館長さんより

館長さんより

 館長のモンテ・カセムです。
 皆さんの住む地球は、さまざまな国の人々が交流し、政治や経済の出来事もすぐに情報が伝わり影響しあっています。学校、児童・生徒の国際交流の取り組みもふえて、お互いの友好も深まっています。
 一方では国と国の対立や、国の中での民族同士のいがみ合いもなくなっていません。戦争ではなくても、1500万人も飢え死にしていますし、今世界には、学校に行きたくても行けない子どもたちが約1億数千万人います。また地球規模の環境破壊がおこり、また医療を受けられない人たちも大勢います。地球人類にとっての平和はまだ達成されていません。
また「核兵器のない世界」をめざす声も大きくなって、国際会議でも核兵器を減らす取り決めはなされましたが、まだ「核兵器廃絶」は世界共通の合意にはなっていません。さらに今回の「東日本大震災」に伴う福島原子力発電所の深刻な事態によって、「原子力の平和利用」のあり方も不十分であることがはっきりしました。
 こうした地球人類が解決しなければならない諸問題を解決し、世界の人々が互いに繁栄して、安心して暮らせる地球にしていくことをめざし、一人一人が「平和な社会を創り出す」ために何が出来るかを考え、行動する人間になることが大切です。
 そのためには、まず歴史をしっかりと学んでください。戦争などの「平和を損なう」ことが起こった過去の事実をしっかりと理解してください。そして「なぜそのようなことが起きたのか」を勉強してください。その上で、平和な地球をつくっていくためには、自分とは異なる地域や国の人々との考え方や生活習慣、宗教や文化の違いを理解することが大切です。
 私が前にいた大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学では、世界の約80カ国からの国際学生(留学生)と日本人学生が共に学んでいます。生きてきた国によって、歴史や政治のあり方、宗教や考え方に違いのある学生たちが、一緒に勉強し、学生生活をおくりながら、世界の戦争や紛争、また平和のあり方について話し合い、お互いを理解しあいつつ、自分の将来の生き方を考えています。皆さんが将来やりたい仕事や分野を考えるときに、日本だけなく、世界の人々とどう付き合っていくかが重要な時代となってきています。
これからは皆さんの活躍する時代です。 皆さんは、将来に夢を持って勉強していると思いますが、将来どんな分野に進むにせよ、地球や社会の中で役割を持って生きていくことになります。そのために世界が今どうなっているのかについての新しい発見を、この立命館大学国際平和ミュージアムで見つけて欲しいと願っています。

2015年4月


モンテ カセムさん

モンテカセムさん

1947年にスリランカで生まれ、日本に住んで40年余りたちました。これまで立命館アジア太平洋大学の学長をつとめ、現在は、立命館理事補佐、2012年4月から国際平和ミュージアム館長になりました。
「戦争がなければ平和でしょうか?」の問いに、平和をどうつくるか、みんなで考え、行動していきましょう!