もうすぐ本格的に始まる就職活動に不安を感じる人も多いだろう。そんな多くの学生の気持ちを少しでも払拭したいと立ち上がったのは、政策科学部PLスタッフの髙田さんと山田さん。政策科学部では、今まであまり積極的な活動がないPL活動、スタッフになるからには何か形に残ることをしたいと思った二人。また、担当の服部利幸教授や大学職員にも「何かしてほしい」という思いがあることを知り、みんなの期待に答えて、今までにない面白いことをしたいという気持ちが強くなったという。

話し合いの結果、多くの企業が選考の手法として取り入れているグループディスカッション(以下:ディスカッション)に注目した。学生がその場で採用側の評価を知ることができ、その評価に対するフィードバックもしてもらえる「見える化」にこだわることにした。

参加者を募るために、学部生全員に学内メールで連絡したり知人に勧めたりし、目標にしていた60人に到達したときは少し気持ちが楽になったという。その他にも企画書、チラシ、ポスターなどを作成するのに、夜遅くまで残って作業していたのが懐かしいと振り返る。「正反対の性格ですが、なぜか気が合うんです」と口を揃えるように、山田さんが詳細を考え髙田さんが実行に移す。お互い役割分担しながら進めていった。

※PL(Placement Leader):就職活動を始める学生同士が企画などを通じて相互で刺激し合い、結束を深め、お互いに助け合って就職活動を行う組織のこと

学生にも企業にも気づきが!

1チーム5人にわかれ、4つのテーマから1つを選びディスカッションする。その様子を3社の担当者が評価し、その場でフィードバックするという一日の流れ。「何十回と知人に企画の面白さを説明していたので、いつも通りに話すことができました」と、参加した企業への説明でも、山田さんは物怖じしなかったという。髙田さんは実際にディスカッションにも参加し、「自分の評価を聞き、次のディスカッションに生かすことができた。数時間で自信がついた」と、参加者の気持ちを肌で感じた。



実際に参加した学生からは「自分の欠点を知れたり、他人の評価を自分に生かしたりといろんなことを得ることができた」という声を聞けた。評価担当者からも「自分の評価基準が明確になり、他社の判定基準を知ることができてよかった。そして、この数時間で学生の成長を見ることができた」という意見をもらえた。この感想から、参加した学生と企業の両方が満足し、他己分析を兼ねた就職活動への対策や、採用活動への参考になったことがわかった。

ゼロからつくりあげ企画を成功させた二人は、「次回は自分たちの企画を超えて、より面白いものにしてほしい」と後輩に期待を込めた。「今回の企画を成し遂げたことが自信につながりました」という二人は、今春から就職活動に挑む。

PROFILE

高田三四郎さん

岩田高等学校(大分県)卒業。中学・高校と剣道に打ち込む。趣味はギターをひくこと。現在は佐藤 満教授のゼミで政治学について学び、医療商社関係への就職を希望している。

山田知昌さん

ルネサンス豊田高等学校卒業。現在は服部利幸教授のゼミで経営戦略について学んでいる。人とのコミュニケーションを図るのが得意で、将来は営業職に就きたいと考えている。

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