EIZOVOICE

映像学部実写映画界隈は今、受賞ラッシュです!

2018.03.30



去る1月28日に開催された第2回池袋みらい国際映画祭。この映画祭は東京都豊島区の若者支援事業の一環で、10代から20代の映像作家の卵を支援することを目的に、2017年から開催されています。この映画祭で、映像学部新4回生の松本優紀さん(実写ゼミ)監督作品『恋』が「特別審査員賞」および「一般審査員賞」をW受賞しました!

また、その約1ヵ月後の2月25日に開催された第8回伊勢崎映画祭でも同じく『恋』が「準グランプリ」を受賞!!この映画祭は「青春」をテーマに開催されたショートフィルムの映画祭でした。

更に、先日第12回TOHOシネマズ学生映画祭が開催され、そこでも映像学部新4回生の矢倉明莉さん監督作品『御都合主義者たち』が「ショートフィルム部門」で「準グランプリ」を受賞したとの速報も入っています!!

今年度最後となるEIZO VOICEでは、今その活躍が大注目の映像学部実写映画監督の一人、松本優紀さんに受賞についてインタビューすると共に、今後についても抱負を語っていただいた模様をお送りします!


松本優紀監督作品『恋』予告編

・受賞おめでとうございます!『恋』観させていただきました。映画の中では、中学2年生の女の子が「恋」と「飼っているザリガニへの『好き』」がどう違うのかで悩むというおもしろくてキュンとするストーリーでした。この映画はどういったところから発想されたんですか?

ありがとうございます。どこから発想したかですが、私が実家で猫を飼っていて。本当にかわいくて、すごくすごくその猫のことが好きなんですけど、私自身が「あれ?この猫への『好き』と、恋する『好き』ってどう違うんだろう」って思ったところが始まりでした。自分でもその違いがわからなかったので(笑)

・制作するにあたって苦労した点などはありますか?
 
企画の段階でとても時間がかかってしまいました。3本ぐらい同時に企画して、その中から選ぶような形で進めたのですが、最終的には「思いが報われないという経験を経て成長していく女の子」を描きたいという思いが強くなり、この企画に決まりました。でも、決まったら決まったで、今度は『恋』『ザリガニ』『父親』の関係性など、見ている人が混乱しないようにシナリオを作っていくのが大変で、そこもとても苦労しました。

・池袋みらい国際映画祭など数々の映画祭に応募しようと思ったきっかけは?
  
先輩で外部コンペに出すことをすごく薦めてくれた先輩がいて。山口十夢さんという先輩なんですけど(笑)こういうコンペに出すと、学外の人に客観的に自分の作品を見てもらえるし、意見もたくさんもらえるから、自分の次回作にとっても絶対役に立つってコンペのリストまでくださって。すごく有り難かったし、自分も外部の方から意見もらいたいと思ったので応募しました。

・受賞の発表受けてどう感じましたか?
  
びっくりの一言です。長編・短編ごちゃまぜで、「10~20代の作品」だけが条件だったので、そんな中で自分は学生だし、短編だし、他の作品のクオリティもすごく高かったので、まさか受賞なんてできると思っていませんでした。上映時は芸大生の作品はやっぱり尖っているなぁなんて感心しながら観ていました。審査員の方や上映観た方々から、「ザリガニを使った設定がおもしろかった」とか、「アイデアがよかった」とか、「技術面ではまだまだ荒削りだけど発想がよかった」とか本当にありがたいご意見をたくさんいただき、コンペに出してよかったなと思いました

・どういった理由で映像学部を選んだのでしょうか?
  
元々私は映画・ドラマ・CMなどの実写映像が好きでした。はじめは観る方が好きでした。高校で演劇部に入ったのですが、部員が少なくて、手が足りないからみんなでいろんな役割を分担しながらやっていました。何かをみんなで作り上げていくという過程が楽しく、ものづくりにハマっていきましたね。それで大学でもドラマや映画を作ることを学べたら、と思って調べていたら映像学部のAO入試に辿り着いたんです。
  
演劇部の顧問の先生が対策にとても協力してくださいました。既にある映像作品の冒頭15分程度を観て、その続きのストーリーを自分で考え、その後プレゼンをおこなうという練習を繰り返しおこないました。最初は難しくて先生からもっとこうした方がいいとか、なんでそう考えたのかとかたくさん修正点を指摘されていましたが、繰り返すうちにどんどん上達していって。自分は元来負けず嫌いなので、先生のアメとムチに完全に踊らされていましたね。感謝のひとことです。

・将来は映像制作の業界に行かれる予定でしょうか?働き方改革と言っても、まだまだ女性には非常に厳しい業界だと聞いています。
  
はい。企画・演出に興味があって、現時点ではCM業界に進めたらということは考えています。実は去年の夏に映像学部インターンシップ型科目の「学外映像研修」でCM制作会社にお世話になりました。そこでも忙しい現場で働く女性の方の様子を目の当たりにしました。やはり「納期」がある仕事なので、なかなか好きな時に休みたいとは言えないし、クリエイティブ職だとよりよい仕上がりをどこまで追求するかによって仕事量も変わってくるということを実感しました。でもそういった現場を見た上でも、やっぱり自分はそういう仕事をめざしたいと思っています。昔はすごくネガティブ思考で、悪いことがあるとすぐに凹むところがありましたが、こんなに精神力が鍛えられたのはやはり高校・大学を通じてのものづくりの経験を通してだと思っています。

この春から4回生となりますが、卒業制作も中高生を主人公にした映画を作ってみたいと語る松本さん。「思春期を描かせたら右に出る者はいない」というくらい甘酸っぱい映画で私たちをまた魅了してほしいものです!!

なお、数々の賞を受賞した『恋』は本日3月30日(金)よりAmazonにてDVDが発売されています!
たくさんの方々に観ていただきたいです!

今後の活躍を期待しています!!

さぁ、いよいよ4月1日から新年度がスタートします!
新入生の皆さん、首を長くしてお待ちしております!!

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