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「不可能」を可能に。業界の枠を超えて、スペシャルチームと共に創るエンターテインメント―映像学部1期生 映画監督・瀧川元気さんへインタビュー!!―

2020.02.04

2020年もあっという間に1ケ月が過ぎました。
皆さん、今年はどんなチャレンジをしますか。

映像制作に邁進する。
海外でインターンシップをする。
憧れの大学へ留学をする。
とことん興味のある分野を勉強する。
地域社会と新しいプロジェクトをたちあげる。

「今年は、こんなことしようと思っています!」と笑顔で報告に来てくれる学生が多く、
とてもワクワクしています。
皆さんのいろんなチャレンジを事務室も一緒に応援していきたいと思います。

ところで。
映像学部は、2011年3月に初めての卒業生を社会へ送り出しました。
1期生を迎えた2007年春。
実は、入学時点で充光館は、まだ完成していませんでした・・・(施設・設備に、ものすごーーくこだわったため、工期にとても時間を要してしまいました)。

先輩も学部棟もなかったけれど、
プロフェッショナルな教授陣と、
アツイ想いをもった新入生たちで、
映像学部は開設当初からとても盛り上がり、
キャンパスの中でも異彩をはなっていました。

特に、客員教授を務められていた山田洋次監督と共に創りあげたラブ・ストーリー「京都太秦物語」は、第60回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門にも出品し、学内外からの話題を集めました。

この「京都太秦物語」で録音を担当していたのが、
映像学部レジェンドの一人、瀧川元気さん(2010年度卒業)です。

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【恩師の深沢伸行先生と】


卒業後は、三池崇史監督のもと助監督として経験を積み、
現在、映画監督として、また、Studio-884.Proの代表取締役として活躍中です。

なんと、2020年秋には、ご自身が監督&プロデューサーを務められた映画『鬼ガール』が全国公開予定です!

そんな、大躍進中の瀧川さん。2019年度のクリエイティブ・リーダーシップ・セミナー(CLS)の最終ゲストとして初登壇いただきました。

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これまでに、「マザーレイク(2016年)」、「恋のしずく(2018年)」、「いのちスケッチ(2019年)」などプロデューサーとして携われた作品は多数。
これらの作品は、地方都市の伝統文化、地場産業、街並みを舞台に、そこで生きる人々の想いに寄り添ったストーリーとして展開され、幅広いファン層を築いてきました。映画に関連したグッズや話題になったロケーションの聖地巡礼など、今も観光地として人気を集めています。

瀧川さんが映画制作で掲げられるテーマは、「地方創生」

「映画を創るうえでは、エキストラをはじめ、たくさんのボランティアスタッフが存在します。ただし、ボランティアで終わってしまってはダメ。
熱量のあるファン層、すなわち、その映画を『応援してくれる人』を開拓することを目指しています。映画を通して、地方都市にとっては直接的・間接的な経済効果をもたらすからです」

なぜ、地域活性化に注力するのでしょうか。

「地域経済が活性化することで、日本全体のGDPが向上する。日本が豊かになれば、日本企業が企業力を増強するために、広報・宣伝にお金を使うことができるようになる。
すなわちそれは、CMなどの広告やイベント、映画への協賛・出資をできる企業が増えるということです。そしてたくさんのイベント・CM・映画にお金をかけてできることで、さらなるビジネスの発展になればもっと日本が豊かになる。エンタメが日本経済を支えるそんな日本社会を目指す、という自分なりのビジネスモデルと大義名分を掲げています

地方創生推進交付金など助成金の交付を受けるため、公・官・民を巻き込むなど、多角的なアプローチが求められます。

この手腕はどこで身に着けたのでしょうか。

「卒業後、三池崇史監督のもと助監督を務めていました。助監督として、多彩な作品に携わってきた中で、『自分の映画』を創りたいと思うようになりました。ただ、いざ映画を創ろうと思っても、制作費はどれくらい必要なのか、どこから捻出するのか、その資金集めは、とても苦労します。」

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映像学部は、映像制作の実習だけではなく、1回生時から全員がコンテンツビジネスを学ぶカリキュラムになっています。
学生であっても、何か新しいプロジェクトをする時には、必ず、数字を企画書にいれるべき。数字を出すことで、『**をしたい!』という想いだけではなく、目標を可視化することができる、と瀧川さんは語ります。

「実写、映画、ゲーム、VR、の基礎を幅広く学んだうえで、自分自身の専門を築いていく。映画制作をしたいからといって、他の分野をカットアウトするのはもったいない。
社会に出て、プロとして生きていくうえでは、市場を理解し、人を巻き込み、マネジメントできる力が求められる。まさに、プロデューサー・マインドをもったクリエイター、アーティストが必要だと感じています

「学生時代、常に他の学生と違うことをしようと思っていました。特に、こだわったのは、撮影場所
キャンパスの中では、誰でも撮影できる。自分ではなくても、同じ作品が撮れてしまう。
神社やスーパー、商店街など、キャンパスの外で撮影をする場合『なぜそこでの撮影が必要なのか』という大義名分が求められる。それを一生懸命考えて、相手を説得し、撮影許可をもらう。このやりとりが今の仕事にも活かされていると感じています。
是非、皆さん、キャンパスの外にでて、自分だけの作品を撮影してください」

映画監督として、プロデューサーとして、数々の作品を手掛け、貫禄たっぷりの瀧川さん。
講演はあっという間に時間が過ぎ去りました。
受講生たちも真剣な眼差しで、瀧川さんの話す言葉、一つひとつを噛みしめながら聞き入っていました。

瀧川さんの新たな挑戦を映像学部も応援しています!!

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瀧川 元気(映画監督、STUDIO-884代表取締役)

大阪府出身。2011年3月 立命館大学映像学部卒業。
卒業後、三池崇史監督に師事し、『逆転裁判』『愛と誠』ドラマ『QP』にて助監督を務める。
その後、京都での本格時代劇『蠢動』、東映太秦映画村にて『球形の荒野』など。
映画のみならず、滋賀・奈良編のロケーションコーディネートやラインプロデューサーを担当する。近年では瀬木直貴監督作品『星々の約束』『マザーレイク』にてラインプロデューサーを担当。
瀬木直貴監督作品、2018年全国公開、『恋のしずく』のプロデューサーを担当。同監督作品、2019年秋全国公開、『いのちスケッチ』プロデューサー担当。
そして、2020年秋全国公開予定、脚本:中村航、音楽プロデューサー:梶原徹也による『鬼ガール』では、自らメガフォンをとる。

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