岡村 朱里(おかむら あかり)

鳥越 由希子(とりごえ ゆきこ)

細川 愛水(ほそかわ あいな)

専攻 現代東アジア言語・文化専攻

実習先中国:桂林(広西師範大学)・三江・上海

留学期間2017年8月

実習のスケジュール

日程
スケジュール
8月1日
関西空港から上海経由で桂林・広西師範大学へ
8月2日
~17日
広西師範大学にて中国語・中国文化に関する授業
8月18日
~23日
三江県程陽村にて、トン族に関するフィールドワーク
8月24日
~28日
上海および周辺都市でのフィールドワーク

東アジア現地実習――異文化理解への一歩として

私たちは、2017年8月に東アジア現地実習に参加し、一ヶ月間を中国で生活しました。今回の実習では、中華人民共和国広西チワン族自治区に位置する桂林と三江トン族自治県、そして上海市の三つの地域を巡りながら、中国という国を体験しました。

桂林では、広西師範大学の学生とバディを組んで、様々な経験をすることができました。

広西師範大学での授業は中国語で行われ、最初は簡単な単語すら聞き取れなかったため、授業内容を理解するまでに時間がかかってしまいましたが、しばらくして耳が慣れると少しずつ聞き取れるようになりました。先生の言葉にすぐ反応できたとき、とても嬉しかったことを覚えています。
午後には太極拳や中国結び、水墨画といった中国の文化に触れることができました。また、授業のない日には、バディさんと芦笛岩、離江下り、象鼻山、十字路など多くの観光地を見て回ることが出来ました。

 

【広西師範大学と桂林の日塔・月塔】


【20元札に印刷されている景色(漓江下り)】

バディさんは、慣れない土地での生活を助けてくれました。会話の中で聞き取れないことも、その度に丁寧に根気よく教えてくれ、私たちが日本人であるからといって、会話を躊躇うことなく、いつも気兼ねなく話しかけてくれました。友達になり互いに遠慮がなくなると、私たちは積極的に会話するようになり、相互に言葉を教えあうこともありました。


【書店で日本語学習書を手に日本語と中国語を教え合う様子】

渡航前、不安に思っていた言葉の壁やコミュニケーションの困難にも、初めはぶつかり、辛いことも沢山ありましたが、バディさんと共に楽しく濃い時間を過ごすにつれて、そんな不安はいつのまにか消え、いずれ来る別れを惜しむほどに、私たちは意思疎通をし、共に楽しみ、感じ、気持ちを伝え合うことができました。そこに、相手が中国人であるという意識はありませんでした。実習を通して最も印象的だったのは、桂林でのその経験でした。バディさんとは、帰国して四ヶ月経った今でも密に連絡を取り合う仲でいます。バディさんたちとの料理対決やスポーツ交流、水墨画や中国結などの体験をしたことも、良い思い出です。

また、実習のメインとなる三江では、5日ほど滞在し、観光地化された少数民族トン族の村を歩きました。一人一人決めたテーマに沿ってフィールドワークを行いました。


【三江程陽村】

フィールドワークは聞き取りがメインで、慣れない中国語でトン族の方々、観光客の方々に声をかけ、インタビューを行わなければならないため、質問が伝わらなかったり相手の言葉を全く聞き取れなかったりと苦労の連続でした。しかし、自分で決めたテーマに自分の力で向き合うという経験は、私たちにとって大きな挑戦であり、乗り越えた時の達成感は計り知れないものがありました。こうした三江での生活を通して、コミュニケーションにおける言葉の重要性を改めて実感しました。 

 

【風雨橋と百家宴に集まる観光客】

実習最後に訪れた上海では、これまでの経験を活かし、自分の足で中国を歩くという経験をしました。高鉄のチケットを買うために中国語を使う、商品を買うために中国語を使う。

実習前は、中国語の授業の時でさえ中国語を使うことに抵抗がありましたが、上海では初対面の中国人に対し、すらすらと中国語が出てきたことを、よく覚えています。

また、上海では博物館にも行くことができ、自らの新たな興味も発見することができました。


【上海の風景とフィールドトリップで訪れた蘇州】

この実習は、私たちにとって一つの大きな挑戦となりました。日本にいては経験できない刺激と驚きに満ちた毎日を過ごすことが出来ました。渡航前は、自分の中で中国に対するイメージを作り上げてしまっていましたが、実際に現地で生活し、人々と触れ合ったことで、日本では知ることの出来なかった中国を知ることができたと思います。異なる国、異なる習慣の下でも自分たちと同じように生活している人たちがいるのだと知ったことは、この実習で得た大きな収穫です。
また、桂林での中国人学生とのコミュニケーションや、上海を学生だけで歩いたこと、蘇州や南京へのショートトリップといった経験は、自身の中国語理解の力に少しばかり自信を与えました。不安を感じながらも、異国で積極的に活動する楽しさや、言葉の壁を乗り越え、意思疎通ができた際の達成感なども、この現地実習で学んだことの一つです。

一か月という滞在期間を通し、中国という国への親しみや親近感といった感情は、出発以前と比べ、強くなりました。それは今後の中国分野の学習、研究を手助けしてくれるものであり、深い異文化理解に繋がるものであると思います。今回得た自信や意欲を生かし、残りの大学生活でもう一度中国を訪れてみたいです。

この1ヶ月、本当に多くの思い出や発見がありました。参加して良かったと心から思います。