2005年 京都薬科大学 薬学部 薬学科 卒業 2007年 京都薬科大学大学院 薬学研究科 臨床薬学専攻修士課程 修了 2015年 滋賀医科大学大学院 医学系研究科 再生・腫瘍解析系専攻博士課程 修了 博士(医学)
両親が薬剤師であったこともあり、自ずと薬学部に進みました。病院に勤めていた父親の部屋の本棚に並んでいた本の表紙にあった「臨床」という言葉に不思議と惹かれて、臨床で働く薬剤師を志しました。また医師との共同研究にも興味があったため、研究の環境が整っている大学病院薬剤部の門を叩きました。臨床業務に携わるなかで、薬効・副作用の予測に難渋することがあり、薬学の専門家として科学的な側面からも薬物治療を支援する必要があると感じました。そこで臨床研究のイロハを腰を据えて学ぼうと思い、上司からの勧めもあり、社会人として大学院博士課程に進学しました。日中は臨床業務をおこなって、業務が終わってから、実験をしたり、論文を執筆したりとハードな生活でしたが、今振り返れば最も充実した期間だったと思います。学位を取得してからは、自ら研究テーマを決めて、臨床研究を実践しています。得られた結果を科学的に考察し、研究成果を社会に輩出することは責任感を伴うやりがいのある仕事です。
臨床的疑問の解決を目指した医療薬学研究
・薬物動態・薬理遺伝学的手法を用いて、薬物の効果・副作用の発現を早期に予測するバイオマーカーを明らかにし、オーダーメイドの薬物療法を構築する。 ・医療機関・薬局と共同して地域に根差した医療薬学研究を実践する。
医療現場のなかで生じた臨床的疑問を解決するために、あらゆる科学的なアプローチを駆使して、医療のアウトカムを改善できるような医療薬学的研究を行っていきたいと思っています。また、本学薬学部は滋賀県内唯一の薬学部であり、県内の病院・薬局と連携して研究を実施できる環境であると考えています。学生さんとともに滋賀県内での医療薬学研究の発展に尽力していきたいです。
自らの可能性をどんどん拡げていって欲しい
学生さんは大学のなかで多くの時間がありますので、いろんな分野に興味を持って、積極的に様々な経験を積んでください。そして本学薬学部の理念である「Beyond the border of potential」にあるように、自立性、感受性を育んでいって、自らの可能性をどんどん拡げていって欲しいです。 「調剤学・医薬品情報学」の講義では、薬剤師・薬学研究者として必要な基本知識はもちろんのこと、これまで培った16年間の臨床経験のエッセンスを凝縮した内容を盛り込んで、医療薬学の醍醐味・楽しさを伝えていきます。 研究室では、臨床的な疑問に応じた医療薬学分野に関する課題を設定して、その成果を社会に発信できることを目的としています。これらの経験を通して、社会に貢献できる薬剤師・薬学研究者の育成に努めます。