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文学部校友会イベント

2012年度 文たびツアー

  • 日時:2012年12月9日(日)
  • 場所:京都市内
 2012年12月9日(日)校友会初企画、文たびツアーを開催いたしました。今回は約30名の参加していただき、大いに盛り上がるツアーとなりました。
初回の今回は、学生時代を思い出すような、修学旅行気分を味わっていただける 「京都再発見」をテーマにし、学生時代に歩いたところ、その頃はとてもいけなかった場所を 取り入れた、「文学部らしさ」と「京都らしさ」を盛り込んだツアーになりました。
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 真下先生と文学部校友会スタッフと8名の校友の方と、たっぷり京都の寺社を巡りました。 初めて訪れた場所は勿論、訪れたことのある寺社も先生のお話によって改めて深く知る事ばかり。 京都について楽しく学ぶ一日となりました。
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 雨乞いの場所でもあった神泉苑では、池を前に、歴史や成り立ちをお聞きしました。 池のほとりには、 その年の恵方によって向きを変える恵方社があり、毎年大晦日の晩の十一時に翌年の恵方へ祠の正面が向けられます。全国にただ一つという珍しい社だそうです。また神泉苑は祇園祭発祥の地とされていて、現在も還幸祭が行われています。中御座の神興が神事を行うのは7月24日、山鉾巡行だけではなくこちらも必見だそうです。
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 葵祭に関連した、上賀茂神社では冬の空気を感じながら「賀茂の斎院」のお話などを伺い寺社の美しさを堪能しました。 また、この日は偶然にも「すぐき奉納奉告祭」が行われており、奉納の行列を見ることができました。参拝者にはすぐき一つが振舞われ、 嬉しいハプニングでした。午前中最後の訪問は岩倉の地、山住神社へ。小さな神社で神殿もありませんが神霊が宿るとされている巨岩が神々しい場所です。
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 昼食をいただいた「山ばな平八茶屋」のある修学院は真下先生が学生時代に住まわれていた場所。 創業400年の老舗の茶屋で夏目漱石の『虞美人草』。徳富蘆花の『思い出の記』や北大路魯山人ともゆかりのある茶屋です。 まだまだ紅葉の残る庭園を見ながら喧騒を忘れるひと時を過ごしました。
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 紫式部邸宅跡として知られる廬山寺へ向かうまでの道のり、真下先生も学ばれた広小路キャンパス跡地を通りかかりました。ちょうど廬山寺の北側に位置し、広小路の木造文学部校舎(第二新棟)から廬山寺を見下ろしていたそう。今では石碑が建てられているだけですが、「ここには文学部があった!」などツアーの参加者と懐かしい思い出話に華が咲きました。 廬山寺境内の墓地にもご案内いただき現存する中でも往時の姿をとどめる「御土居」も見ることができました。
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 円山公園から抜けると、今回特別に拝観させていただくことになった祇園の象徴的な存在とも言える祇園閣が見えてきました。 祇園閣は祇園祭の山鉾をイメージして建てられています。思いのほか祇園閣は古い建物でなく、平安神宮・明治神宮など設計を手がけた 昭和の近代建築で有名な伊東忠太の建築です。祇園閣の中の写真がお見せできないのが残念ですが、階段ホールの空間に、シルクロードの分岐点として 栄えた中国の敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)の壁画が模写されているとのこと。祇園閣から見下ろす京都祇園の風景はまた格別でした。 日本の3大祭りとして知られる祇園祭の山鉾と中国の壁画が模倣された装飾。なかなか他では見られないすばらしい空間をたっぷり満喫できました。
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 このあと、駆足で東寺へ。東寺のガイドさんに東寺の塔の内部をご案内いただきました。 東寺の塔は落雷などで4度も焼失していますが、地震で倒壊したという記録はないそうです。昔の建築技術の高さに驚かされるとともに、 「大日如来」に見立てた心注の迫力に圧倒されました。次に案内されたのは重要文化財の講堂。 大日如来を中心とした五智如来像をはじめ二十一躯の仏像が安置されています。これは、 弘法大師の教えを表現する立体曼荼羅(密教浄土の世界)だそうです。冬の空気の中にすくっと立つ仏像に囲まれ異次元の世界に迷いこんだようで、 参加者のみなさんは飽きることなく見入っておられました。
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 例年に比べ、格別に寒い日でしたが、真下先生のレクチャーで進行したツアーは、学生時代の思い出とともに新たな京都の新たな一面 を学ぶ事ができた、大変充実した一日でした。 まだ1回目の文たびツアーです。また来年・再来年と校友の方にご参加いただき文学部校友会の恒例イベントとなる土台作りができたと思います。 ぜひ来年のご参加もお待ちしております。
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 Bツアーのガイドは、学生ガイド協会所属で文学部京都学プログラム第一期生の現役学生の北田さん。「いつもは、修学旅行生を案内しています!」と笑顔で観光ガイドをしてくれる頼もしい北田さんと、文学部校友会スタッフ、 そして15名の文学部校友の皆さんとともに京都の文化とおもてなし体験をしてまいりました。
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 ツアー最初の訪問場所は西本願寺の東側に位置する「薫玉堂(くんぎょくどう)」。こちらではお香のお話をレクチャーしていただきました。 ただの香りだけではなく「組香(くみこう)」と呼ばれる香りを聞き分けるお遊びがあるそうです。その中でも、 源氏物語をモチーフにした源氏香は文学的要素と香りを聞き分ける感覚・記憶を研ぎ澄まして行う優雅な遊びです。 その中で使用する「源氏香の図」は芸術性が高く、和装や家紋、和菓子のモチーフになっているそうです。
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京都 町家~西陣・くらしの美術館 冨田屋~
 次に向かった場所は、清明神社のすぐ西、西陣の真ん中に位置する町屋「冨田屋」。
 約130年前に建てられた呉服問屋で現在も実際にお住まいになられているそうです。表は質素な作りですが、奥の空間は冨田屋、 先々代の御主人の趣向が建材・調度品の細部に至るまで行き届いています。
 うなぎの寝床と呼ばれるように、京都の区画が外との接地が少ない為、 より一層京都人の内なるこだわりが強まったのかもしれません。町屋は京都に生きる人間の内面を具現化したものかもしれないなと、 とても面白い見学ができました。
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 今回のツアーのメインである舞妓お座敷体験の舞台は、祇園花見小路に面した「花郷」。 迎えてくださった舞妓さんは、藤色の鮮やかな着物を着た紗月さん。八寸から始まる京会席を頂きながら、 紗月さんがお酌やお話をしつつ各テーブルを回っていただき楽しい時間が流れていきます。現代社会とは程遠い生活をされているからでしょうか。 まるでタイムスリップして現実ではない世界にいるような錯覚に陥ってしまいます。言葉では言い表せないくらい舞妓さんに魅了された素敵な時間でした。 最後には舞を披露していただき、一層場が華やぎ、たっぷり2時間近く楽しませてもらしました。
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 そんな華やかな世界とは反対に、次は建仁寺で写経。冬の空気に包まれたお寺の本堂で先ほどの楽しい時間をかみ締めながら、 気がつけば無心に筆を走らせ約40分過ぎていました。寒いながらも集中し身が引き締まる時間でした。その後雲龍図などガイドの 北田さんの分かりやすい説明を聞きながら、無事京都駅到着。スケジュール管理もバッチリだった北田さんは、とても頼もしいガイドぶりでさすがは 文学部が誇る現役学生です。(今日一日のご案内、ご苦労様でした。)
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 今回のBツアーは女性の参加者や遠方からの参加者多いのが特徴的でした。 また昨年卒業されたばかりの若手校友の参加も数名みられ、幅広い年代の方にご支持いただけた「京のおもてなし」プランでした。 団体ツアーや個人ではなかなか行けないこだわりの場所を回巡り、少し豪華なお昼も頂き冬の京都を堪能した、充実した一日でした。 まだ1回目の文たびツアーです。また来年・再来年と校友の方にご参加いただき文学部校友会の恒例イベントとなる土台作りができたと思います。 ぜひ来年のご参加をお待ちしております。
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