研究科長のつぶやき 2020年9月バックナンバー 立命館大学大学院言語教育情報研究科ホームページ佐々木冠のホームページコロナに負けない役立つウェブサイト研究科長のつぶやき

研究科長のつぶやき 2020年9月バックナンバー

2020/10/09設置
2020/09/29[情報共有]2020年度秋期入学式の映像
 2020年度秋期入学式の映像をこちらで見ることができるようになっています。入学式に入るまでちょっと長いです。
2020/09/25[情報共有]日本方言研究会「オンライン研究会参加説明会」
 日本方言研究会が研究発表会のプレイベントとして「オンライン研究会参加説明会」を開催します。「オンライン研究会ってどうやって参加するの?」と疑問を持っている方は方言が専門ではない方でも学ぶところがあるイベントになるはずです。是非覗いてみて下さい。Zoomで参加できます。日時は以下のとおりです。3回同じ内容の説明会があります。時間のホットリンクをクリックするとZoomのページに飛べます。
2020/09/23[院生向けメッセージ]アカデミックライティングデスクを積極的に使おう
 今月の最終週から秋学期が始まります。秋学期に修了予定の院生は、1月の論文提出に向けて、そして、10月の中間報告会に向けて、分析と執筆を進めていることと思います。そんな皆さんにアドバイスがあります。
 「教員にだけ文章を指導してもらうことは避け、アカデミックライティングデスク(以下AWD)を積極的に活用しよう」ということです。夏休み中には、AWDが使えませんので、どうしても教員に論文の中身だけでなく文章もチェックしてもらいがちです。しかし、秋学期が始まったら、AWDを積極的に活用するようにして下さい。
 何故AWDを積極的に使うべきなのか、理由を書きます。端的にいうと「一人の人にだけ文章をチェックさせ続けるのは危険だから」です。どんな面で危険なのか。文章の問題点に気づきにくくなる点です。
 教員、とりわけ主指導教員の仕事は、院生の研究の内容をより説得力のあるものにすることです。院生の文章を訂正することではありません。それでも、いろいろな段階で院生から渡された文章を読んで、内容についてアドバイスをするとともに、文章も訂正します。「ここはこんなふうに書いた方が内容が正確に伝わるだろう」という箇所があれば、修正の提案もします。
 このような指導の過程で常に教員は院生の研究を文章から理解しようとします。しかし、あまりに何度も同じ文章を読んでいると、次第に問題点に気づきにくくなるのです。「わかろうと努力してわかったつもりになる」からです。表現に問題があり、本来ならそんな解釈ができるはずがないにもかかわらず、「きっとこんなことが言いたいんだろうな」と思って、わかったつもりになるのです。そして、文のねじれや不適切な引用・要約を見落とすことになるのです。
 本当は議論の運びや表現に問題があるのに、教員がその文章を理解したつもりになってしまう。こんな状態のまま論文を提出し、口頭試問に院生が臨むと副指導教員から思ってもいなかった質問を受けて対応できなくなることもあります。こんなときは、主指導教員も「そうか言われてみればまずいな」と副指導教員の指摘に納得して、院生に助け船を出すどころではなくなってしまう場合もあります。
 口頭試問まで問題点を抱え続けないために、主指導教員にだけ文章を指導してもらうことは避けてください。秋学期になったらAWDを積極的に使って下さい。夏休みの間も、教員に文章を見てもらう前に、できるだけ、第三者に文章をチェックしてもらうようにしてください
 第三者は友人の場合もあるでしょうし、有料の校正サービスのこともあるでしょう。面倒くさいと思われるかもしれませんが、先生方も外国語で論文を書くときは予算を確保して母語話者にチェックしてもらっています。当該分野に詳しい母語話者がベストですが、書き言葉に慣れている人になら相談しても問題ないでしょう。
 ここまで書いた内容は、日本語や英語を母語としない留学生にだけ当てはまるわけではありません。これまで、僕は複数の雑誌で査読を担当してきました。査読は、投稿された論文を読み、雑誌に掲載すべきか検討する作業です。掲載する・掲載すべきではないという判断だけでなく、修正したら掲載できる可能性がある(できない可能性もある)という判断もあります。実は、何度かの修正の上で「掲載可能」の判断になったものでも、「ここは表現を修正したほうがよい」という提案をすることが少なくありません。これは、日本国内で発行されている雑誌に日本語母語話者が論文を投稿してきた場合でも生じ得ることです。
 そんなわけですので、日本語母語話者の院生も教員に文章を見せる前に友人にチェックしてもらうことを勧めます。もちろん、相手が自分のアイディアを盗んだりしないという信頼関係が必要です。他の分野を専攻にしている知り合いにチェックしてもらうのも一つの手です。言語学や外国語教育学を専門にする人ほど理解してくれないかもしれませんが、逆にわかりやすさを追求する上では役立つかもしれません。僕も人類学を専門にする友人に、論文を見てもらったこと上がります。「言語学の世界ではこんなことにこだわっているのか」というのが友人のコメントでした。わかったけれども納得したわけではない。これで十分です。そもそも関心が違うのですから。
 もし、皆さんの中に「修士論文は学術論文なのでわかりにくくてもよいのではないか」という疑問を持っている人がいるかもしれません。この質問をされたら、僕の答えは「否」です。学術論文である以上、新しい知見が必要です。新しい知見は、誰もそれまでに明らかにしていないことですから、読者の常識に合致しなかったりすることもあるでしょう。それでも、内容を理解してもらうために、わかりやすさを追求すべきです。自分の知見を学問分野で共有してもらうには、わかりやすさの追求が必要です。わかりやすく内容に新規性がある文章がベストです
 AWDはできるだけ早い段階から活用して下さい。11月頃、修士論文の全体像が見え始めてから使うのではなく、各章の文章を書いている段階でAWDを活用し、文章をチェックしてもらって下さい。上で述べた第三者によるチェックです。特に先行研究を紹介する章は、不適切な情報源の示し方によって剽窃や盗用の疑いをかけられる可能性が高い部分であると同時に、比較的早い段階で文章化する箇所です。先行研究を紹介する章は10月初めの段階で文章をチェックしてもらった方がよいでしょう。
 また、完成した論文全体をAWDに持ち込んでも所定の時間内に指導を受けることは不可能です。論文の部分(章や節)を持っていって指導を受けるようにして下さい
 先ほど、先生方も外国語で論文を書くときは予算を確保して母語話者にチェックしてもらっていると書きました。このような母語話者によるチェックはそれなりの予算が必要です。言語教育情報研究科のAWDは、無料で使えるサービスです。是非、有効に使って下さい。秋学期からmanaba+RでAWDを使えるようになります。日本に入国できていない院生もAWDが利用できる体制を準備しました。具体的な利用方法については後日アナウンスがあります。メールで予約してファイルのやりとりはmanaba+Rで行うかたちになります。
2020/09/23[情報共有]学位授与式動画
 2020年度春学期修了者の学位授与式動画が公開されました。Youtubeの映像へのリンクはこちらです。昨日は衣笠キャンパスでの学位授与式も行われました。
2020/09/15[情報共有]更新されたシラバスをチェックしてください
 もうすぐ秋学期の科目の履修登録が始まります。春学期に秋学期のシラバスを確認した院生も多いと思いますが、履修登録前に必ずシラバスをチェックしてください。開講形態(対面授業かWeb授業か)を確認するとともに、内容ももう一度確認してください。変更がある場合があります。
 僕自身、「言語コミュニケーション学演習01」(月曜4限)の授業内容を変更しました。昨年度までは、教室に方言話者に来てもらってある種のフィールドワークを院生に体験してもらっていたのですが、それがコロナ禍によって困難になったため、教員による講義の部分を増やしたものにしました。
 講義スケジュールの全体をアクセント調査、文法調査、その他の(主に社会言語学的)調査に分けました。
 アクセント調査では、どんなことを調べる必要があるかについて、講義をする回を2回、調査票を作る回を1回、Zoomを使ったオンライン調査を1回、調査データのまとめで1回という構成にしました。
 文法調査に関しては、僕が15年前に行った北海道方言の逆使役構文に関するアンケートの再解釈を行う予定です。逆使役は他動詞文の主語を削除して直接目的語を主語にする自動詞化です。直接目的語が主語になる点は受動と似ていますが、動作主(他動詞文の主語)が完全に削除される点で受動と違います。すでに、Excelに入力されたデータがあり、それをもとに分析を展開した論文が出版されているけれども、その後の分析の進展を参考にExcelにあるデータを再解釈することを院生と一緒に行うという内容です。自他交替などに関心がある院生にお勧めの内容になっています。
 その他の調査の部分では、オンラインで使えるアンケートフォームを使った調査の方法について講義し、院生に実際にアンケートフォームを作ってもらうことを考えています。コロナ禍のもと、対面での調査が難しい状況です。アンケートフォームを使った調査の技術を身につけることはどんなテーマで論文を書くにせよ役立つはずです。
 他の先生方も状況に応じて講義内容を変更している可能性がありますので、関心がある講義・演習のシラバスは、しっかりチェックしておいてください。
2020/09/08[その他]修了式の撮影 修了式撮影, 2020/09/08
 秋の修了式は、コロナ禍のもと、院生が参加するいつもの形式ではなく、撮影したものを流すかたちになりました。今日の午前中から昼にかけて、修了式の撮影をしてきました。アカデミックガウンを着ての撮影です。写真ではマスクを着用していますが、9月22日から流す予定の映像ではマスクをしていません。まだ、人が集まる場所(この写真の撮影場所は待合室)ではマスク着用が必要です。
 修了式の撮影のあと、入学式の撮影もしてきました。2021年の春には修了式、入学式とも院生と一緒に参加したいものです。そのためにも、感染拡大が起きないよう、一人ひとりが注意したいものですね。
2020/09/07[情報共有]予約なしでの図書館利用(9月7日〜9月25日)
 すでに、manaba+Rなどで周知されていますが、今日から9月25日まで図書館利用の際に予約が不要になります。より自由に図書館が使えるようになります。ただし、マスクは必須です。
 図書館に行ける方は是非積極的に利用してください。なお、図書郵送サービスなどはこのまま継続されます。
2020/09/04[情報共有]新型コロナウイルス感染者への差別に反対する声明
 大学のウェブページで「新型コロナウイルス感染者への差別に反対する声明」が公開されました(公開日は9月1日)。差別において加害者とならないためにも、そして被害に遭ったときに「不当である」と主張できるようになるためにも是非読んで下さい。

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