2007年度JASRAC寄附講座
音楽・文化産業論U
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2007.12.15


講師:山本たかお(やまもと・たかお)先生

1959年京都生まれ。
1982年一橋大学法学部卒業、テレビ朝日入社。制作局配属。
数々の音楽番組のAD、「グラミー賞SP」のDの後、1986年「ミュージックステーション」を立ち上げ、以来20年余担当。D、チーフD、プロデューサー兼演出を経てチーフプロデューサーに。
その他にも「パパパパPUFFY」(1997)、「8時だJ」(1998)、「裸の少年」「マシュー’S BEST HIT TV」(2001)のプロデューサーを担当、「堂本剛の正直しんどい」(2002)、「いいはなシーサー」(2007)なども企画する。
現在、テレビ朝日編成制作局局次長兼音楽制作チーフプロデューサー。
私設応援団「六本木猛虎会」会長。


「テレビとポピュラー音楽文化

 

【授業の冒頭に、この日の講義のために特別に制作してくださったDVD、「ミュージックステーション Mトピ」が流されました。】



(1)それまでの音楽番組との違い

 1986年10月26日に放送が開始された「ミュージックステーション」は、今年で22年目に突入しました。始まった頃は後発の番組で、「ベストテン」、「夜のヒットスタジオ」、「トップテン」などの音楽番組が各局にあり、いずれも高い視聴率をとっていました。初回の数字は8%ぐらいだったので、「ベストテン」などが20%〜30%近い視聴率をとっている中で、いわばものすごく大変な船出をしたというわけです。その頃はまだCDはなく、カセットテープにダビングしたり、ラジオで聴いたり、レコード盤で音楽を聴く時代でした。その時代はテレビが音楽にとって、ものすごく力を持っている時代だったんです。当時の音楽番組は、ポップスや演歌などなんでも取り入れられているものがほとんどで、「ミュージックステーション」もはじめはそれと同じスタイルをとっていたので演歌や歌謡曲もやっていました。しかしなかなか数字がとれず、悩んだ結果、演歌をやめようということになりました。最初から20〜30%狙うのではなく、子供から10代向けの番組作りをしようという方針に変えたんです。仮にその世代の人たちが全員見てくれたとしても、人数構成的に視聴率はそんなに高くなりませんが、それでもいいということになりました。その後実際に、「ベストテン」や「夜のヒットスタジオ」は次々に終わっていきます。しかし「ミュージックステーション」の視聴率がほかの番組にくらべて圧倒的に勝っていたというわけではありませんでした。15%ぐらいだったのであまり差はなかったと思います。ただ「ミュージックステーション」は、もともと低いところから始まったので、結果的には上がった。だから続けてこれたというのが、正直なところです。

「ミュージックステーション」が残った理由の一つは、ティーンに限定したということです。演歌をやめて、いわゆるポップスにターゲットを狭めた。もちろん演歌が良くないと思っているわけではなく、「ミュージックステーション」は、あくまで一部の音楽を紹介しているつもりです。しかし結果として、現在ゴールデンで放送されている「HEY!HEY!HEY!」や「うたばん」なども演歌はやらなくなってしまいました。そうした結果のおかげで、ある種の音楽ファンは「ミュージックステーション」を見てくれるようになったし、「ミュージックステーション」に出れば、音楽の売り上げに直結するようになってきました。これも歌手の信頼を得られる大きな理由だと思います。

以上の理由もあって、「ミュージックステーション」は圧倒的に歌が多いのが特徴です。毎週7組の出演者がいて、放送時間の中でも音楽の占める割合が一番多く、トークが非常に少ない。テレビでは、トークを面白くすればするほどトークで視聴率が上がって、歌になると視聴率が下がるという傾向が一般的にありますが、「ミュージックステーション」はすごく平板で、歌でも視聴率はぜんぜん下がりません。それに、見てくれている人もトークを楽しみにしているわけではありません。だからこそ、音楽ファンがずっと見てくれているのだと思います。番組の形態はさまざまなので、ほかの番組がトーク中心になればなるほど、うちの番組は面白くなくても歌を長くしていくつもりです。

 

(2)「MUSIC STATION」21年の歴史

 1986年にスタートした「ミュージックステーション」には、これまでさまざまなアーティストが出演してきました。生放送なので、引退や解散、初登場などもたくさんあります。

1987年1月9日は石原裕次郎さんの生前最後のTV出演でした。1989年は、堀ちえみさんの引退と宮沢りえさんの歌手デビューが放送されました。1992年には、チェッカーズの解散発表もありました。ちなみにこの日はスペシャルだったのですが、2日ぐらい前に彼らの解散がスポーツ紙に報じられたので、当日は曲順や楽曲を変えて出演してもらい、会社のまわりはそれはそれはすごいファンの人たちでした。1995年は、プリンセスプリンセスの解散発表、1997年には大黒摩季さんがテレビに初めて姿を現しました。彼女はそれまでまったくテレビに出なかったので、本当に存在しているのかという噂まで流れたほどでしたが、この日初めての彼女のライブを「ミュージックステーション」で中継させていただいたんです。ものすごい視聴率でした。1999年6月18日には、宇多田ヒカルさんのテレビ初出演がありました。初めてのテレビ、しかも生放送で「First Love」を歌うということで、「ミュージックステーション」始まって以来の高視聴率をとり、瞬間最高視聴率は33%にも昇りました。2000年はSPEEDの解散で、この日のライブは事実上彼女たちの最後のライブでした。2003年、t.A.T.uが番組をドタキャンしました。オープニングには登場したものの、その後楽屋から出てこなかったんです。彼女たちはイギリスの番組でもすっぽかしたこともあったとかで、当時はうちの番組もグルだと言われたりもしましたが、そうではありません。当日になって彼女たちのマネージャーが来なかったのですが、今思えばこれも彼の作戦だったのだろうと思います。彼女たちがオープニングに出た後、マネージャーは電話でいきなり「このあとは出るな」という指示を彼女たちに出したんです。われわれは「そんなのありえない」とマネージャーに連絡をとろうとしましたが、もうつながりませんでした。彼女たちはマネージャーの言うことしか聞けないので、出演できないまま終わったというわけです。そのときの「ミュージックステーション」にはミッシェル・ガン・エレファントが出ていて、CM中にタモリさんが彼らに「もう一曲やんない?」と言って、まったく予定にはなかった彼らがもう一曲歌ってくれました。しかも結果的にあまりにもきれいに番組が終わったので、ヤラセじゃないのかと言われたりもしました。「ミュージックステーション」にとっては、一種の汚点であり、非常に腹立たしい事件です。最近では2005年に、ZONEの解散ライブを中継しました。

 こうやって振り返ると、生放送ならではのことが非常に多いなと思います。

 

(3)日本の音楽シーン

 次は、「ミュージックステーション」が始まって現在に至るまでの日本の音楽シーンを、振り返ってみましょう。

ちょうど番組が始まった頃は、おニャン子クラブという女の子のグループがはやっていました。工藤静香、渡辺満里奈、国生さゆりなどがいたグループです。また、イカ天バンド=「イカすバンド天国」という、アマチュアやプロでそんなに売れていない人たちが毎週登場して勝ち残っていくという番組が深夜に異常な人気を博していて、そこからBEGINやたまがデビューしました。おニャン子クラブもイカ天バンドも、テレビの仕掛けによって作られた音楽ムーブメントの顕著な例だと思います。もちろんうちの番組にも、おニャン子クラブやイカ天の人たちによく出演してもらいました。その後、光GENJIが大流行します。彼らは本当にものすごいブームで、瞬間の勢いではモー娘やSMAPもかなわないと思います。ほかにもビーイング系やビジュアル系も、「ミュージックステーション」のある一時を支えていただきました。小室ファミリーもいます。小室哲哉さんは本当にすごくて、年間ベスト50のうち30曲くらいは彼の曲だという時代もあったぐらいです。小室さんが書けば誰でも売れるみたいなところもあったし、一つの音楽的ブームを作り出したと言えると思います。あとはモー娘、ハロプロ、インディーズ、韓流、Jヒップホップなども、ひとつの音楽の流れを作ったのではないかと思います。

 

(4)最多出演者

「ミュージックステーション」に多く出演した男性はもののみごとにジャニーズで占められていて、今でも毎週1組はジャニーズが出ていますが、最初はそうではありませんでした。どうしてジャニーズがそんなに出演するようになったのかというと、この頃の「ミュージックステーション」は後発の番組で非常に苦労していたということもあり、何かのきっかけが欲しいと思っていました。その頃の音楽番組の1つ「ベストテン」が成功した理由の一つに、キャンディーズの解散を追って毎週放送したらそれとともに数字が上がっていったという話がありました。それじゃあうちは光GENJIを毎週出そうということになって、彼らをレギュラーにしたというわけです。われわれはそのことをいまだに恩義に感じているぐらいです。出演回数を見ても、光GENJIは最多で約234回。2位のTOKIOでも110回ほどです。これも、光GENJIが毎週出ていたことを考えると当然の数字です。ジャニーズと「ミュージックステーション」はとても親密な関係を持たせていただいているんですね。ですので、ジャニーズが毎週出るというのはうちの番組のひとつの特徴だし、これまでの歴史を見てもそれがプラスになっていることは確かです。

女性の最多出演者は森高千里さんの78回ですが、3位の浜崎あゆみさんとは3回しか変わりません。来年の春頃には浜崎さんがトップになるのではないでしょうか。森高さんは、現在は歌われていませんが、「ミュージックステーション」が始まって少し経った頃にデビューされたので、11年間にわたって出演していただきました。

ちなみに最高視聴率は、宇多田ヒカルさんが出演した回の26%。関西では28%ぐらいまでいっていたと思います。それだけ、宇多田さんの初登場にはインパクトがあったんですね。

 

(5)タモリさんの存在

 「『笑っていいとも!』のタモリさんは面白いけど『ミュージックステーション』のタモリさんは面白くない」といったご意見をいただくことがあります。僕が最初にタモリさんに出演をお願いしたときも、タモリさんご自身から「『笑っていいとも!』の俺を求めるな」と言われました。タモリさんは番組によって自分のスタンスをきちんと考えておられる方で、音楽番組はあくまでミュージシャンが主役なので基本的に「歌を聴きに来ている」というスタンスをとられています。またミュージシャンとの信頼関係がものすごく厚い。もともと音楽が詳しい方なので、音楽の好き嫌いはあってもプロのミュージシャンに対しては非常にリスペクトされています。それに、タモリさんはスキャンダル的な話が大嫌いです。ミュージシャンのスキャンダルも、ミュージシャン本人が聞いて欲しいと言っても絶対に聞きません。そんなの歌とは関係ないという感じですね。タモリさんは、「ミュージックステーション」の顔でもあり、ミュージシャンとの信頼関係も厚く、番組がここまで続けてこられたのも、タモリさんの存在が非常に大きいと思っています。

 

(6)視聴率とは

 音楽番組とはいえ、テレビとはCD売り上げではなく視聴率で評価されます。ですので当然視聴率は高くありたい。視聴率はビデオリサーチ社という会社が集計していて、関東・関西では約600世帯に視聴率の機械があります。たった600世帯できちんと集計できるのだろうかとも思うのですが、統計学上はまったく誤差は出ないそうです。視聴率は、われわれの飯の種でもあります。平日毎朝9時になると、テレビ局の社員の携帯電話に各局すべての視聴率がメールで一気に送られてくるので、毎朝本当にどきどきします。

「ミュージックステーション」のメインターゲットはC(Child:男女4〜12才)とT(Teenager:男女13〜19才)です。Tが一人残らず「ミュージックステーション」を見てくれても、視聴率は6.9%しかありません。一方で、F3(女性50才〜)だけで20.8%に達します。M3(男性50才〜)だけなら19.4%。10代の男女の全員が見ても、圧倒的に低い視聴率しかとることができないんです。これが今の人口分布です。つまり、CとTにターゲットを特化している「ミュージックステーション」は、視聴率的には非常に損をしているということになるわけです。だからといってターゲットを高年齢化するのはどうなんだと思いますし、現在のCTはいずれF2(女性35〜49才)、F3となっていくので、そうやってファンを少しずつ増やしていこうと思ってやっています。

また、もちろん視聴率は大切なのですが、視聴率が高い番組ばかりにスポンサーが喜ぶのかというと、実はそうでもありません。TとかF1(女性20〜34才)に向けてCMを打ちたいスポンサーはたくさんいます。なぜなら、CM業界からすれば若者やOLさんのほうが、打てば響くからです。それに企業イメージ的にも、かっこいい番組に付いたほうがいい。

一番大事なのはもちろん視聴率なのですが、うちの番組は若い人がコアに見てくれるので、安定してスポンサーに支えてもらっています。


(7)生放送にこだわる理由

僕たちが「ミュージックステーション」を始めた頃、音楽番組といえば当然生放送でした。「ベストテン」や「夜のヒットスタジオ」なども生放送です。しかし現在では生放送ではない番組が増えています。僕は、基本的に音楽は生放送だと思っています。NGやハプニングを求めているわけでは決してありません。その分準備がものすごく大変ですが、やはり出るオーラが違う。ミュージシャンにとっても、「今この瞬間に何千万人の人が歌を聴いてくれている」と思って歌うのと、「もし間違えても撮り直せばいい」と思って歌うのとでは、全然違います。歌詞を間違えたり音程がはずれたりしても、生放送のほうが伝わる。ですので、生放送という形は絶対にくずしません。

音楽はライブだと思っているので、僕自身ものすごくライブを観に行きます。ライブは、番組の出演者を決める大きな要素にもなっていますので、本当に幅広く何でも聴きます。昔、まったく好きでもない洋楽のバンドのライブに、友達に無理やり誘われて観に行ったらすごく良かったことがありました。そのとき、「ああ、やっぱりライブを見なければ分からないな」と思いました。それが原点なのかもしれません。だから今でもライブパフォーマンスは必ず観ます。それに、行くと必ず発見があります。

僕がどのくらいライブに行くかというと、今週は2泊3日でロンドンに行ってレッド・ツェッペリンを観てきましたし、おとといは氷川きよしさんを観ました。昨日は大阪でポルノグラフィティを観たので、今週だけでも3本のライブを観ています。昨日が今年104本目のライブだったので、今年だけでもおそらく110本くらいのライブは観るだろうと思います。

生放送は編集作業がない分楽なところもありますが、準備がものすごく大変です。「ミュージックステーション」の場合は、2週間くらい前にブッキングが決まり、1週間前には舞台セットなどを決めます。そして台本やカット割も決めて、前日に技術打ち合わせと制作打ち合わせをします。当日は早朝からリハーサルです。1組1時間ずつかけてリハーサルをして、夕方6時からタモリさんも一緒に、本番とまったく同じようにやります。当然うまくいかないところも出てくるので、直前までに直して本番に挑むという流れになっています。準備はものすごく大変ですが、長年かけて蓄積されたノウハウを使います。来週は、4時間10分にわたって生放送されるスーパーライブがあるので、また大変な作業になるだろうと思います。

 

(8)ブッキングのシステム

 レコード協会によれば、年間の邦楽歌謡曲のシングルタイトル数は2,500、アルバムは4,300タイトルです。「ミュージックステーション」は年間40回のレギュラーがあり、1回に7組が出演するので、年間にのべ280曲しか紹介できません。つまり、ごく一部を紹介させてもらっているスタンスをとっています。

ブッキングの流れとしては、2ヶ月ぐらい前になるとCDのリリース状況が見えてくるので、そのあたりからレコード会社の番組へのプロモーションが始まるというわけです。そのほかテレビと楽曲のタイアップ状況、またイニシャルといって、レコード店がどれだけCDを買うか、あるいは着メロの先取りなどで状況を把握します。そして売れそうな曲を予想し、週7組のブッキングを決めていきます。ランキングや配信音楽も、当然重視します。そして、もちろんライブを観ることです。

 旬のビッグなアーティストだけを出せば当然数字は取れますが、次のスターも育てなければならないので、同じくらいのパワーであれば新人をブッキングするようにしています。今までの「ミュージックステーション」を見ると、1回に1組、初登場の人がいるという計算になっています。ということは同時に、その日で最後の人がいるということになるので厳しい世界であることは確かだと思います。またバランスを考えて、ジャンル、男女、年齢、曲調などでブッキングするようにしています。


(9)効果的な出演

出る側にとっても、テレビはものすごく怖いメディアです。生放送はとくに、撮り直すこともできないし、実力が確実にさらされます。しかも「ミュージックステーション」では3分しかありません。なので、出れば売れるというわけではないことはアーティストによく言いますし、レコード会社や事務所の人にも言います。それにもともとゼロからのスタートでも、テレビに出てマイナスになってしまうこともあります。一度マイナスになってしまったものは同じ力ではゼロに戻りませんし、その何倍もの力がないともう一度スタートの位置に戻すことはできません。だからやはり、実力がついてから。そして「ここぞ」というタイミングで出ないと、致命傷になります。

「ミュージックステーション」には「YOUNG GUN」というコーナーがあり、さまざまな新人アーティストが出ています。今までも、Aqua Timez、アンジェラ・アキ、SEAMO、FUNKY MONKY BABYS、湘南乃風、Def Tech、mihimaruGT、チャットモンチーなどが出ました。その中でも大成功だったのは、YUIですね。YUIのようにデビューからドカンといく場合もありますが、テレビはやはり怖い媒体。やはり、タイミングをはずすと意味がありません。


(10)CDランキングか配信か?

皆さんぐらいの年齢の人たちは配信が中心の方も多いのかなと思いますが、今は過渡期だと思います。「ミュージックステーション」のCDランキングは、番組が独自に調べている金〜木曜日の集計結果ですので、オリコンとは多少順位が違うこともありますが、一番大きいのはやはりオリコンですね。今年の1位は、秋川雅史さんの「千の風になって」です。それにCDランキングはパッケージなので、当然ジャニーズやビジュアル系は強い。着うたは、宇多田ヒカルやGReeeeNが、かなり上位に入っていたと思います。

一見すると、配信のほうが今の音楽シーンを支えているように思うかもしれませんが、秋川さんは配信していませんし、ジャニーズも配信しない曲がたくさんあります。最近の配信は、企画ものも流行っているようですね。着うたのランキングを見ると、ムーディー勝山なんかも目に付きます。そういう意味においても、パッケージと配信ではどちらが現在の音楽状況を伝えているのかと一言で言うのは、非常に難しいと思います。しかしこれからは、間違いなく配信時代になっていくのだろうと思います。

 配信時代の顕著な例を一つ紹介します。「ミュージックステーション」は金曜日放送なので、これまでは視聴者が土日にCDショップに行って、月曜日にレコード会社さんから「おかげ様で、これだけ売れました」という報告があったのですが、現在は20分ごとに着うたのリアルタイムランキングが出るようになったんですね。「ミュージックステーション」は本番が終わると、9時20分頃にアーティストをお見送りするのですが、その段階で「1位になりました!」と言って帰っていくことも出てきて、すごい時代になったなあとつくづく思うことがあります。


さいごに


 基本的に音楽番組は、実際の売り上げに直接かかわっているわけではなく、あくまでもお手伝いにすぎません。だからこそ幅広くフェアにできるところが、僕らがいいなあと思っているところでもあります。いくらCDが売れたからといって僕らの収入には直結しませんし、一歩引いたところで応援させてもらっているというスタンスが、テレビ番組と音楽の深く長い関係になっているのではないかと思っています。



以下、質疑応答

Q.踊りながら歌う曲などは、口パクが多いの?

A.口パクではない。踊りなどが激しい部分などでは、一部にうすく声が入っている場合もあるが歌っている。

Q.W-indsやAAAなど、人気があっても出演したことがないのはなぜ?

A.W-indsさんから出演願いを受けたことがないという理由もあるが、みんなを公平に出したいと思っている中でなかなかそうはいかないのが実際のところ。ジャニーズからの圧力があるわけではないが、「ミュージックステーション」はジャニーズがレギュラーの番組ということも紛れもない事実。なので彼らが出ている以上、歌って踊れる人たちがほかにも必要かというとそうではないし、だったらバンドにしようという傾向もある。だからといって絶対に入れないというわけではないし、出してみようという試みももちろんあるし、ソロをお願いすることもある。


―参考HP―

ミュージックステーションHP(http://www.tv-asahi.co.jp/music/)


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