14年度東アジア現地体験プログラム(韓国)

参加: 東洋研究学域 1・2回生   日程: 2015年3月10日-17日(ソウル・仁川・釜山)

日程内容

3/10 ソウル

関西国際空港集合、事前ミーティング、現地へ出発
午後: 光云大学アジア学科の学生と交流会(at光云大学)
夜: ミーティング後に自由時間

3/11 ソウル

午前: ソウル歴史文化フィールドワーク
        (ソウル歴史博物館、タプコル公園、天道教聖堂、仁寺洞)
午後: ソウル市内買い物オリエンテーリング
夕食: 土俗村(オリエンテーリングの結果発表)
夜: 夕食後自由時間

3/12 天安・ソウル

10時~3時: 独立記念館
4時半~6時: 挺身隊問題対策協議会・戦争と女性人権博物館
夜: 夕食後自由時間

3/13 ソウル

午前: 植民地体験者の講演 ・民族問題研究所展示室の見学
午後: 班別フィールドワーク(夕食は各班で)
夜: 自由時間

3/14 仁川

仁川フィールドワーク
        (日本家屋跡、チャイナタウン、自由公園、韓国移民史博物館、月尾島など)
夜: ソウル到着後自由時間

3/15 釜山  

KTXで釜山へ
午後: 釜山市内フィールドワーク
        (釜山近代歴史館、東亜大学博物館、臨時首都記念館、釜山タワー)
夜: 光復通り(繁華街)見学、夕食後自由時間

3/16 釜山

午前: 釜山市内フィールドワーク
        (書店見学、国連記念公園、チャガルチ市場、国際市場など)
夕方: 東亜大日本学科学生との交流会
夜: 夕食後自由時間

3/17 釜山

午前: ホテル出発、釜山民主公園、民主抗争記念館見学
2時30分: ホテル集合、帰国

体験レポ ① (いざわさん 14入学 現代東アジア言語・文化専攻)

私が東アジア現地体験プログラムで一番印象に残ったことは、女子勤労身隊被害者のハルモ二(おばあさん)のお話でした。ハルモニは日本に強制労働させられたときの当時の心情や様子などを私たちの前で話してくださいました。ハルモニのお話を聞いたとき私は、申し訳ないという感情でいっぱいになり、涙がでそうになることもありました。また、ハルモ二は日本人に強制労働を強いられたので、私たち日本人のことが嫌いなのではないかと不安に思っていました。しかし、お話の最後に「今の学生に罪はないよね。お父さんとお母さんを大事にしてあげてね。」とおっしゃってくださいました。そして、ハルモニは笑顔で私たちと手を握り、一緒に写真を撮ってくださいました。辛い過去をお話してくださっただけでもとてもありがたいことなのに、私たちに優しく接してくださり本当に嬉しかったです。そして、私たちに罪はないとおっしゃってくださいましたが、私は、韓国と日本の間で起きたこのような問題を知らないことが罪なのではないかと思いました。そしてハルモニのために何ができるか考えたとき、もっと詳しく歴史的問題を知り、真実を知ることが私たち学生にできることだと思いました。

  

このプログラムでは、ハルモニのお話以外にも、ソウル歴史博物館や独立記念館、挺身隊問題対策協議会・戦争と女性人権博物館、釜山民主公園など様々な歴史の跡に足を運びました。

もちろん歴史的なことばかりではありません。ソウルの光云大学、釜山の東亜大学の学生と交流会をしたり、自分たちだけで市場やデパートに行き、1000ウォン(およそ100)で買えるものを探すという買い物オリエンテーションをしたり、仁川の遊園地にも行きました。夜は、自由時間なので、明洞や東大門に買い物をしに行ったり、韓国人の友達とカフェに行ったりしました。また、庵逧先生が毎日おいしい韓国料理を食べに連れて行ってくださったりと勉強以外にも楽しい内容が盛りだくさんでした。

                            

様々な場所に足を運び、様々な人とお話をし、様々なことを学び、普段の旅行では絶対に経験できない充実した8日間を過ごしました。このプログラムに参加したことにより、自分が何を学ぶべきかという方向性が少しみえてきたように思いました。この経験を今後の学生生活の糧にしていきたいと思います。

      

体験レポ ② (さとわくん 14入学 東洋史専攻)

私は中学生の時から日韓関係に興味を持ち、よくテレビのニュース番組を見て動きを注視していました。立命館大学の東洋研究学域に入学してからも日韓関係について学ぶ機会は多くありました。日本にいて、日本の側からの視点に立ってこの問題を見るだけでは足りないと感じていたところで、この現地体験プログラムを知り、応募しました。出発する日に風邪をひき、声が出なくなるというアクシデントはありましたが、順調な8日間だったと思います。

 今回のプログラムで私が最も印象に残ったのは、見学したいくつかの博物館において、日本の韓国併合時に結ばれた日韓併合条約や、日本における朝鮮支配、また、戦時中の強制労働や慰安婦問題など、現在日韓の間に横たわる問題に関する展示がかなりのスペースを占めていることでした。あまり気持ちのいいものではなく、複雑な気持ちにさせられましたが、韓国の人々にとって日本が戦前の朝鮮半島に残した傷は、日本人が考えているよりもはるかに大きいものであるのだと実感させられました。

 また、日本の百円相当である1000ウォンで何が買えるのかを、ソウル市内の市場やショッピングセンターで調査し、購入するという買い物オリエンテーリングはとても印象に残りました。日本と韓国の物価の違いを知ることができ、韓国でのお金の使い方について考えることが出来ました。

 このプログラムでは、ソウルの他に、仁川、釜山という韓国を代表する港町にも向かいました。仁川は朝鮮王朝時代に開国された際、始めに開かれた港街であり、旧日本租界やチャイナタウンが残っています。旧日本租界では当時の建物が多く残り、開港当時の仁川を解説した博物館として使われているものもありました。とても雰囲気のある街で、日本の函館に近いように感じました。釜山は大きな魚市場があり、活気のある街であるという印象を受けました。この町は朝鮮戦争の時にソウルが陥落した際に臨時首都となった町で、当時多数の難民が流れ込んだそうです。そのためか朝鮮戦争時の苦難を伝える資料館や、参戦した国連軍の墓地などがあり、韓国での平和を考える土地であるのではないかと感じました。

 今回、韓国に行ってみて抱いた韓国に対する印象は、とても魅力のある国であるということです。朝鮮王朝時代の建築や遺跡なども残っているので、歴史ファンが行っても面白いと思います。また、韓国料理は日本人の口にも合うものであると思います。歴史遺産とグルメ巡りができるという楽しみもあるため、歴史好きや、グルメな方々にもおすすめです。

現在、日本と韓国の関係悪化が取り沙汰されており、嫌韓を叫ぶ人々もいます。しかし、一度行ってみることで印象は変わるかもしれませんし、日韓関係について考えるうえで新しい見方を発見できるかもしれません。