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メディアアートの一番のおもしろとは!?学部イベントで優秀賞を受賞した西村魁峰さんを直撃!

2018.12.14

今回、このEIZO VOICEでは、10月に映像学部で開催した学部発信企画「ジャンキャリ」(開催レポート)にて作品を出展し、見事参加者投票で最高得票数を得て「ジャンキャリ・アワード」で優秀賞を受賞した学生を直撃しました!

映像学部で素晴らしい作品を作っている学生がどんな理由で映像学部に来て、今どんなことを学び、今後どんなものを制作したいと考えているのか、伺ってみました。今回は前回の上映・発表部門での受賞者、松田晃季さんに続き、展示部門での受賞者、西村魁峰さんのインタビューです!

ジャンキャリ・アワード【展示部門】優秀賞 西村 魁峰さん

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-まずは(少し前のことになりますが)ジャンキャリ・アワード受賞おめでとうございます。受賞の感想などを教えてください。
 驚きましたが、作品に関しては何となく手応えみたいなものがありました。プログラミングにすごく時間をかけて頑張りましたし、見た目の工夫も試行錯誤していいものが作れたと感じていました。私もよくわかっているわけではないのですが、メディアアートという領域について全く知らない人にも理解してもらいたかったし、知っている人にも意外性を感じてもらいたいと思って制作しました。

-作品は、「車の運転」という操作をしながらリズムを作るというおもしろい発想でした。なぜこのような作品にしようと思ったのでしょうか。
 自分は元々音楽が好き。車も好きなんですけど、車の中で聞く音楽というのが好きなんです。スピードに乗っている時のなんとも言えない体にくるあの感じと、音楽を聴いている時の体の内側まで響くあのなんとも言えない感じ。それで、車の運転という操作感で音楽と連動させることに着目して、楽しいメディアアートを作れないかな、と。

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-実際に体験した方の反応はどうでしたか?
 本気になって自分のお気に入りのリズムを創作しようと楽しんでくれる人がいたり、音楽をあまり知らない人からも「音楽を作る楽しさを味わえた」と言ってもらえたりしました。また、この作品の実用化を考えると「車でこんなことをやったら危ない」というご指摘を受けたり、「メロディも作れるようにしてほしい」という要望をいただいたりしました。

 実は会場にはメディアアート事業を数多く手掛けておられるNAKEDという企業の方々も来られていて、作品をプレイしていただきました。「すごくおもしろかったけど、もっともっと工夫したらよくなる余地がまだたくさんある」と言っていただいて、アドバイスをいただき、嬉しかったですね。

-大学でメディアアートの分野に自分の軸足を置こうと思ったきっかけや理由を教えてください。
 実は「なんとなく」映像分野に興味があって、映像学部に入学したこともあり、入学後は「これがやりたい」みたいな積極的な気持ちが正直ありませんでした。
 
 ただ、芸術には常に興味がありました。とりあえず学べることはなんでもやっておこうと、低回生時は映像サークルのNTKSに所属し、実写映像の制作活動に取り組み、ライティングや撮影を数多く経験しました。最近では、MVの監督なども経験し、実写については一定の知識は得られた感がありました。
 
 ゼミ選択の時期になり、授業で受講した「プログラミング演習」にすごく惹かれていた自分を思い出しました。プログラムは私のやりたいことを理解してくれるほど気を使ってくれませんし、ある意味不親切です。しかし、こっちが丁寧に話しかけて、向こうに失礼がなければ、十分なパフォーマンスを発揮してくれる。それがプログラミングの楽しいところです。わかりにくいですね(笑)

 簡単に言えば、向こうの世界のルールに忠実に従うことができれば思い通りに使うことができる。といったところでしょうか、私はまだまだろくにルールも守れない問題児ですが(笑)元々芸術に興味があったことと、プログラミングの世界に惹かれているということに気付き、メディアアートの望月ゼミを選びました。

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望月ゼミの皆さんと

 今回はminimという簡単に言えば「音楽を出す」という仕組みと既存のシステムを組み合わせて作品を作りましたが、他にもまだまだ、いろんな仕組みやシステムについて理解し、使いこなすことができる引き出しを増やしたいです。そして、それらを組み合わせて自分のオリジナルのシステムやアートを創作するということに挑戦したいと思いました。

-今回の作品でその挑戦が実ったんですね。
 そうですね。でも実は葛藤もありました。既存のシステムなどを組み合わせて、自分なりには新しいオリジナルなものを制作したいという思いでやっていても、既にあるものを使っているから、それって本当にオリジナルなのか?って。

 でも、それをゼミの望月先生に言ったら、「既にあるものでも、それを組み合わせたり改造したりすることは、新しいことと言えるんじゃないかな。いろんな領域を融合できるなんて、それがこの学部で学ぶ一番の醍醐味だし、メディアアートの一番のおもしろさじゃないの?」って言われて、すごく自分の中にストンと落ちてすっきりしたんです。

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望月先生と

 今まで実写映像やプログラミングやCGなど、いろんな制作活動をやってきて、様々な領域について身に付けてきたことが、自分の中でくっついたり離れたり化学反応を起こすみたいにして別の新しいものを創出できていることで、今までやってきたことが一つも無駄ではないと感じることができました。

-メディアアートを研究する望月ゼミはどんなゼミですか。
 やりたいことを自由にやらせてくれるとてもいいゼミです。元々、落書きとか、机にたまたま置いてあった物とか、捨ててある物とか、身の回りのものを使って、何かを作り出すことが好きで、そういうものづくりが好きという人にはぴったりのゼミです。先生も愉快でとても学生の面倒見がいい方です。夏のゼミ合宿では企業さんからその場でお題をいただき、そのお題に沿って作品を作ってプレゼンし、プロの目で講評いただくということも経験しました。刺激もたくさんもらえるゼミです。
 少しでも興味のある人はゼミの展示会や卒業制作展などに是非足を運んでください!

 西村さんありがとうございました!
 将来はメディアアートの世界に進みたいという西村さん。メディアアートは技術の進歩にアンテナを張って、新しいことにどんどんチャレンジしていく素晴らしい分野です。そんな望月ゼミの作品に触れられる機会が実は来年あります!

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 立命館大学映像学部望月研究室に所属する学部生・院生を中心としたインタラクティブアート・メディアアート制作集団“Moonwalkers”が開催する展示会

『月に足つけて考えて展』
2019年2月 9日  土曜日 12:00〜19:00
          2月10日 日曜日   11:00〜16:00
に開催されます。

場所 東山いきいき市民活動センター
京都市東山区三条大橋東入2丁目下る巽町442番地の9

是非、お越しくださいませ!

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