もの市民が参加し、地域と大学が一体となった新しい共創の場をつくることができ想像以上に活気あふれる一日となりました。今回の共創を通じて、茨木のまちには「共創の芽」が確かに根付いていることを改めて実感しました。一度きりの取り組みで終わらせるのではなく、今回得られたつながりや学びを、次回以降の取り組みにどう繋げていくかが大切だと考えています。イオンモール茨木という「地域の交差点」で、世代を超えて交流し、発想を掛け合わせることで、「共に創る」喜びや未来への可能性を体感できる機会になればと存じます。今後も地域の皆さまと共に、誰もが参加しやすく、未来に希望が持てるような場づくりを続けてまいります。

  • 茨木市長

    福岡 洋一

    共創の本質は、共に取り組むことによって、豊かな暮らし、幸せな人生をつくることにあると思います。学生の皆さんには、いろんな人と関わることによって自分の能力が高まる、そんな感覚で、人とつながり、可能性をどんどん広げてもらえたらなと思います。茨木市も共創に取り組もうとしています。これはマイナスをゼロにするのではなく、ゼロをプラスにしていく取り組み。どんどんチャレンジしていきたいと思っています。市民の皆さんには、このようなイベントを通じて、何かが始まるという期待感、いろんなことが起きるんじゃないかというワクワク感をぜひ肌で感じてもらいたいと思います。これからの共創にも大いに期待をしています。一緒に取り組んでいきましょう。

  • 学校法人立命館 総合企画部 社会共創推進課 課長補佐

    垰口 広和

    大学の外に出なければ出会わなかったかもしれない2,700人もの市民の皆様を含めた方々との出会いは大きな成果だと考えています。普段から学習や研究、課外活動に全力で取り組んでいる学生が、多くの地域の方に直接その成果や内容を届け、フィードバックをもらえる機会はとても貴重です。今後もこのような場を作っていきたいとも強く感じました。イベントを作り上げる過程自体も学生にとって大きな学びになり得ますので、今後は企画の初期段階から学生の参画を促し、本企画を更によい「共創」のカタチへ昇華させられるよう、取り組みを進めてまいります。

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