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京都府立聾学校生へのミニ・オープンキャンパス開催

2017年2月21日(火)、京都府立聾学校(右京区)の生徒さんたちに向けた「ミニ・オープンキャンパス」を障害学生支援室主催で開催しました。当日は、8名の中・高等部生が参加してくれました。

この企画は、支援室に関わりのある5名の学生による手作り企画。聾学校の生徒たちに、まずは大学に興味を持ってもらうこと、そして、高校と大学とでは授業形態が大きく異なることから、情報保障のあり方も変わってくるということを知ってもらいたいと考え、企画しました。

当日は5つのプログラムを実施。各プログラムを担当制にして、一つひとつのプログラムをそれぞれの学生が準備から進行までを担いました。

当日の様子を少しご紹介します。

企画リーダーの学生によるはじめの挨拶。いよいよ「ミニ・オープンキャンパス」が始まります。参加してくれた生徒も見守りの先生方も皆熱心に聞き入ります。





つづいて、障害学生支援室長の山本忠先生(法学部教授)によるご挨拶。室長が社会保障法をご専門とされるようになったきっかけに、聴覚障害者の権利保障があったというエピソードをお話されました。




いよいよプログラムのスタートです。
まずはお互いのことを知るための、「初めまして!参加者全員で自己紹介」。事前に配っていた自己紹介シートに自分のこと(名前や誕生日、好きな食べ物や嫌いなにおい、、などなど)を書き込んで、企画学生も手話をまじえ紹介しました。総勢13名の自己紹介タイムです。



つづいてキャンパスツアー。2月の寒さの中、キャンパスを歩き回るのはちょっと辛い・・・ということで学生たちが考えた結果、スライドでの説明紹介と平井嘉一郎記念図書館の見学ツアーをすることに。スライドでは各学部棟の特徴と場所を紹介。




みんなで平井嘉一郎記念図書館に向かいます。楽しそうです。





図書館職員から受ける特別レクチャーに、学生たちも初めて知ったことが多かった様子。





教室に戻り、次は「大学の情報保障を知ろう!」の時間。学生が生徒たちに質問します。

「中学や高校の授業ってどんなの??教室の広さは?人数は??」
「じゃあ、大学の授業ってどんなだと思う??先生と学生の距離は?どんな教室で授業すると思う?」

それに生徒たちも答えます。
「300人!」
「この教室の4倍ぐらい!」

想像がふくらみます。




普段聾学校で受けている授業と大学の授業の違いは、先生の話し方や授業の進め方、周りの受講生の数、教室の広さなど、何もかもが違うと言えそうです。残念ながら先生は、手話で授業をするわけではなく、また必ずしもゆっくり話してくれるわけでもありません。そこで必要になるのが「情報保障」。
今回は、普段サポート学生たちが行なっているパソコンテイクを紹介しました。と言っても、この企画の最中もずっとパソコンテイクによる文字通訳をつけていたので、生徒のみなさんもなんとなくどんなものか理解してくれたようです。


最後に「31の扉」という、普段パソコンテイク講座で行なっているゲームをしたところ大盛り上がり。時間の都合で、泣く泣く1回限りで終了・・・「もっとやりたい!」の声が。次回はもっとできるように時間をたっぷりとりたいと思います。





スタートしてから2時間が経過。そろそろお腹も空いてきたということで、みんなで交流しながらの夕食タイム。これも一つのプログラムで、お互いに聞きたいことを一つ考えてくるという宿題のもと、2グループに分かれて質問しながらお弁当をいただきました。

ごはんを食べ終わったら、いよいよ大学の授業体験。映像学部の望月茂徳准教授による「インタラクティブ・アートや「ディア・アート」の模擬授業を受講します。
映像学部の建物にあるシアタールーム教室で、望月先生が数々の映像を使ったアート作品を準備してくれていました。頭で考えるだけでなく、映像のおもしろさを目や振動で体感。リズムよく変幻自在に移り変わる映像に生徒も大人たちもみんな釘付け。
その後は、音を色に変換する装置を使った体験型ワークショップ。楽器を鳴らしたり、声を出してみたり、音の高低によって色が変化する画面を見ながら、普段は目にすることのできない「音」を見て楽しみました。












企画した学生のみなさん、お疲れ様でした。初めての取り組みでしたが、生徒さんたちにも喜んでもらえたので、ぜひ今後も続けて開催できるといいですね。





■立命館大学HPでの紹介記事