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  • 松田 大樹助教
  • Hiroki Matsuda
  • 生命医科学科
  • 研究室病態生理代謝学研究室
  • 専門分野発生生物学、内分泌学
  • 担当科目生物科学1
    • 生活習慣病
    • ゲノム
    • 創薬
Q1研究の内容を教えてください。

 膵臓ランゲルハンス島にあるβ細胞(以降、膵β細胞と記述)と呼ばれる細胞は、インスリンと呼ばれるホルモンを分泌し、血糖値の上昇を抑える役割を果たしています。しかしながら、私たちヒトを含め哺乳類は膵β細胞の再生能が低く、膵β細胞が損傷したり、機能不全になると糖尿病の原因になります。
 ヒト同じく脊椎動物の仲間のゼブラフィッシュという魚は、ヒトと同様の機能を持つ膵β細胞をもつのだが、面白いことにその膵β細胞はいくら損傷しても新たに膵β細胞を再生することができます。このような、「他の動物では再生出来ない組織が、一部の動物ではなぜ再生することができるのか」という疑問は、古代ギリシア時代からヒトが持つ生命科学における大きな命題であります。私は、この生命科学研究の大命題を解くとともに、ヒトの膵β細胞を再生させる方法を発見したいと考えています。

Q2研究に興味を持ったきっかけを教えてください。

 元々は、高校の頃、当時関心事だった「自分(自分の存在?)とは何か」と考えたときに、哲学では、この質問に対する納得いく答えを得るのは無理だと考えるようになりました。そこで興味を持ったのが科学であり、その中でもなぜか分子生物学にその当時、私の疑問への私なりの答えを見つける可能性を当時感じました。それが、生物学を真面目に勉強してみようと思った1つのきっかけです。ただ、それが直接研究への興味につながったのかは、正直よくわかりません。今全然当時の疑問とは関係ない事してますし、、、不思議です。

Q3高校生へメッセージをお願いします。

 大学の先生やお医者さんは、我々の体や生き物の仕組みについてわかっているかのように多くの人には映るかもしれませんが、我々は皆さんより少しよく知っているだけで、そのほとんどはわかってないのが現状です。ですので、生命科学という分野には、私たち専門家が予想していない、多くのまだ見つかっていない現象があると思います。高校生物の教科書に出てくるジェームズ・ワトソンは20世紀最大の発見の1つと言われていうDNAの二重螺旋構造を25歳の時に発見しました。歳をとった我々にはない、若い人たちの常識にとらわれない自由な発想が、予想外の現象の発見や科学における劇的な進歩には必要だと思います。私は、皆さんの中から新しい才能溢れる生命科学者の誕生を心待ちしており、微力ながらその誕生の手助けをしたいと考えています。