組織的な若手研究者海外派遣プログラム(大航海プログラム)文化遺産と芸術作品を防御するための若手研究者育成推進プログラム

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派遣者報告

2012年度派遣実績報告


□ 石上 阿希衣笠総合研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/5/17-2012/7/15(60日間)
  【派 遣 先】 大英博物館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(イギリス)
  【研究テーマ】 近世期春画・艶本研究―浮世絵・歌舞伎・浮世草子との関連性―
  【派遣概要】  今回の派遣では、大英博物館日本セクション長Timothy Clark氏、ロンドン大学SOAS教授Andrew Gerstle氏、ロンドン大学SOASポスドクの矢野明子氏とともに、2013年に大英博物館で開催される春画展の準備を進め、展示作品リストを完成させることができた。また、大英博物館所蔵の絵本及び個人コレクターの浮世絵・絵本のデジタル撮影を行った。
 本派遣での研究は、立命館大学アート・リサーチセンターと大英博物館、ロンドン大学SOAS、国際日本文化研究センターの共同プロジェクトである春画プロジェクトの一環であり、成果発信としての展覧会の準備に大きく寄与した。また、本派遣での撮影画像数は6600枚。この画像は立命館大学アート・リサーチセンターのデータベース(研究メンバー専用)で公開する。

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□ Monika BINCSIK衣笠総合研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/5/19-2012/7/19(62日間)
  【派 遣 先】 キオッソーネ東洋美術館他、イタリア国内美術館、博物館(イタリア)
  【研究テーマ】 江戸・明治期の日本漆工史のデジタルアーカイブ化―日本および西洋における蒔絵を中心とした漆器収集史の研究―
  【派遣概要】  イタリア国内美術館・博物館のコレクションで豊かな日本漆器コレクションが管理されてある。今回の研究テーマはイタリアで行われた漆器収集活動であった。調査対象はイタリア国内の主な日本漆器コレクションである。収集史を中心として、漆器作品の研究調査を行った。
 イタリア国内の主な漆器コレクションの調査が出来、輸出漆器の種類、作品の技法と図像の研究を進めた。歴史資料の研究調査も行い、輸出漆器に関する貿易データ、さらに収集活動のデータを集めることが出来、イタリアで行われた漆器収集史とその文化的背景の新しい構造を概観することができるようになった。

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□ 瀬戸 寿一衣笠総合研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/6/22-2012/8/21(61日間)
  【派 遣 先】 ハーバード大学地理空間解析センター(CGA)(アメリカ合衆国)
  【研究テーマ】 日本の災害マネジメントにおけるボランタリーな地理空間情報を基礎とした情報共有に関する研究
  【派遣概要】  本研究は、日本の災害でも特に東日本大震災発生時に蓄積されたボランタリーな地理空間情報(GISデータや位置情報付きのソーシャルメディア)に焦点を当てたものである。本研究では、GISとCGAのプロジェクトであるWorldmapを用いてこれらの情報を分析し、災害対応時における情報ニーズの特徴と情報提供の課題について明らかにすることができた。
 本研究活動は、東日本大震災に関する地理空間情報を、既存のGIS分析のみならずCGAのWorldmapを用いて情報共有・視覚化した。これにより、本拠点での新たな地理的視覚化手法の獲得につなげることができた。

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□ 松本 文子日本学術振興会 特別研究員(PD)
  【派遣期間】 2012/6/25-2012/8/24(61日間)
  【派 遣 先】 ハワイ州立文化芸術財団(アメリカ合衆国)
  【研究テーマ】 アートプロジェクトが地域社会に付与する社会的価値の評価枠組の構築
  【派遣概要】  申請者はハワイ州立文化芸術財団(以下HSFCA)によるPercent for Art法の運用経緯および、HSFCAが助成している個々のプロジェクトについて調査した。特に、community artに分類されるプロジェクトの収支や地域との関わりについて、文献収集および現地調査を実施した。
 申請者の日本国内のアートプロジェクトを対象事例とした研究は10年以上の蓄積があるが、今回の派遣により、社会的な価値が高いという特殊性が明らかになった。これにより本学のアート・リサーチセンターでの研究分野が開拓され、発展したといえる。

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□ 前崎 信也立命館グローバル・イノベーション研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/7/9-2012/9/11(65日間)
  【派 遣 先】 ロンドン大学SOAS他、イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国国内美術館、博物館
(イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国)
  【研究テーマ】 在外コレクションに所蔵される日本工芸作品情報の世界的共有化
  【派遣概要】  ドイツのハンブルグ装飾工芸美術館、ベルリン国立アジア美術館、リンデン博物館、グラッシィ博物館、イギリスのアシュモリアン美術館、セインズベリー日本藝術研究所、アメリカ、ドイツの個人コレクションの調査及び作品高精細デジタル撮影を行った。撮影した作品数は約1,500点、総画像数は約12,000枚である。
 これまではイギリスの日本陶磁器所蔵機関を中心に調査・研究を進めてきたが、今年はアメリカとドイツを主な調査対象とした。派遣者個人の研究の進展は当然のことであるが、アート・リサーチセンターがこれまで未調査の機関が多く、それらの機関の陶磁器以外の日本美術・工芸作品のデジタル化を進める上で、本研究で得たネットワークは重要な足がかりになる。

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□ Hari Ram PARAJULI立命館グローバル・イノベーション研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/7/23-2012/9/21(61日間)
  【派 遣 先】 トリブバン大学(ネパール)
  【研究テーマ】 Completion report about hazard assessment and finite element analysis of structures
  【派遣概要】  I have been doing research on seismic hazard assessment at Kathmandu and finite element analysis of structures. I am writing many chapters of the report in the form of book regarding the before mention subjects. It is the continuation of the last three years research activities.
 It will be published as soon as possible probably on next year. All the people who are taking interest on hazard assessment of Kathmandu and structural analyses of monument structures will get benefitted from the research findings.

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□ 田靡 裕祐立命館グローバル・イノベーション研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/7/25-2012/9/22(60日間)
  【派 遣 先】 エジンバラ大学(イギリス)
  【研究テーマ】 バイオ炭の活用による低炭素社会の実現に向けた地域社会経済システムの構築に関する研究
  【派遣概要】  気候変動への対応は、文化遺産防災のためのもっともマクロな視点にたった取り組みである。今回の派遣では、エジンバラ大学School of Geosciences、UK Biochar Research Centre (UKBRC)に滞在し、当地で行われている農地炭素貯留プロジェクトの視察や情報収集を行い、バイオ炭を利用した気候変動抑制政策を研究するメンバーとのディスカッションをした。また研究所のセクション・ミーティングおよびJames Hutton Instituteで開催されたバイオ炭利用に関する研究会において、日本で進められている農地炭素貯留プロジェクトの概要と成果についてプレゼンテーションを行った。
 今回の訪問では、農地炭素貯留の方法とその効果について、英国の先進的な事例についての情報収集を行った。地域情報研究センターでは、亀岡をモデルケースとして、温暖化と急激な気候変動を抑制する手段として同様の取り組みを行っており、われわれのケースとの比較を行うための貴重なデータを得ることができた。また、UKBRCとの拠点レベルでの国際的な研究交流が、今後よりさかんになることは確実である。

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□ Hari Ram PARAJULI立命館グローバル・イノベーション研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/8/1-2012/9/30(61日間)
  【派 遣 先】 トリブバン大学(ネパール)
  【研究テーマ】 Completion report about hazard assessment and finite element analysis of structures and Geotechnical Investigation at the World Kathmandu Heritage area
  【派遣概要】  I have been doing research on seismic hazard assessment at Kathmandu and finite element analysis of structures. I am writing many chapters of the report in the form of book regarding the before mention subjects. It is continuation of last three years research activities. In addition, I made preparation Kathmandu symposium, for January 28. I also made presentation on that day. I also did some study regarding the geotechnical earthquake related situation of Kathmandu valley and gave lecture to the M.Sc. students of Institute of Engineering, Tribhuvan University.
 It will be published as soon as possible probably on next year. All the people who are taking interest on hazard assessment of Kathmandu and structural analyses of monument structures will get benefitted from the research findings.

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□ 李 亮立命館グローバル・イノベーション研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/8/1-2012/9/30(61日間)
  【派 遣 先】 ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)
  【研究テーマ】 バーチャル山鉾巡行体験システム
  【派遣概要】  ブリティッシュ・コロンビア大学においてKinectとWall Screen(UBC・HCT研究室)を用いたバーチャル山鉾巡行体験システム開発の研究を行った。9月5日〜9日、アメリカ・ロサンゼルスで開催したSIGGRAPH2012において「Virtual yamahoko parade」と題して、発表を行った。
 バーチャル山鉾巡行体験システムのためのKinectを用いたインタラクティブなCGコンテンツを開発した。UBCのWall Screenで3Dコンテンツを展示した。本プログラムに通じ、研究成果を公開するとともに海外の研究者との意見交換を行うことにより、日本文化と拠点の研究テーマを世界の研究者に紹介した。

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□ 桐村 喬衣笠総合研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/8/21-2012/10/26(62日間)
  【派 遣 先】 ロンドン大学ユニバーシティカレッジ高等空間解析センター(CASA)(イギリス)
  【研究テーマ】 戦後日本の二大都市圏における歴史GIS的研究
  【派遣概要】  CASAでは、東京の小地域統計に関する歴史GISデータベースの整備と、居住地域構造の長期的な変遷に関する分析を行った。またロンドン大学SOASで開催された国際ワークショップ「International Workshop: Where Art Meets Ritual」において、京都に関する研究成果の一部を発表した。
 今回は、研究活動に従事しながら、地理情報のヴィジュアライゼーションに関するセミナーや企業主催のワークショップにも参加し、最先端の技法を知ることができた。

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□ Hari Ram PARAJULI立命館グローバル・イノベーション研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/10/1-2012/11/30(61日間)
  【派 遣 先】 トリブバン大学(ネパール)
  【研究テーマ】 調整中
  【派遣概要】 調整中
 

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□ 瀬戸 寿一衣笠総合研究機構 PD
  【派遣期間】 2012/10/29-2012/12/28(61日間)
  【派 遣 先】 ハーバード大学地理空間解析センター(CGA)(アメリカ)
  【研究テーマ】 オープンソースWebGIS (Worldmap)を用いた地理空間情報共有に関する研究
  【派遣概要】  本研究は、ボランタリー地理情報の共有手法であるWorldmapの開発とその教育利用に焦点を当てたものである。研究ではWorldmapの(githubを介した)協働型による開発過程や、ボストンのオープンデータのWorldmapによる教育利用について明らかにすることができた。
 本研究活動は、Worldmapの開発過程やオープンデータに関する最新情報を入手できた。したがって、本拠点での協働型開発による地理空間情報共有システムや、オープンデータに関する研究ネットワークを構築できた。

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□ 栗原 俊之スポーツ健康科学部 助手
  【派遣期間】 2012/10/28-2012/12/28(62日間)
  【派 遣 先】 南カリフォルニア大学(アメリカ合衆国)
  【研究テーマ】 彫像品の三次元形状が重心動揺に与える影響〜MRIによる美学研究の可能性〜
  【派遣概要】  派遣期間中にフォースプレートや筋電図を用いた人体の各種動作の解析、および屍体解剖による人体構造の観察を行い、医用画像撮像法(MRI)による三次元形状解析の手法を学んだ。MRIを用いた筋サイズの研究は論文にまとめ発表する予定である。
 習得した技術を元に、一般人あるいは美しい体型を維持しているアスリートの体型計測を通じ、多人数の三次元形状解析から一般的な人間の形状データあるいは美しいとされる体型形状データを求める。