教員紹介

安井 大輔

Daisuke YASUI 安井 大輔 教授

  • 専門分野社会学、食研究(フードスタディーズ)
  • 所属学会 International Sociological Association(ISA),
    American Sociological Association(ASA),
    日本社会学会, 日本文化人類学会, 関西社会学会

これまでの研究の概要

食という観点から、現代世界の社会問題を研究してきました。食は、食べ物・食べ方だけでなく、それを作り消費する人びとの行為、食べ方を規定する規範、生産・加工・流通のシステムまで含みます。食文化はその食の営まれる国・地域の歴史、異なる文化との相互作用、エスニック・ナショナルに動員される政治・社会的資源など、さまざまな要素が混じりあって形成されます。私はこうした社会的要素の絡み合う場所としての食を研究してきました。具体的には、国境を越える移民の食を対象にエスニックコミュニティにおける文化と差異の考察、また文化遺産としての食を対象にグローバル化の下で生じるナショナリズムの分析といった、社会文化理論と社会調査に基づく研究に取り組んできました。

食マネジメント学部における今後の研究の方向性

食の比較文化研究を継続しつつ、今後は日々の食の選択と所得や学歴の計量分析など、量的データの解析も用いて、多角的なアプローチから食と社会の問題を明らかにしたいと思います。学生時代から人文社会科学の若手研究者たちと領域横断的に食研究について学んできました。また食と農をつなぐ実践活動にも関心があります。今後はそうした学際ネットワークを食研究を志す人びとの互助へと発展できればと考えています。

主な研究業績

  • 「食選択と社会階層―国産食品・オーガニック食品購入の規定要因」『2015年「社会階層と社会移動全国調査」(SSM調査)報告書4 教育Ⅰ』pp.103-119、2018年
  • 「食文化の「型」―文化遺産としての「和食」」『農と食の新しい倫理』秋津元輝・佐藤洋一郎・竹内裕文編、昭和堂、2018年(分担執筆)
  • 『フードスタディーズ・ガイドブック』ナカニシヤ出版、2019年(編著)