立命館大学人文科学研究所は、グローバリズムが、政治や経済、文化や社会の諸領域に生み出している諸問題を理論的に解明し続けています。

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研究会報告 2008年度

グローバル化と公共性研究会

2008年度の総括

2008総括の内容

本年度、5回の研究会を行い、計10名が報告した。これらの報告は、最終的に人文研叢書18巻『グローバル化の現代-現状と課題- グローバル化と国家の変容』、同19巻『グローバル化の現代-現状と課題- グローバル化とリージョナリズム』(御茶ノ水書房、2008年3月)に掲載された。そこでの共通した問題意識は次のようであった。

現在のグローバル化は、資本主義の新しい段階を示しているのか、あるいそうでないのか、またグローバル化のなかで国家は変容しつつあるのか、あるいはそうでないのか。変容しつあるとすればどのようになのか。国家変容論は、従来の国家=ガバナンスの変容でもある。では、それが変容しつつあるとすればどのようになのか。また、グローバル化は、ヘゲモニー闘争の審級をグローバル市民社会へといま移しつつあるのか、という問いも重要となっている。こうした問いにたいして、各報告は政治学、法律学、経済学、社会学、国際関係学といった様々な学問領域からアプローチした。そこでは、最終的に①グローバル化は資本主義の新たな歴史段階であること、②そのグローバル化は現在リージョナル化として進みつつあること、③そして、グローバル化は多次元的、多主体的ガバナンスの新たな形態を生みだしつつあること、それが国家の変容の内容をなすこと、④そうしたなかで、いま新自由主義的なグローバル化として進みつつあるグローバル化は、そこに新たなヘゲモニー闘争を生みだしつつあること、⑤そして、いままさにグローバル化の民主的形態が模索されていること、などが確認された。グローバル化は、ローカル化、リージョナル化を伴って進みつつあり、それぞれの審級での市民的公共性がいま課題となっているのである。

篠田 武司(産業社会学部教授)

開催日 2008年5月30日
テーマ (1)アジアにおけるリージョナリズム
(2)ユーロリージョンと経済統合
報告者(所属) (1)西口清勝(経済学部教授)
(2)田中 宏(経済学部教授)

報告要旨

開催日 2008年6月27日
テーマ (1)ポストフォーディズムとグローバル化
(2)「グローバル化の現代-課題と展望」(仮題・全3巻)を刊行するにあたって
報告者(所属) (1)篠田 武司(産業社会学部教授)
(2)中谷 義和(名誉教授)

報告要旨

開催日 2008年7月25日
テーマ (1)グローバル化とリージョナリズム
(2)国家任務の脱国家化と憲法の危機
報告者(所属) (1)松下 冽 (国際関係学部教授)
(2)中島 茂樹 (法学部教授)

報告要旨

開催日 2008年9月26日
テーマ (1)「グローバリゼーションと税制――国際連帯税としての航空券税と通貨取引税を中心に」
(2)「グローバル化と人権」
報告者(所属) (1)望月 爾(法学部准教授)
(2)倉田 玲(法学部准教授)

報告要旨

開催日 2009年3月18日
テーマ (1)「ASEAN諸国の経済結合・域内分業関係の形成」
(2)中国政治の現状と課題」
報告者(所属) (1)桐山 昇(中央大学教授)
(2)毛 桂榮(明治学院大学教授)

報告要旨

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