卒業後の進路

広がる食マネジメント学部のキャリア

本学部で学んだことを活かせるキャリア・将来の進路は、広範囲にわたります。食マネジメント学部卒業生が活躍できる場は、「食」が中心となっている業種だけではありません。食に関する総合的知識・理解を有する優位性を活かして、「食」を全体の業務の中で扱う業種も入れると、期待される活躍の場は相当な広がりがあります。

例えば、本や雑誌などの出版業界では食に関する記事は多く、編集者やライターが想定されます。銀行においては、融資先に広範な食関連企業があり、そのような企業への融資やコンサルティング業務があります。

また、ホテル・旅館や観光旅行に食は欠かせませんし、鉄道会社では旅客部門以外の売り上比率が高く、駅ビルやエキナカにおいても食は重要です。航空会社における食の空輸や機内食の提供、総合商社における食品部門も同様です。放送・マスコミ・広告・映像などにおいても食に関するシーンが多く扱われています。

公衆衛生、介護・福祉などにおいても、食による健康増進のコーディネータとしての貢献が期待されています。さらに、地方公務員として食をキーワードに地域活性化の役割を果たすことも可能です。

「食」の学びを通じて身に付けた実践的なマネジメント力の基礎は、組織や人をまとめ、目標を達成していくことに直結しています。その意味であらゆる分野に進むことができます。また、最初は食関連の仕事に就き、その後他の部門や部署でもマネジメント力を活かして活躍することができます。

想定される職業

  • 商品企画・開発担当者

    食に関する社会のニーズを探りあて、新たな商品やサービスを生み出す仕事です。世界のトレンドに対して常にアンテナを張り、市場調査の分析を科学的に掘り下げ、商品・サービスのコンセプトの立案、開発を実行します。

    インタビューを読む
  • マーケター

    食品関連企業の販売・マーケティング担当者として、マーケティング理論や専門的な知識を活用して調査を行い、マーケティング戦略を立案・実行します。その仕事には、仕組みづくりや新しい市場の創造までが含まれます。

  • バイヤー

    食品流通業や総合商社の仕入れ担当者として、生産者と流通、販売をつなぐ役割を果たします。販売計画、仕入計画、商品政策、売場構成、プレゼンテーションなど、モノやサービスが消費者の手に届くまでの多くの場面で活躍します。

  • コンサルタント

    企業、法人、団体などの経営状態やマネジメントのあり方を調査・分析し、具体的な解決策をアドバイス・提言します。また、行政とともに調査や政策提言も行います。情報収集力、人的ネットワーク、データ分析力、計画書・報告書の作成スキルをフルに活用します。

  • 行政職

    国や地方公共団体の職員として、食に関連する政策立案や実行、行政サービスの改善・充実、まちづくりや地域活性化など、多方面での活躍が期待されます。

    インタビューを読む
  • 起業家

    食関連産業は、他の産業と比べても、ベンチャーや新規参入が多い特徴を持ちます。農業などの生産や外食産業まで、私たちのいのちや生活を支えるこの分野には、新しい事業展開の可能性が大きく広がっており、多くの起業家が参入しています

    インタビューを読む
  • スーパーバイザー

    複数の店舗のマネジメントやコンサルティングを行う仕事です。例えば、本部の経営方針にもとづく店舗運営の戦略的アドバイスや、業務改善提案など、食の現場における実際の課題解決に協同で取り組みます。

  • ジャーナリスト

    食にかかわるトピックスや社会問題について自ら取材した記事等を、メディアを通じて社vなっており、真に質の高い記事が必要とされています。

    インタビューを読む
  • 組合・非営利団体スタッフ

    社会的なサービスの提供や、社会課題の解決を目的とした様々な組織・団体の運営に携わります。政府・自治体や企業では扱いにくい、食に関連するニーズに対応する活動に、専門知識を持って取り組みます

    インタビューを読む
  • プロデューサー・ディレクター

    プロジェクトの司令塔として全体の方向性を示し、事業の予算管理、進行管理、全体の調整を行います。様々な人たちを巻き込み、力を合わせてプロジェクトを実現・推進していく役割を担います。

    インタビューを読む
  • 編集者

    出版社などのメディアにおいて、誌面づくりや情報発信のプレゼンテーションを編集していく役割です。食の流行を見据えたり、食文化創造の担い手として、社会のコミュニケーションを活発化していきます。

    インタビューを読む
  • 経営者

    食に関連するビジネスのリーダーとして、企業や農業法人などのトップマネジメントに携わります。経営方針を決定し、経営計画を立てるとともに、経営全般を管理します。高い志のもと、ビジョンを示しその実現をとおして社会的役割を果たすのです。

    インタビューを読む

想定される進路

食マネジメント学部卒業生の活躍が期待される産業として、総務省の産業分類に基づき代表的なものをあげています。

  • 製造業 食品関連製造業:食品加工業
    食品製造業
    その他(調理・厨房機器)
  • 情報通信業 IT関連、放送・マスコミ、出版、広告、映像
  • 運輸業 鉄道、航空・空港、その他物流
  • 宿泊業、飲食サービス業 宿泊(ホテル)、外食
  • 卸売業、小売業 食品卸:
    総合商社、専門商社
    食品小売:
    百貨店、総合スーパー、食品スーパー、
    コンビニエンスストア、通信販売
    小売り全般:
    ショッピングモール、アウトレットモール
  • 金融業、保険業 銀行(都市銀行、地方銀行、信用金庫など)、保険
  • 学術研究、専門・技術サービス業 経営コンサルタント
  • 生活関連サービス業 旅行、ブライダル
  • 医療、福祉 社会福祉、介護、保健
  • 公務 国家公務員
    地方公務員(都道府県、市町村)
  • 農業、漁業 農業経営、漁業経営

ガストロノミア 
食の世界で活躍する人たち

産業界から大きな期待を
受けています。

Hironobu KITAGAWA北川 浩伸 さん

独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)
ハノイ事務所長(前・サービス産業部長)

現地現場で消費者の声を聞き、
科学の目で分析するスキルと
行動力に期待しています。

海外マーケットに関する情報の収集はもとより、日本企業の海外進出をはじめ現地での業務支援やパートナーとのマッチングなどをお手伝いすることが独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO:Japan External Trade Organization)の役割です。

かつては車をはじめとする“材”の輸出入や製造業の海外進出、誘致が主流でしたが、第三次産業の従業者数が全産業の72%を超える今日の日本では、金融やIT、物流、教育、ヘルスケアといった分野がグローバル化を目指すようになりました。少子高齢化により内需が縮小を続けるという深刻な現状もあります。

外食産業を含む「食」の分野もその一つです。しかし食は元来、国の中に閉じられたもの。おいしさや販売や陳列の手法、接客の在り方、対価など、国によって受け入れられるものは全く違います。消費者の感情にどうアクセスできるか、感性にいかに対応できるか、その実感やアナログ情報を蓄積することが、これから食のグローバルサービス展開に関わる人材の基礎的な活動要件となります。

同じく重要になるのが現地現場で起きている事実を分析する能力です。例えば、この外食はなぜ成功したのか、「味?」「内装?」「接客?」といった分析を定量的に加えることで科学的客観性が高まります。国ごとに特性を持つ食品流通の構造を知ることも重要。このように食の世界には解明されていないこと、すなわち踏み込んで研究すべき領域や分野がたくさんあります。ITやAIなど最先端の技術を取り入れていけば、より価値の高い学問になるはずです。

現在、日本における食関連の企業数は外食の分野だけでもおよそ67万社。世界に市場を求める多くの事業者がそのスキルと行動力を求めています。食マネジメント学部の学術的進展と次代に求められる人材育成について、大いに期待しています。

Hitoshi IKEDA池田 仁 さん

アサヒビール株式会社 近畿圏統括本部 総務部 部長

社会課題に対する「感度」を磨き、
解決策を商品や事業の創造に
つなげられる人を待っています。

アサヒビール株式会社は、ビールを中心に発泡酒、洋酒、焼酎、ワインなど、日本酒を除くあらゆるアルコール飲料を製造し、卸売会社を通じて、ホテルや居酒屋などの飲食店、およびスーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店からお客様に商品をお届けしています。

時代とともに「食」に関する消費者のニーズはますます多様化しています。また国際化の進展に伴って、グローバル市場の拡大が企業成長の鍵を握る今、国を超えてさらに多様な人々のニーズを捉えることが必要になっています。それに対応するべく当社では、商品ラインアップを増やし、総合酒類化を進めてきましたが、さらに今後は、酒類、飲料、食品を含めたアサヒグループの事業が一体となり、これまでにない価値を付加した商品や事業を創出していく必要があると考えています。酒類・飲料のみならず、「食」に関わる新しい価値を創造するには、日常で起きていることに深く関心を持ち、消費者のニーズや社会課題を見つけることのできる「感度」が欠かせません。例えば単身世帯の増加や野菜の価格の高騰といった、一見ビールとは関係のないことが酒類・飲料の購買に影響を及ぼすことを見抜き、次の一手を考えることが求められます。そうした感度を磨くには、「食」を軸に経済や気候変動、文化など多様な分野に視野を広げ、自らの関心を探究する経験が必要です。

自社の利益を追求するだけでなく、食に関わるさまざまな社会課題を解決することを通じて貢献しなければ、将来にわたって企業を存続していくことはできません。過疎化が進む地域などでも、まずは地域が活性化し、それが消費の伸びにつながり、結果的にビール等の購買量が増える、という流れが生まれることが理想です。そうした社会課題を発見し、その解決策を新たな商品や事業の創造につなげることができる人なら、食品業界はもちろん、あらゆる業界で活躍できると思います。