自ら移動することのできない植物は芽生えた場所が過酷な環境だったとしても、そこで生育しなければなりません。そんな植物は各生育環境に合わせて細胞の中の物質やそれらの割合を変化させています。私は植物の代謝という細胞内の物質の合成や分解について研究をしています。「その物質を分解すると生育にどのような影響を与えるのか？」、「その反応はどのようにして制御されているのか？」、と言った疑問を明らかにしていくことで、代謝の観点から植物のストレス応答機構の解明に貢献したいと考えています。

　私が卒研生として研究室に配属された1年目に指導教員に連れられて各大学の人たちが交流する会に参加した際、他大学の先輩方が楽しそうに自分の研究成果を発表し、議論している姿に憧れ、その輪に入ってみたいと思ったことがきっかけです。当時は「良い結果を得られたら進学してみよう」程度の考えだったのですが、「良い結果を得るためにはちゃんと研究に打ち込まなくてはダメだ」と考え直しました。