2007年 北陸大学 薬学部 卒業 2009年 昭和大学大学院 薬学研究科 薬学専攻 博士前期課程修了 2013年 千葉大学大学院 医学薬学府 博士後期課程 修了
小さいころからよく「何故だろう?」という疑問を持つ子供でした。また、いろんな友人から「君の話はおもしろい。そんな視点で物事を考えたことがなかった」と言われました。そんな子供の時代から何となく、研究者に必要な人と違った発想は持っていた気がします。それから時が経ち、大学院博士課程で初めて自分の筆頭著者の論文がアクセプトされた時に、何度もトライ アンド エラーを繰り返した実験の結果が形として世の中に残っていくことに感動したことを今でも覚えています。その頃から研究者を職業として意識しはじめ、今に至ります。
分化・発達に関連した遺伝子の機能解析
先天性の小児稀少疾患であるPrader-Willi症候群(PWS)患者由来のiPS細胞を用い、神経・脂肪細胞への分化を行う。第15番染色体の遺伝子を広範囲に欠損し、全身性の症状が出るPWSにおける病態の解明を行う。
稀少疾患の研究者は、人口的に少なく、メジャーな病態に比較し、研究の進みは遅いです。しかし、患者さんは実際に存在し、PWSは日本においても指定難病対象疾患に選ばれています。何かPWSにおける治療のヒントになるような研究ができないかと模索していきたいです。そして、アンメットメディカルニーズに応えるような創薬開発の研究へと発展させ、社会貢献したいと考えています。
学生へのメッセージ
薬学の面白さは、分野の多様性にあると思います。物理もあれば、薬剤、薬理、統計、生物等色んな分野が集合して薬学となっており、他にはないと思います。それだけ多くのことを学べる環境にあるのだから、学生の皆さんも講義、実習、研究を楽しんで欲しいと思っております。本音を言うと、僕も薬学部出身なので、レポート課題の多さ、テストの多さで学生時代は何て学部に来てしまったのだと思ったことはありますが (笑。 研究を通して得られることは多く、将来研究に携わらない職業へ就いたとしても、きっと役に立つはずです。何故こうなる?という疑問点を見つけ、実験でそれを証明し、結果を考察するということは、例えば、臨床の場でもきっと役に立つと思います。大学や研究室は楽しいだけの場ではありませんが、将来的に立命館大学の薬学部出身でよかったと思ってもらえれば幸いです。