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教員紹介

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上島 智 上島 智
上島 智
准教授
Satoshi Ueshima
所属学科
薬学科
研究室
医療薬学2研究室
専門分野
医療薬学系
学位
博士(薬学)

経歴概要

出身大学院・出身大学他

2002 大阪薬科大学薬学部薬学科 卒業 2004 京都薬科大学大学院薬学研究科薬学専攻博士課程前期課程 修了 2009 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科創薬生命科学専攻博士課程後期課程 修了

研究者になったきっかけ

研究者になったきっかけ

私が大学病院に薬剤師として勤務していたころ、患者の病状や薬物の治療効果、そして副作用の発現の頻度はひとりひとりで大きく異なること、患者に薬物治療を提供するためには、患者の病状を把握しつつ薬物の種類や投与量、そして投与方法を調節する必要があることを実感しました。 私は薬剤師業務に携わりつつ、臨床における薬物療法上の問題点を母集団薬物動態解析や多変量解析などの統計学的手法を駆使して、薬物の体内動態の変動要因や、体内動態と副作用発現との関連解析に従事することができました。また、研究で得られた知見を診療科の医師に提供し、学術論文として公表するなど、薬物の適正使用を支援するための情報を発信できました。 このような大学病院での勤務で培った貴重な経験を踏まえ、研究に対する好奇心が強くなったと同時に、研究面から薬物療法や医療の質の向上に微力ながら貢献していきたいと考えるようになり、研究者の道に足を踏み入れました。

研究について

研究分野・テーマ

個別化薬物療法を指向した薬物動態と薬効に関する速度論的解析

薬物の体内動態がその有効性や安全性と密接に関係するという考えに基づいて、薬物動態や薬効・副作用の変動要因を解明し、個々の患者に最適な薬物投与設計法の構築を目指した基礎研究と臨床研究を並行して展開しております。

研究テーマへの想い

臨床で使用されている薬物の有効性や安全性は、開発段階における臨床試験結果によって担保されています。 臨床試験は主に健康なボランティアや併用薬の有無などの条件を満たした患者さんを対象に行われますが、臨床では多様な背景を持つ患者さんに対して薬物を使用するため、併用薬との薬物間相互作用や合併している疾患などを薬物動態や薬効の変動要因として考慮する必要があります。 そこで、私は非ビタミンK拮抗型経口抗凝固薬など副作用の発現頻度が高い薬物に着目し、薬物動態解析や薬物動態・薬効に関連する因子 (薬物トランスポーター、代謝酵素など) の遺伝子解析を実施し、患者集団における薬物動態・薬効特性とそれらの変動要因について医療機関との共同研究により解明していきます。 また、培養細胞やヒト組織由来のミクロソームなどを用いて、薬物体内動態に及ぼす薬物トランスポーターや代謝酵素の機能や発現量の影響を解析することで、臨床研究結果の科学的妥当性を評価していきます。このように、基礎と臨床研究を融合し展開していくことで、個々の患者さんに最適な薬物投与設計方法の確立に必要な情報を提供していきたいと考えております。

学生へのメッセージ

上島 智 学生へのメッセージ 上島 智 学生へのメッセージ

学業を通じて地道に努力を積み重ねていくことの大切さを実感してください

今日の薬剤師は、医師の処方内容を監査し患者に服薬指導を実施することに止まらず、医師や看護師など他の医療スタッフと協同で薬物療法の安全性と有効性を確保するために、薬剤の投与量や投与方法、副作用の有無のなどを確認し、処方提案・設計に対して積極的に実施・介入していくことが要求されています。 薬剤師がこのような要求に応えていくためには、最新の薬物療法に係る情報を収集する能力や、薬学的観点から現状の薬物療法上の問題点を抽出し、順序立てて解決策を考えていく能力を培っていかなくてはなりません。皆さんが学生時代にできることは限られていると思いますが、先ずは学業を通じて地道に努力を積み重ねていくことの大切さを実感して下さい。 そして、身に付けた知識を基に、研究活動においては課題に関する問題点を整理し、解決するための実験方法を立案し、得られた結果を考察することを習慣付けて下さい。一見地味に思えるこれらの作業を繰り返すことで、薬剤師になるための土台を築くことができます。また、今までにお世話になった多くの方々や、将来出合うであろう同僚達との縁を大事にしながら、有意義な学生生活を送って下さい。

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