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  • 小堤 和彦教授
  • Kazuhiko Ozutsumi
  • 応用化学科
  • 研究室錯体分子化学研究室
  • 専門分野錯体化学、溶液化学
  • 担当科目無機化学Ⅱ、固体化学
    • 機能材料
    • ナノテクノロジー
Q1研究の内容を教えてください。

 適当な複数の液体を組合せることで、混合液体は液体の性質を連続的にかつ自由に変化させることができ、身のまわりでも頻繁に使われています。酒は水とエタノールの混合液体です。水とエタノールの混合液体中で、水は水分子同士が集まってクラスター(小さな集合体)を形成し、エタノール分子同士もクラスターを形成し、分子レベルでの混合は不均一であるとされています。酒の風味はこれらクラスターの大きさに関係しているとも言われています。このような混合液体に溶質を溶かすと、溶質のまわりには混合液体を構成する成分の内の一種類がより多く集まっているという現象も一般的に多く見られています。放射光などを利用して液体や溶質のミクロ構造の決定を行い、溶液反応におよぼす液体の効果を明らかにして、化学反応の設計や制御の指針を見出したいと考えています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 私の高校時代には物理、化学、生物、地学を理科で学習しましたが、その当時はまだ石油化学工業が花形産業でしたので、化学、特に有機化学の内容に深く興味をもち、大学では化学を勉強したいと思いました。大学進学後には多彩な元素の組合せで様々な性質をもつ化合物を対象とする無機化学を専門分野として選びました。無機化学の中でも遷移金属が多く関係する錯体化学の分野で研究を続けてきましたが、遷移金属が関与するために錯体が呈する色は様々で、多彩に変化する色に興味をもちました。錯体によって様々に変化する色を楽しみながら研究しています。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 化学は他の多くの科学・技術の分野と関係があり、現代社会に欠かせない基盤学問です。化学が社会や環境に役立つ新しい機能をもった物質を生み出さなければ、他の科学・技術の分野は成り立たないのです。最近ではテレビのCMでも「化学」という言葉が多く見られますし、一見「化学」とは関係の薄いような企業の広告で「化学と・・・」というフレーズが登場するのはこのためなのです。新しい物質を生み出すためには、私たちの身のまわりにある多種多様な物質の構造や反応を理解することが必要です。高校の教科書に書かれている内容は膨大ですが、それらは基礎的な内容ですから、それらを十分に理解しておくことが重要です。大学に入って、さらに基礎的な専門知識を身につけた上で、身のまわりの物質を原子・分子のレベルで見直したとき、その物質がもつ機能がなぜ発現するのかがわかってきます。高校時代にはたいへん重要な知識を学んでいることを良く理解してください。