「地球内部物理学」は、地球の表層や内部で起こるさまざまな現象、また、それらの相互作用を、物理学的な手法を用いて解明する学問分野です。私たちが日々踏みしめている地球の表面がなぜ、どのように動くのか、そして、地球の内部がどのような構造をして、それがどのように時間変化するのかを理解するには、この分野の基礎的な事柄を習得する必要があります。
地球誕生から現在までの約46億年間に、地球がどのような進化をたどってきたのか、巨大なユーラシア大陸の東に弓状の形として存在する日本列島がどのように形成されたのか、そもそもなぜ、太陽系の惑星で地球にだけプレートテクトニクスが存在し、海洋と大陸が存在するのか――といった、地球科学上の基本的な問題は、野外での調査・観測や岩石試料の解析を扱う地質学や地球化学といった学問が主役となることがほとんどです。しかし、それらの分野の研究から生み出される仮説や前提条件の理論的な裏付けには、やはり物理学的なセンスが必要とされます。
地震や火山噴火、それに伴う津波は、私たちの生活や生命・財産を頻繁に脅かします。その反面、数十万年、数百万年以上の長い時間スケールの地殻変動によって生まれる多種多様な地形は、各地の観光資源となり、人々にダイナミックな地球の活動を連想させます。また、世界各地で採取される美しい鉱物や宝石、生活に欠かせない鉱物資源や化石燃料、日本人であればほとんどの人が好む温泉などは、まさに地球内部の大規模な活動が私たちにもたらす恵みです。
当研究室の紹介
地球内部物理学とは
マクロからミクロまでの視点で考える
地球の内部はマントルとコア(核)に大別されます。地球の半径が約6371 kmに対し、岩石層であるマントルの厚さは約2900 kmで、その体積は地球全体の体積の実に約84%を占めます。したがって、マントルで起こる運動が地球の表層の運動を支配し、マントルの活動の行く末が地球の将来、ひいては、地球の環境変化を通して私たち人間を含む生物の運命を決めるといっても過言ではありません。
マントルは固体でありながら、長い時間スケールでは流体的に振る舞います。プレート運動や大陸移動、造山運動はもちろん、地震や火山噴火も、ほとんど全ての地学現象の根底はマントルの熱対流運動、つまり、マントル対流にあります。その空間スケールは数千キロ以上に及び、時間スケールは数千万年程度と非常に長いものとなります。一方で、マントルの流れを支配するメカニズムは、突き詰めると、岩石をつくる結晶の原子配列の変化、結晶の粒径の変化などといったミクロな現象にまで議論が及びます。
地球内部物理学では、そういった時間的にも空間的にもマクロからミクロまでの視点で、地球で起こる現象の謎を解き明かします。このためには、まず、どのような地球科学的な観測・実験結果があるのかを整理・理解し、次に、その観測・実験結果を理論的に説明するための数理モデルを考え、実際に数値解析や数値計算をして検証する必要があります。その先に本当の地球の姿が見えてきます。
マントルは固体でありながら、長い時間スケールでは流体的に振る舞います。プレート運動や大陸移動、造山運動はもちろん、地震や火山噴火も、ほとんど全ての地学現象の根底はマントルの熱対流運動、つまり、マントル対流にあります。その空間スケールは数千キロ以上に及び、時間スケールは数千万年程度と非常に長いものとなります。一方で、マントルの流れを支配するメカニズムは、突き詰めると、岩石をつくる結晶の原子配列の変化、結晶の粒径の変化などといったミクロな現象にまで議論が及びます。
地球内部物理学では、そういった時間的にも空間的にもマクロからミクロまでの視点で、地球で起こる現象の謎を解き明かします。このためには、まず、どのような地球科学的な観測・実験結果があるのかを整理・理解し、次に、その観測・実験結果を理論的に説明するための数理モデルを考え、実際に数値解析や数値計算をして検証する必要があります。その先に本当の地球の姿が見えてきます。
当研究室が求める学生
当研究室では数値シミュレーションや理論解析の手法を用いて地球科学の研究を行います。物理学、数学、英語の一定レベル以上の学力が必要なことはもちろんのことですが、計算をするにしろ、計算結果を可視化するにしろ、プログラミングに苦手意識がないことが重要です。長時間、机やコンピューターに向かうこと自体に抵抗感がある学生は大変な苦労をすることが予想されます。
地球に対する理解を深めることの面白さや意義を自ら見いだして、自分の力で積極的に研究に必要な情報を収集し、長期的視野を持って貪欲に勉強することができる学生を募集しています。
当研究室の学生には、観測が困難な地球の内部の活動と私たちが住む地表の運動との関係、そして、そういった地球全体の大規模スケールの活動と私たちの生活に密接に関わる地震や火山噴火などの自然災害の関係、さらには、気候変動や生命環境変化との関係まで興味・関心の幅を拡げ、卒業後・修了後も役立つ「一生もの」となる科学的知識を習得していただきたいと考えています。
地球に対する理解を深めることの面白さや意義を自ら見いだして、自分の力で積極的に研究に必要な情報を収集し、長期的視野を持って貪欲に勉強することができる学生を募集しています。
当研究室の学生には、観測が困難な地球の内部の活動と私たちが住む地表の運動との関係、そして、そういった地球全体の大規模スケールの活動と私たちの生活に密接に関わる地震や火山噴火などの自然災害の関係、さらには、気候変動や生命環境変化との関係まで興味・関心の幅を拡げ、卒業後・修了後も役立つ「一生もの」となる科学的知識を習得していただきたいと考えています。
卒業研究について
卒業研究の方針
当研究室では、4月中に卒業研究のテーマを決定して研究を開始していただき、春学期の終わり頃(7月下旬)か秋学期の始まる前(9月初旬)のゼミで一回目の中間発表をしていただきます。秋学期には、2月の卒業研究発表会まで週に1回、研究の進捗状況について発表していただきます。
当研究室では、シラバスにある通り、卒業論文の提出は必須です。卒業論文の提出を確約できない者は当研究室への大学院進学を認めません。
卒業研究の成績評価は、卒業論文の完成度、および、研究やゼミに対する日頃の取り組み方から総合的に評価します。
当研究室では、シラバスにある通り、卒業論文の提出は必須です。卒業論文の提出を確約できない者は当研究室への大学院進学を認めません。
卒業研究の成績評価は、卒業論文の完成度、および、研究やゼミに対する日頃の取り組み方から総合的に評価します。
卒研生のスケジュール(年によって異なります)
予定 | 行事 |
---|---|
4月1日 | 研究室配属 |
4月上旬 | 春セメスターの卒研ゼミ開始(輪読) |
4月中 | 歓迎会 |
4月中 | 卒研テーマ決定。研究開始 |
5月中 | 大学院内部進学書類提出締切 |
5月下旬 | 日本地球惑星科学連合(JpGU)大会。学会参加など |
7月下旬 | 暑気払い |
8月 | 夏休み |
9月中旬頃 | 卒研第一回目中間発表 |
9月下旬 | 秋セメスターの卒研ゼミ開始(研究進捗状況報告など) |
9月頃 | 日本物理学会年次大会。学会参加など |
12月下旬 | 卒研第二回目中間発表 |
12月下旬 | 忘年会 |
1月中旬 | 卒業論文初稿提出締切 |
2月上旬 | 卒研発表会前直前発表(発表練習) |
2月中旬 | 卒研発表会 |
2月中旬 | 卒業論文最終版提出締切 |
3月下旬 | 卒業式・学位授与式・送別会 |
研究室の設備
- PIV流体解析ソフトウェア
- 4Kビデオカメラ
- ハイスピードカメラ(学科共有)
- FDM式3Dプリンター
- 流体解析用パソコン
- ストレージサーバー
- Linuxワークステーション