EIZOVOICE

卒業生三谷悠華さんが海外で人気沸騰中のロックバンド「おとぼけビ~バ~」MVを制作!

2019.05.30

とある昼下がり。

映像学部ライオンズ・マイケル教授から一本のメールが届きました。

「2013年度卒業生の三谷悠華さんが最近、京都のバンドで世界中で活動している『Otoboke Beaver』のMVを発表しました。三谷さんは、監督と撮影担当です!是非、HPに三谷さんと『Otoboke Beaver』の話を載せて下さい!」

いつもクールなライオンズ先生がいつになくアツくなっている!!!

これはただ事ではない。

今日の「EIZO VOICE」はそんなライオンズ先生のゼミ生愛から始まった三谷悠華さんへのインタビュー記事をお届けします!!

三谷さん、ただ者ではないです!

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まずはこのMVからご紹介します。

Otoboke Beaver おとぼけビ~バ~『脱・日陰の女』

このMVの監督・撮影を担当したのが三谷悠華さん(2014年卒、ライオンズゼミ)です。

実はこの「Otoboke Beaver おとぼけビ~バ~」(以下:おとぼけビ~バ~)は2009年に立命館大学の音楽サークル「ロックコミューン」の中で同級生4人の女子で結成されたバンドだそうです。2010年からライブハウスで活動を本格化させ、2016年にはイギリスのレコード会社からアルバムを発表し、台湾やイギリスでツアーをおこなうなど、海外でその人気に火がつきました。なんと、2018年には、アメリカで世界的に有名な大規模野外音楽フェス「コーチェラ・フェス」に日本からX・JAPANと共に出演し、注目を集めています!

そんな彼女らの楽曲『脱・日陰の女』のMVをなぜ三谷さんが手掛けたのか。現在の活動や在学時のエピソードなどについて伺いました。

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-卒業後はどのような活動をされていますか?
映画は映画館でフィルム上映で見るのが一番だと思っています。フィルムの存在感や手で触れられる素材感が愛おしくて、在学中はずっとフィルム(主に8mmフィルム)にこだわって作品制作をしていました。卒業後は映像とは関係のないアルバイトをしながらフィルムでの制作を続けていました。様々な映画祭に出品したり、ダンサーと一緒にパフォーマンスをしたり、ライオンズ先生とも作品制作をしたりといろいろな形で活動していました。

現在は上七軒にある株式会社吉岡映像という会社で映画・写真・マイクロフィルム、音声テープの修復・デジタル化を行っております。実家の倉庫でみつけた祖父が撮影した8mmフィルムを見つけて、クリーニング方法を学ぶため『映画の復元と保存に関するワークショップ』に参加したことがきっかけです。日々様々なフィルムを修復しますが、フィルムの奥深さを感じます。アナログメディアにはそのモノに愛おしさを感じます。また、京都にあるLumenGallery16mmフィルム映写のお手伝いもさせていただいて、短尺の作品だったのですが、おそろしい緊張感でした。映写技師さんはすごいです。

おとぼけビ~バ~のMV撮影に関しては、これも8mmフィルムと16mmフィルムで撮影して制作しました。バンドから制作費をもらえることもあり、これをきっかけに初めて16mmフィルムでの撮影に挑戦しました。おとぼけビ~バ~とコラボすることで、フィルムって?という方や、我々の世代にもフィルムの存在や魅力をもっと知ってもらえるのではと期待しています。そして活用することが保存にもつながると思っています。

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-おとぼけビ~バ~のMVを撮るきっかけは何だったでしょうか?
ボーカルのあっこりんりんが昔からの同級生なのですが、幼稚園のころ仲が良かった以降は全くかかわりはありませんでした。大学を卒業しておとぼけビ~バ~の活動を知って、一緒におもしろいことができないかなと、おとぼけビ~バ~の曲もかっこいいと思って、私から声をかけたのがきっかけで今回のMV撮影をすることになりました。これを機にまたつながれたのがうれしいです。

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フィルム撮影なので、カメラの整備や使い方、露出設定などは昔プロで撮影をしていた社長に教わり、照明もお願いしました。

あっこちゃんから映画っぽく作ってほしいという希望があり、あとは全部好きなようにさせてもらいました

海外のファンの方たちが多いので、日本をアピールしたいなという気持ちはありました。
MV制作後の反響に関してはあまりこれといってありませんが、YouTubeにupしてすぐ再生回数が一気に上がったのでおとぼけビ~バ~のすごさを感じたし、おかげで沢山の方に見てもらえて嬉しくおもいました。」

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-三谷さんはなぜ映像学部に進学されたのでしょうか?在学時の印象的なエピソードについても教えてください。
「父親が漆関係の仕事をしていることからものづくりがしたくて未知の世界だった映像に興味をもって、立命館大学映像学部に進学しました。
在学時はライオンズ先生の授業でみる映像から刺激をもらうことが多かったです。色んな私の見たことのない作品を見せてもらい、私も創りたいと制作意欲が掻き立てられました。

ライオンズゼミの先輩方も個性的で面白い方が多かったです。先生もフィルムが大好きで、好きな作品も共通することが多く、先生も作品制作をされるので話をするのが楽しいです。卒業しても応援して下さり、とてもお世話になっています。私のフィルム映像に音をつけて一緒に作品も完成させ、イメージフォーラムフェスティバルでも上映されました。


『恋愛の大饗宴(Banquet of Love)』Haruka Mitani & Michael Lyons

海外の映画祭にも出品していただき、おかげで作品が世界を飛びまわりました。ライオンズ先生の夢中になって電子部品を組み立てたり、フィルム作品についてのアイデアなど話す姿が印象的です。」

-今後の活動予定などを教えてください。
京都のLumen Gallery主催のVIDEO PARTYに作品を出展します。誰でも観てもらいたい作品を出品すれば上映してもらえるという面白い企画です。学生の方には是非出していただきたいと思います。ちょっとしたきっかけが何かに繋がって広がっていくと思います。私もこれまで制作活動をしてきて上映してもらって、という過程で気づけば様々な人と出会い、関わっていて、それがとてもいいなと思います。今後も制作活動は続けていきたいと思います。」

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ありがとうございました!なるほど、卒業後もライオンズ先生とコラボして映像を制作したりされてきたんですね。卒業生の活躍をずっと間近で見ておられた先生の思いが今回の取材につながり、皆さんにお伝えすることができました!
フィルムで撮影すると、昔の映像のような古い感じがするところが逆に新しく思えたりするから不思議です。デジタルでは表現できない独特の質感が漂う三谷さんの作品。これからも京都からいろんな作品を発信し続けてください!

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