薮田 芳以(やぶた かい)

専攻 東アジア研究学域(1回生)

実習先韓国:ソウル・プサン

留学期間2017年8月

実習のスケジュール

日程 スケジュール
1日目  釜山到着。宿所周辺・釜山タワー・光復洞・チャガルチ市場見学
2日目
 【午前】東亜大学博物館・臨時首都記念館見学
 【午後】甘川文化村・釜山近代歴史館・国際市場見学
3日目  【午前】釜山博物館・日帝強制動員歴史館見学
 【午後】UN記念公園・西面周辺探索(デパート・書籍・市場など)
4日目  【午前】ソウルに移動
 【午後】民族問題研究所訪問・植民地体験者のお話・国立中央博物館
5日目  【午前】ソウルの歴史フィールドワーク(1)
 【午後】ボランティア通訳ガイドとの班別フィールドワーク
6日目  【午前】買い物オリエンテーリング
 【午後】西大門歴史館見学・挺身隊問題対策協議会・戦争と女性人権博物館見学
7日目  【午前】班別フィールドワーク
 【午後】ソウルの歴史フィールドワーク(2)
8日目  【午前】自由時間
 【午後】帰国

韓国イニシエーション実習――国を越えて通じ合う

私は立命館大学の東アジア研究学域に入学するまで韓国という国に対して全く興味がありませんでした。このプログラムに参加した理由も、楽に韓国を旅行したいという軽いものであり、日韓関係について学ぶことや韓国の文化に触れたいなどは考えずに韓国へ出発しました。しかし、韓国に着いて、様々なところへ行き様々な文化体験をしてみると、帰りたくないと思うようになるほど韓国に魅力を感じるようになりました。そしてまた、学習しかしないものだとも思っていたのですが、実際、夜は自由時間があり好きな人と好きなところへ行くことができ、楽しむことができました。

 

今回のプログラムで私が最も印象に残ったのは、ソウルでの韓国人学生との交流です。何グループかに分かれて各グループに韓国人学生が何人かついてくれはり、ソウル市内の色んな所を案内してくれはります。私は韓国語をこれまで一切勉強してこなかったのですが、韓国語がメインのグループに入りました。最初は全然交流が出来なかったのですが、身振り手振りのコミュニケーションを使って次第に打ち解けていき、韓国人がどのような考えを持っているのかが知れたので、視野が広がったと思います。また、学生ならではのところにも連れてってもらえたので、韓国の若者の街について分かった気がします。最終的には、知っておくと使える韓国語も教えてもらいました。異文化で暮らしている人との人生で初めての交流だったというのもあり、この体験が私の中に深く刻まれたものでした。

そして、日本円で100円にあたる1000ウォンで何を買えるのかというのを様々な市場やマーケットで調査して、実際に買ってくる買い物オリエンテーリングも韓国の文化について知ることができる素晴らしい企画でした。先生もいない状態で1000ウォンのものを下さいと言うのはかなり厳しかったけど、日本との物価の違いや、1000ウォンの無限の可能性を知れるおもしろい企画でありました。

 

また、交流や文化体験のような楽しい経験だけでなく、慰安婦の博物館や刑務所歴史館などの普段の旅行では絶対に訪れないであろうところにも連れて行ってもらえ、韓国の歴史や日韓関係について十分に学習でき、これまでにどのような問題があり、また、これからどういう問題があるのかを明確に分かるようになります。博物館の中には想像を絶するような展示もあったのですが、目を背けずにしっかりと目に焼き付けて真実を知ることが大切だと思いました。様々な建物の中で私が特に印象に残った建物は、西大門刑務所歴史館です。ここでは、捕らえられた韓国の独立運動家が日本軍によってどんな拷問を受け、収監されていたかが分かります。収容者を監視するために工夫を施した建物や、実際の拷問道具などがあり、現実世界とはかけ離れた空間にいざなわれる感覚になります。当時のまま建物などが残されていることもあり怖い思いもしますが、そんなことよりも今まで知らなかった知識が一気に頭に入ってくるので、私のおすすめスポットの一つです。

今回、様々な場所に連れて行ってもらったり自分から足を運んだことによって、今までなかった考えが芽生えたり、異文化を体験できたりしてとても各自の旅行では経験できないような充実した一週間になりました。これまで抱いていた嫌韓などは全くなくなり、このプログラム後に3回も韓国へ行くくらい韓国が好きになりました。今この体験記を読んでいる人は恐らく参加するか悩んでいると思います。私は悩むのならこのプログラムに参加するべきだと思います。今韓国に対して抱いている疑問がなくなったり、負のイメージが払拭されたり、無関心が興味に変わるくらいの内容がこのプログラムには詰まっていると私は思います。なので、ぜひ一度行ってみるという意味で参加するべきだと思います。ちなみに、私の一番のおすすめは韓国について誰よりも詳しい庵逧先生に美味しいものを食べさせてもらう事です。もしかしたら、珍しいものが食べられるかも。