クリープ試験関係

1. 卓上クリープ試験装置①
2. 卓上クリープ試験装置②
3. 卓上クリープ試験装置③
4. インデンテーションクリープ試験装置
5. 十字型試験片を用いた高温多軸クリープ試験装置
6. 電気・油圧サーボ式三軸クリープ疲労試験装置
7. 横型低サイクル疲労試験装置
8. 電気油圧サーボ疲労試験装置
9. ねじりクリープ・疲労試験装置



卓上クリープ試験装置①


卓上クリープ試験装置は,ミニチュア(微小)試験片に引張荷重を負荷し,クリープ試験を行うための装置である.
本試験装置の荷重負荷方式は直荷重式で,最大荷重容量は200Nである.試験片①の加熱には電気炉③を用い,試験片標点部の温度分布を一定にするために補助ヒータ④が下部プルロッドに取付けてある.クリープ変位は,一対の差動変位計⑤を用いて測定する.クリープ試験は,無荷重で試験片温度が設定値に到達後,約24hの均熱時間後に試験荷重を負荷して開始する.

卓上クリープ試験装置②


火力発電プラントは高温高圧化により,老朽化している.また火力発電プラントからの試験片の採取に伴う機能および性能および性能の低下を最小限に抑える必要がある.そこで本研究では試験片直径を1mmまでミニチュア化し,錘によるレバー式で負荷する.
また高温酸化の影響を防ぐためアルゴンガス雰囲気中で実施する.バルク試験片とミニチュア試験での試験結果を比較し,火力プラント設備などの寿命評価に寄与する.


卓上クリープ試験装置③


この卓上クリープ試験装置は、高さ715mm,幅300mm,奥行き250mmである.荷重負荷方式は直下式で,最大荷重容量は20kgである.
試験片の加熱には電気容量258Wの上部ヒータと286Wの下部ヒータの電気炉を用い,最高使用温度は350℃である.クリープ変位は,最大測定範囲50mmの差動変位計を用いて測定する.
試験片は単軸引張試験片として採用されているダンベル型の形状を小さくしたものであり,全長35mm,平行部長さ15mm,標点部直径2mmである.両端にM4のネジ部が設けられている.


インデンテーションクリープ試験装置

    












インデンテーションクリープ試験装置は,円柱状圧子を用いて押込みによるクリープ変形を与え,変形特性を評価するための装置である.
高温材料用では,てこ比1:4のてこを用い,重錐の4倍の荷重が試験片に負荷できるようになっている.一方,電子デバイス材料用では,直荷重式により荷重を負荷する.また,温度範囲はそれぞれ高温材料用が650℃まで,電子デバイス材料用が150℃までである.
押込み量によって圧子の断面積が変化するため,応力の変化するクリープ変形を付与することができる.


十字型試験片を用いた高温多軸クリープ試験装置

                                                                                                                        試験片

発電プラントの経年的材料劣化や使用条件の過酷化が進んでいる.特にボイラ管やガスタービンローターでは2軸応力状態が生じており,高温多軸応力下のクリープ変形・寿命を評価することが必要である.そこで本研究では十字型試験片を用いて,多軸応力下のクリープ損傷を評価する.
また試験機に1:10のてこを2つ組み合わせることで,1:100のレバー比を実現している.
XとYの主応力比を変えて錘を負荷し,2方向の変位を測定する.そしてクリープ損傷を考慮した多軸応力下寿命評価パラメーターを構築する.


電気・油圧サーボ式三軸クリープ疲労試験装置


電気・油圧サーボ式3軸クリープ疲労試験機は,直交する3方向から荷重または変位制御による引張・圧縮負荷の試験が可能である.
最大荷重容量は49kN,最高使用温度は973Kとなっている.試験片にはSUS304を用い,標点部は一辺が10mmの立方体であり,直交する3方向からの引張負荷が可能となるように,立方体から6本の腕を伸ばした形状としている.
現在行っている実験は,正の等方応力がクリープに及ぼす影響を実験的に解明するため,等3軸引張クリープ試験を行っている.


横型低サイクル疲労試験装置













                                                試験片

横型低サイクル疲労試験機は,低融点合金から耐熱合金までの各種材料の小型試験片を用いた疲労およびクリープ疲労試験の実施と変形・破壊・寿命特性の検証が可能である.昨今の試験片の小型化に対するニーズに対応している.
最大軸荷重は50kN,最大トルク500N・m,最大周波数1Hz,試験温度は室温から80℃までの試験が可能である.
現在は主に鉛フリーはんだを用いて疲労試験を行っている.


電気油圧サーボ疲労試験装置














                                                 試験片


電気油圧サーボ疲労試験機は,低融点合金から耐熱合金までの各種材料のバルク試験片を用いた疲労およびクリープ疲労試験の実施と,変形・破壊・寿命特性の検証,更にき裂進展挙動の観察が可能である.最大荷重50kN,試験温度は室温から40℃までの試験が可能である.
現在は主に鉛フリーはんだを用いてクリープ疲労試験を実施し,き裂進展評価を行っている.


ねじりクリープ・疲労試験装置

    

ねじりクリープ・疲労試験装置はモータ駆動でトルク制御のクリープ疲労試験を行うことができる装置である.
試験片に治具を介して取付けた2本のステンレスワイヤの移動量の差をLVDTで求め,ねじれ角を算出する.
さらに、伸び計を用いてひずみ制御の疲労試験を行うことが可能である.
この装置の最大試験トルクは260N・mであり,室温~1000℃までの試験が実施できる.