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2007年度研究会報告

第4回(2008.3.8)

テーマ 『開発とジェンダーの問題』
報告者 菊地 京子 (津田塾大学教授)
報告の要旨

報告者は、発展途上国地域の開発における女性のとらえ方に関して、「開発における女性」から「開発とジェンダー」にいたるまでの理論的展開と課題をまず簡潔に説明された。 そして、発展途上国地域の社会的弱者としての女性を「ジェンダーと開発」という観点から述べ、とくに女性支援への配慮について、①教育の側面(識字・資金運用能力・経済構造に関する知識など)、②ジェンダーの側面(世帯・地域社会における男性依存傾向)から強調された。 その上で、女性の間での社会企業家の取り組みについて、とくにマイクロ・ファイナンスを事例にして述べられた。ここで言う「社会起業」とは、社会にどれだけの強い効果を与えたかを成功の尺度にしている事業、採算より問題意識を重視した事業、社会の改善を目指す事業、そして社会責任に対応するビジネスを指している。 国際開発協力の類型の一つがこの社会起業による開発協力である。最後に、支援強化のための諸条件と対処方法を、①支援組織間の連携・ネットワーキングの構築、②財政的基盤の強化、③人材養成の充実、④市民社会の意識改革の4点を挙げて、事例を用いて提案された。 報告者はフィリピンを長年フィールドにしてこられたが、研究会参加者はフィールドでの類似の事例などを持ち出して、活発な意見交換を行った。

江口信清

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