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  • 山中 司教授
  • Tsukasa Yamanaka
  • 生物工学科
  • 研究室PEP Research Group
  • 専門分野英語教育、言語論
  • 担当科目英語P1、英語P2、英語P3、英語P4、英語JP1、英語JP2
    • 言語哲学
    • 言語論
    • 英語教育
Q1研究の内容を教えてください。

 人は言語を用いて当たり前のようにコミュニケーションを行い、かなりの程度、お互いに「分かり合っている」と思っています。しかしこの「程度」とはどの程度なのでしょう。100%分かり合うことは可能なのでしょうか、あるいは、残念ではありますが、不可能なのでしょうか。それが私の究極的な問題意識です。仮にですが、同じ言語内ですら私達が分かり合えていないのなら、外国語でならなおさらということになります。
 もちろんこの問いに答えなどないと思います。そして、これまで多くの人がこの問いに回答を試みてきました。私などが答えを見つけられるはずはないと思いながらも、せめて死ぬまでには自分の中で納得の行く回答に辿り着きたい、そんな思いでいます。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 私が尊敬する哲学者にリチャード・ローティー(1931-2007)というプラグマティストがいます。かつてローティーは自身の著作の中で、「トロツキーと野生の蘭」に言及したことがありました。これは彼が、トロツキー主義のようなガチガチの理論や言説に敬服する一方、野にひっそりと咲く蘭の美しさにも心惹かれたことを告白したものです。そしてローティーは、これらを調停するような統一のビジョンを持つ必要はないときっぱり否定しました。当たり前といえば当たり前だったのかもしれませんが、私には強く印象に残りました。どちらも私たちの心を強く揺さぶる、大切なものだと思うからです。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 言語の専門家として、皆さんに是非伝えておきたいことがあります。「言葉」には、美しいも、汚いも、高尚も、低俗もありません。多くの皆さんが母語として話す日本語のそれぞれは皆同様に正しく、美しいと言えます。どちらが上手い、下手もありません。皆さんそれぞれが独自に話す、掛け替えのない日本語です。それと同じく、皆さんの英語も、自信がない人も多いかもしれませんが、立派な英語です。間違いがあったとしてもそんなものは程度の問題です。ですから、「綺麗な英語を話したい」という概念は間違っています。綺麗な英語なんてありません。皆さんの英語でいいんです。どうか、自分の話す日本語や英語に自信と誇りを持ち、堂々と自分の考えを紡ぎ、発信してもらいたいと思っています。

おすすめの書籍

Lewis Carroll, "Through the Looking-Glass" (『鏡の国のアリス』)