・2015 立命館大学 薬学部 卒業 ・2019 立命館大学大学院 薬学研究科 薬学専攻 博士課程 修了
中学生・高校生くらいの頃から、物理などの現象を一般的な理論で説明出来ることに興味をもっていました。それと同時に、臨床的な観点から医療に貢献したいという気持ちがあり、医療系の学部への進学を志していました。研究をしていきたいと考えた決め手は、薬学部に進学して、学部5年生の時に受けた医療現場での実務実習でした。そこでは多くの患者さんが副作用や治療効果の不満などに悩まされていました。私は、基礎研究を進めることで疾患の根本的な理解を深め、臨床研究への橋渡しとなるような解析の意義を強く感じました。
上皮組織における膜タンパク質や細胞の機能調節に関わる分子の機能解析
腎臓をはじめとする臓器において、in vivo、in vitroの実験系を用いて、生体内でトランスポーターやチャネルなどを介して行われる生理機能の調節メカニズムを解析しています。
上皮組織では、物質の喪失や侵入を防ぐことや、逆に積極的に輸送することで生体の調節が行われています。 生体内ではそのような機構を維持するために、様々なタンパク質が機能的に関連しあって生理現象のバランスを保っています。しかし、あるタンパク質の発現や分布がひとたび変わってしまうと、上手く調節できずに疾患を引き起こしてしまうことがあります。 そのような原因につながる分子を突き止め、将来的には、未だ治療法が確立していない疾患や、治療法はあってもQOLを維持できない疾患に対して、よりよい治療法の開発の基盤になるような研究ができればと考えています。
これから社会に向けて羽ばたいていく皆さんには、是非広い視野をもって活躍していって欲しいと思います
私自身まだまだ未熟なところも多いですが、生命現象の解明から新規の治療薬・治療法の開発における着想を与えるといった基礎研究の意義と魅力を伝えていければと考えています。 薬学部では、薬や体の仕組みを理解するために、化学や生物学に関わる様々な学問を学びます。それに留まらず、医療現場で必要となる臨床に関わる学習もします。これほど多岐にわたる分野について学ぶ学部は多くないと思うので、これから社会に向けて羽ばたいていく皆さんには、是非広い視野をもって活躍していって欲しいと思います。研究や実験実習、講義を通じて、そのための手助けができればと考えています。