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長谷川滋利氏×SEEDS Member

米メジャーリーグで活躍、元プロ野球選手の卒業生、長谷川滋利氏と「挑戦のリアル」について語り合うSEEDS MIX開催

OUTLINE

立命館大学では、「挑戦してみたい」学生をSEEDS Memberとして募集し、それぞれの挑戦に対するサポートを行っています。現在、SEEDS Memberは約300人。大学内にあるメンバー専用の施設「SEEDS」を活動拠点に、企業や自治体ともつながりながら、学び、新しい価値を生み出そうとしています。

そのSEEDS Memberが集い、互いに交流する機会がSEEDS MIXです。2025年の第3回SEEDS MIXは、卒業生をゲストに迎え、「挑戦」をテーマにディスカッションする初のトークセッションとして実施されました。

ゲストは、米メジャーリーグでも活躍された元プロ野球選手の長谷川滋利氏(1990年経営学部卒業)。大学卒業後、国内プロ野球リーグで6年間、米メジャーリーグで9年間活躍し、現在は解説者としてテレビなどで活動する一方、自らのメディアでも発信を続け、起業家,投資家としても活躍中。米国でプロゴルファーとしても活動し、日本のプロテストにも挑戦されています。

そんな長谷川氏のトークセッションは、とても自由で和やかな雰囲気でした。気さくな人柄で学生の心をつかみ、圧倒的な経験値によって自分のものにしてこられた知恵や課題解決法、挑戦者としてのマインドセットを、一人ひとりの疑問や課題の核心を突くアドバイスとして惜しみなく提供される長谷川氏の熱量に、SEEDS Memberが多くの刺激を受けた1時間半となりました。

EPISODE

EPISODE01

スポーツにとどまらず
幅広い挑戦を続ける先輩に
自分の取り組みに関する疑問や
課題をぶつける

SEEDS MIXの会場は、JR大阪駅前のグラングリーン大阪 北館JAM BASE 5階にオープンした立命館の新しいオープンイノベーション拠点「ROOT(Ritsumeikan Osaka-umekita Open-innovation Terrace)」です。開始30分前、この日のゲストである長谷川氏が、自らテーブルや椅子を動かして、学生と気軽に対話しやすい雰囲気をつくろうと率先して会場設営に協力している姿がありました。これから始まるのが、いわゆる著名人の講演会ではなく「挑戦したい」学生と「挑戦を続けている」卒業生とのオープンなディスカッションであることがよくわかる光景でした。

長谷川氏の現役引退は2006年。米メジャーリーグで日本人歴代最多の517試合に登板し、オールスターゲームにも出場した当時の活躍ぶりを多くの学生は知りません。その長谷川氏をゲストに招いた理由は、野球にとどまらない幅広い分野での活躍と、今なお挑戦し続ける姿勢にありました。現役引退後の長谷川氏は、複数のプロ野球球団で副GMなど運営や経営に携わり、米メジャーリーグでも移籍した日本人選手のマネジメントを経験。青少年育成組織でも総監督を務め、育成チームの運営も手がけるなど、日米プロスポーツの世界で多彩な挑戦を続けてこられました。アスリートとしても、2019年から米国でプロゴルファーとして活動を開始し、日本のプロテストにも挑戦していらっしゃいます。

近年は、自身のポッドキャストチャンネルを通じて野球、ゴルフ、英会話などについて発信し、さらには投資家としても活躍。立命館の評議員も務めています。そんな長谷川氏から「挑戦のリアル」を紹介いただくとともに、SEEDS Memberも、自分が取り組んでいる挑戦について話し、直面する悩みや課題などを偉大な先輩にぶつけてみる貴重な機会が、この日のSEEDS MIXです。

EPISODE02

「挑戦には使命が必要」
自身の挑戦について語る
先輩の言葉を聴く

円形にレイアウトされた椅子に座るSEEDS Memberを前に、自己紹介を始めた長谷川氏。挑戦には「使命」が必要だと話し、自身の米メジャーリーグ挑戦の使命は「日本人でも海外に通用すると証明すること」だったと振り返られます。現在の使命を「日本を元気にする活動」とし、今後の取り組みとして「球場を活用した地域活性」を掲げられました。スポーツビジネスが盛んな米国では、試合のない日のマイナーリーグ球場にも多くの人が食事やレジャーを楽しみに訪れていることを紹介しながら、その構想の一端を示されました。

続いては、この日参加したSEEDS Member11名の自己紹介です。衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス、大阪いばらきキャンパスの3キャンパスすべてから参加があり、学生団体に所属している学生、自ら団体を立ち上げた学生、すでに起業している学生やこれからスタートさせようとしている学生など、日々「挑戦のリアル」に直面している学生たちが、先輩の言葉から何かを得ようと集まっていました。

長谷川氏は「このメンバーは、学部も学年も、バックグラウンドも多様。一言では表せない集まりですね。でも、社会に出たら、こんな風に何もわからないところから物事を始めるのが当たり前。この状態を経験できるのがすごくいいことだと思う」と皆に語りかけました。

EPISODE

EPISODE03

人を巻き込むには
自分をさらけ出すことが大切
だからこそ
日々自分を磨く時間が不可欠

次はいよいよディスカッションの時間です。モニターの「本日のトピック」と題されたスライドに、長谷川氏の経験と専門分野が一覧で表示されています。自己啓発・メンタルから不動産・金融まで、実に幅広い内容です。「みなさんの悩みや質問は、だいたいはこのどれかに当てはまるのではないか。ぜひ自由に質問してください」長谷川氏はSEEDS Memberにそう呼びかけました。

一番に挙手した学生から、英会話学習に関する質問を受けた長谷川氏は、立命館大学在学時に野球部で米国遠征をした経験を話しました。現地で出会った人と話したいというモチベーションから、大学の語学の先生と英語で話すようになったこと、米メジャーリーグ移籍を視野に入れてからは、改めて英語を勉強したいと大好きな映画を30回以上観てセリフを暗記したこと、その後もプロ野球選手として活躍しながら勉強を続け、通訳なしで米国に移籍したこと。これらの経験から、「楽しみながら、遊びながら学ぶことが大切」「時間を忘れてゲームをすることがあるでしょう?楽しいことなら継続できる」と話し、「どうすれば楽しめるようになりますか?」との質問には「筋トレも、ランニングも、急に長くやると身体が痛くなって『もうやめよう』となるでしょう?まだもうちょっとやりたいな、くらいでやめるのがいい。何事も『またやりたい』って思えればこっちのもの。そうなれば絶対に続けられるし、間違いなく上達する」と学生を励ましました。

「活動の中で周囲を巻き込む力をつけるには?」という質問には、「一番大切なのは、自分をわかってもらうこと。いいところも悪いところもすべてさらけ出せば分かり合える」とアドバイス。長谷川氏が企業と共創する際も「まずは自分自身のことをわかってもらおうとしている」と話し、だからこそ「自分を日々磨くことが大切」として「起床後、少なくとも10分間は、どうすれば自分の人生が良くなるか、ゴール設定などをじっくり考えている」という毎朝の習慣を紹介しました。「やりたいことが多くて時間が足りない、成長のためには自分自身を振り返ることも大事なのに、その時間がとれない」という学生には、「自分にとって一番大事なことを先に決めてスケジュール化してしまうのがいいと思う。僕にとっては自分を磨く時間が一番大事なので、自分を見つめる時間や本を読む時間を先に確保して絶対に予定を入れない」というアドバイスが送られました。

EPISODE

EPISODE04

「つながりつづけよう」
「一緒になにか取組みたいね」
長谷川氏の熱い言葉と気持ちが
SEEDS Memberに届いた

どんな質問にも、失敗を含む幅広い経験に裏打ちされた生き方の指針や、自らの実践から導き出された的確な答えを次々と返していかれる長谷川氏。「アイデアがたくさん出てきたら、数を絞ることも大事。ほとんどのアイデアは失敗に終わる。失敗は決して悪いことではないけれど、あまりにも多くの失敗が癖になるのはよくないと思う」「成功するにはアイデアよりもシステムが大切」「SNSは味方をつくり、自分のメディアに誘導するためのもの。いいことを書こうとすると反感を買うこともある」「何かが欲しいなら、まずは与えてあげよう」一人ひとりの課題に対する実践的なアドバイスからは、積み重ねてこられた豊富な挑戦の蓄積が感じられ、質問した学生だけでなく、聴いていた他の学生の心にもまっすぐに響いていたことが、終了後の感想からもうかがえました。

質問を受けながら「いつでも相談してもらっていいですよ」「具体的なこともまた教えます」「つながり続けましょう」と話した長谷川氏。全員との対話が終わると「このメンバーでポッドキャストをしたらどうかな。1人30分順番に話していけばいいね。スポンサーは僕が探すから」というアイデアも飛び出し、思いもよらない提案に学生が驚く場面もありました。それでも「将来一緒になにか取り組みたいですね、ぜひやりましょう」という長谷川氏の気持ちと熱い言葉は、SEEDS Memberのモチベーションにも火をつけているはずです。

最後に全員で集合写真を撮る頃にはすっかり話が弾んで、今にも共創が生まれそうな雰囲気の長谷川氏とSEEDS Member。今日の出会いがどんな未来を創り出すのでしょう。新しい一歩が始まりました。

REFLECTION

プロジェクトを終えて、関わった方々の
振り返りをお聞きしました

  • 立命館大学評議員 元プロ野球選手

    長谷川 滋利

    学生の皆さんとじっくり話してみたいと思っていたので、今日がとても楽しみでした。集まってくれたのは、僕の想像以上にアグレッシブで、自分の意見を持ち、それを表現できる学生ばかり。将来、この中からすごい人物が出てくるのではないでしょうか。日本の未来も明るいなと思いました。

    大企業にいれば安泰という社会は終わり、確実なものなどない社会がやってきているのに、まだまだ「人」は変われていないと思います。だから僕は、変化に対して柔軟に対応できる若い人と一緒に何かをやりたいのです。例えば今日のメンバーと57歳の僕が組めば、本当に強い力を生み出すことができ、社会を変えることもできると思います。僕は、ビジネスを通して社会を良い方向に変えていきたいと本気で考えています。これまでの経験から学んできたことが皆さんの役に立つならぜひ提供したいですし、これからもつながりを持ち続け、卒業後はぜひ一緒に社会の変革に取り組みましょう。

    学生の挑戦をこのような形でサポートする立命館大学は、他大学にはない独自の強みを持ついい大学だと思います。意欲ある学生が自分自身で考え、挑戦し、失敗もできる場と機会が提供されているのは素晴らしいことですね。

VOICE

イベント参加者の声

  • 小野村 祐聖さん(経営学部 1回生)

    高校時代からイベントなどの企画が好きで、起業にも関心があり、SEEDS Memberになりました。他のメンバーの経験や活動を共有してもらえる貴重な機会となっています。

    今日は偉大な先輩の話が聴けるということで参加しました。僕自身の新しいチャレンジに向けて、長谷川さんがどんなマインドでチャレンジされているのかを知りたいと思ったからです。質問を通して、マインドセットについて貴重なお話をうかがうことができました。たくさんのアイデアから絞り込んだうえでの失敗が大切という話は自分の中でもしっくりくるものがあり、すぐ実践に移せそうだと感じています。長谷川さんも僕たちと一緒に何か取り組みたいと言ってくださっていたので、今後もつながっていただけたら非常に嬉しいです。

    初対面のメンバーの話を聴いていて「ここは一緒にできそう」「知らない分野だから質問してみよう」と思えたのも良かったと思っています。

  • 玉島 悠成さん(総合心理学部 3回生)

    団体を運営するうえで、メンバー全員が同じ思いで活動することの難しさや、自分だけが先走ってしまうという課題について質問しました。他の人へのアドバイスもあわせて聴くうちに、大切なのは「自分を知ってもらうこと」だと気づきました。そのためにも、日々の振り返りを大切にし、自分の取り組みたいことを明確な言葉で表現できるようにすることが大事だと感じました。そうすれば、メンバーにも理解してもらいやすくなり、団体全体のまとまりにもつながると思います。この気づきは、すぐ実践に移せると思います。

    他のメンバーと話す中で「一緒に取り組めそうだね」という話になるなど、思いがけない形で共創が生まれたことも印象的でした。これからもぜひ参加したいと思います。

  • 平田 蒼平さん(経営学部 4回生)

    立命館だからこそ長谷川さんのお話が聴けると思い、参加しました。ROOTでの開催ということで、多様な学部から学生が集まると考え、学部を横断したコミュニケーションやネットワークが作れたらという思いもありました。最初に質問するのは少し緊張しましたが、長谷川さんがすごく楽しい雰囲気を作ってくださっていたので、質問しやすかったです。学生に対して積極的にコミュニケーションをとってくださり、一緒になにか取り組みましょうと言ってくださったのも印象的でした。これからどんなことができるのかが楽しみですし、今日のように挑戦する学生が集まれば、きっといいものが生まれると思います。職員の方からも「取り組みたいことがあれば言ってね」と話してくださり、今後への希望もふくらみました。またぜひ参加したいと思います。

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