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外国語学習ガイド

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1.ドイツ語の紹介

1.ドイツ語とは?

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ドイツと聞いて私たちが思い浮かべるイメージは何でしょうか。
食いしん坊の人ならビールとパンとソーセージ、音楽の好きな人ならシューベルトやベートーヴェンにワーグナー、詩人肌の人はゲーテとシラー、子供の頃に読んだグリム童話、歴史に関心のある人はナチスとヒトラー、マルティン・ルターあるいは神聖ローマ帝国でしょうか(神聖ローマ帝国は15世紀以来「ドイツ国民の神聖ローマ帝国」という名称であったことを知っていましたか?)。もしかして現代ではサッカーを最初に思い浮かべる人が一番多いかもしれません。
ワールドカップ2006は記憶に新しいところです。ニーチェ、フロイト、シェーンベルク、ブレヒト、ブルーノ・タウト、パウル・クレー、ギュンター・グラスなどを思いつく人は相当のドイツ文化通ですね。

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上に名前を挙げた人物について私たちはその著作や作品に接したことがなくても名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。それはなぜかといえば、近代ヨーロッパの諸文化の中でもドイツ文化が、百数十年前に日本が世界との付き合いを再開して以来、学問や文化を発展させ、国家や社会の仕組みを近代化するうえで飛びぬけて大きな影響を与え続けてきたからに他なりません。
哲学、文学、音楽、医学、そして社会科学などの領域における日本の歩みはドイツ・ドイツ文化、そしてドイツ語なしに考えることができません。

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法律制度の分野でも同じでした。近代法治国家を作り上げるために不可欠な法制度を整備するうえでヨーロッパの大陸法をどう受け入れるかが緊急の課題となり、そのなかでドイツの法制度が決定的な力をもちました。明治憲法が範を得たのはプロイセン憲法ですし、民法、刑法などもドイツの法典を手本として作られました。
もちろんドイツがすべてであったわけではなくて、たとえば海軍はイギリス、学校制度はフランスに倣って整備されるなどしました。また、時代が下って第2次世界大戦後は英米法の影響が強くなっています。現在の日本国憲法の手本はもちろんプロイセン憲法ではありません。しかし、日本の法学の基盤となっているのは依然としてドイツ法およびドイツの学説であるといっていいでしょう。

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ドイツ語の大切さはしかし、それが法学と密接な関係にある言語であるという点に尽きるわけではありません。ドイツ語を母語とする人々は、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタイン(この3国はドイツ語が唯一の国語です)、スイス(ドイツ語以外にフランス語・イタリア語・レトロマン語が公用語ですが、ドイツ語話者が一番多い)を中心に世界中でほぼ1億人に達し、この数は日本語話者よりすこし少なめです。ちなみに、フロイトとシェーンベルクはオーストリア人、パウル・クレーはスイス人です。

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たんに使い手の数が多いというだけではありません。今や27の加盟国を有する欧州連合(EU)が世界の政治や経済に占める重要性はいくら強調してもしすぎることはありませんが、その EU で中心的な役割を果たしているのがドイツです(たとえば欧州議会におけるドイツの議員は定員785名中99名で最大)。
その点に関してもドイツ語は現在、ヨーロッパのみならず、世界の重要な言語として機能しています。

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言語学的な特徴を紹介するとすれば、ドイツ語は英語と親戚関係にある言語(どちらも西ゲルマン語という語族に属します)で、語彙などに共通性が見られます。
たとえば Garten ⇔ garden、trinken ⇔ drink などはすぐにわかりますね(ドイツ語の名詞はすべて大文字で書き始めることになっています)。発音は英語ほど難しくありません。単語が文の中で果たす役割を示すために格変化というものがあり、最初は少し戸惑うかもしれませんが、これはちょうど日本語の助詞(主格や目的格を表す「が」や「を」)と同様の役割を担っていることが分かれば興味も増すことでしょう。

※写真:独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター提供

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