教員プロフィール

ご挨拶

現在,大量生産・大量消費・大量廃棄型に代表されるフロー型社会から,すでに蓄積されている資産を有効に活用するストック型社会への転換がよりいっそう求められています.このような問題を解決するためには,あらゆる学問領域を総動員して取り組むことが重要になってきます.

私の研究室ではこのような問題を解決するため,熱力学,材料科学,環境工学に関する知見を活かした自然科学的アプローチに立脚し,産業エコロジーや環境システム工学といったライフサイクル思考を援用しながら,「ハードとソフトの融合」という学際領域の発展に寄与することを目的として,研究を進めています.これらの研究を通じ,あらゆる事に興味を持つだけでなく,それを実行できるような学生を育てるべく教育の現場に臨んでいきたいと考えています.具体的な研究テーマについては,「研究内容の概略」,「研究プロジェクト」をご覧ください.

さて,私は,「人材」こそが資源に乏しい日本が世界をリードしていくための駆動力の一つと考えます.当研究室の教育活動に関わる基本方針として,高い能力を持った人材を社会に輩出するため,高度で洗練された研究を通した教育を行いたいと考えています.教育にとって最も大事なことは,学生の感性を刺激することでモチベーションを高め,個々の持つ潜在能力を最大限開花させることであると思います.そのため,教育者自身が信頼に足る高い人間性を持ち,深く体系的な知識そして豊富な研究経験に裏付けられた洞察力を示すことが必要であり,常にこれらを念頭に置き,教育の現場に臨みたいと考えています.

現在の日本においては学際的研究が強く求められています.ただし,学際的研究の成果発信に傾倒しすぎてしまい,基礎的な知識の教授が疎かになってしまう場合が散見されます.当研究室では,学生に熱力学,固体物理学,材料科学という礎を持ってもらい,社会への還元を目的としながら実験科学と社会科学を融合させた研究を行います.そして,このような研究活動を通じた教育を行うことで,地球環境問題について問題解決能力のある学生を育てたいと考えています.

また,得られた成果の発信も同様に重要と考えており,専門的な知識の獲得だけでなく,論理的な思考能力に基づくプレゼンテーション能力,コミュニケーション能力を学生に養わせることも重視していきたいと思います.

このような研究・教育を効果的に推進するためには,研究連携も重要な要素と考えています.学内における連携は当然ですが,他大学との研究連携,国内の研究機関との研究協力,そして国外の研究機関との研究協力を進めていくことも重要と考えています.これまでもこれらの連携を通した研究会・シンポジウム・国際学会には学生を積極的に参加させており,広い視点から研究を行うことおよび多くの人々とのコミュニケーションの重要性を理解してもらっています.今後もこれらの連携活動を活かした研究・教育活動を進めながら学生に国際的な視野を養ってもらい,さらには私自身も視野も広げていきたいと考えています

山末英嗣

経歴

山末 英嗣(やますえ えいじ)
2000年3月 東京工業大学理工学研究科金属工学専攻 博士後期課程修了.博士(工学).京都大学京都大学大学院エネルギー科学研究科寄附講座職員,助手,助教,ウィーン工科大学客員研究員,国立環境研究所客員研究員を経て,2016年より立命館大学理工学部機械工学科准教授,2019年4月より教授

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