RITSUMEIKAN 立命館大学



バックナンバー


▼▼



▼▼輝く学生インタビュー▼ ▼

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  第208回 輝く学生インタビュー
         海のサスティナビリティを考える商品開発
       食マネジメント学部 荒木さん、杉邨さん、藤光さん
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このコーナーでは、立命館でいまを精一杯頑張り、輝いている学生や団体を紹介します。今回ご紹介するのは、食マネジメント学部2回生の荒木香乃さん(大阪府出身)、杉邨明日香さん(京都府出身)、藤光真愛美さん(佐賀県出身)の3人です。3人は株式会社平和堂*協力のもと、サステナビリティを考えながら健康で美味しい食事をするために「具だくさん海老玄米ドリア」を商品化し、平和堂各店で販売されていました。活動のきっかけや、活動を通しての気づき、今後挑戦したいことなどをお伺いしました。
 rclub/image20230330 d_int01 rclub/image20230330 d_int02
*株式会社平和堂と立命館大学食マネジメント学部は2018年12月19日に「食に関する教育・研究活動の推進」を目的に連携協定を締結しています。

Q.活動について教えてください。
【荒木】
2回生の春学期に履修していた授業の中で、株式会社ニチレイフレッシュの方がゲストスピーカーとして来てくださった回がありました。「生命の森プロジェクト*」についてご講義いただいたのですが、元々サステナビリティに興味を抱いていた私にとって、記憶に残る授業になりました。講義の中では大それたことでなくとも、プロジェクトの元で育てられた海老を買うことが、海のサステナビリティへ貢献することを知りました。その学びを多くの人に知ってもらいたいと考え、授業を担当している小沢道紀教授に相談し、平和堂さんと繋いでいただくことができました。今回の活動では、毎日行う「食事」を通して、サステナビリティに更に関心を持つきっかけとなるような商品の開発を意識しました。

【杉邨】
商品開発を考え始めた際には、サステナビリティというキーワードだけを意識していました。しかし、平和堂の方々と打ち合わせを進める中で、「サステナビリティだけではお客様には響かず、商品を手に取ってもらえない」ことをご助言いただきました。そこで、もう一つの商品コンセプトとして「健康で美味しい」というキーワードを決めました。そして、平和堂の方々との毎回のミーティングの中で出る課題を、3人で話し合いながら少しずつ解決し商品化を進めることができました。

【藤光】
「健康で美味しい」という2つ目のキーワードを決めた後に、活動のきっかけとなった海老を使ってどのような商品を開発するのかを考え、多くの候補をあげました。その中で、ご飯とおかずが一緒になっていて、お手軽にタンパク質を摂りながら、栄養バランスを意識できるドリアが複数の候補の中から選びました。検討を進める中で、これまでの講義で学んできた栄養学やマーケティングを活用することができたと実感しました。
rclub/image20230330 d_int03
*生命の森プロジェクト:環境への配慮と持続的な素材調達を目指して発足したニチレイフレッシュのプロジェクト。海老の粗放養殖を通じ、収益の一部をインドネシア/カリマンタン島での
マングローブの植林活動に充てている。

Q.活動を通して難しかったことや、学んだことを教えてください。
【杉邨】
平和堂の方々と打合せを始めた頃は、遠慮をしてしまい、自分の意見を伝えられないことが多く辛かったことを覚えています。「何でも言っていい」と言われましたが、どのような言い方をすれば伝わるのかが分からず苦労しました。本当に好意的で想像以上に協力していただいていたにも関わらず、自分の意見をまとめて、うまく伝えられなかったことを後悔しています。もっと積極的に伝えられていれば、社員の方々からもっと意見を出していただけたのではないかと思っています。この経験から、打合せへの臨み方や事前準備の必要性を学べました。

また、店頭販売をさせていただいた際には、お客様に「すごいことをしているんだから、もっと自信を持って声をかけていかないと!」と厳しくも優しい声をかけていただき、恥ずかしからずに自分から発信をすることの重要性にも気づけました。

【荒木】
杉邨さんと同様に、初めは遠慮してしまい積極的に発言できませんでした。しかし、小沢先生からアドバイスをいただき、打ち合わせ毎に目標を立て実行することで、少しずつ考えを伝えられるようになっていきました。

活動全体を通して、相手の立場に立つことや、寄り添うことの重要性にも気づけました。私は海のサステナビリティに興味を持っていますが、それだけをキーワードに商品を開発しても、他人には響きにくいことを知りました。今後の活動では、より広い視野を持ち、多くの方々に反応してもらえる環境作りを意識したいと考えています。

また、今回の活動は自分自身で声を上げたことでスタートし、商品開発にまで進み大変貴重な時間を過ごすことができました。この経験から、興味があることには積極的に声を上げ挑戦することの重要性について知り、ガッツを身に着けることができたと感じています。

【藤光】
最初は、緊張している上に、商品開発の進め方も分からない素人だからと萎縮してしまい、発言を躊躇することがありました。それでも、平和堂の方々や関わってくださった方々が本当に優しく、話しやすい雰囲気作りをしてくださったおかげで、商品への自分の意見や想いを伝えられるようになりました。次回以降は、経験を活かして率先して自分の意見を伝えられればと思います。

店頭に立たせていただいた際には、「立命館の学生ってこんなこともしているんだ」とお褒めの声をたくさんかけていただきました。逆に厳しいご意見をいただくこともありましたが、自分が持てていなかった視点に気づかせていただき、商品開発をする際に意識しなければならないポイントを知ることができました。
rclub/image20230330 d_int04 rclub/image20230330 d_int05
rclub/image20230330 d_int06 rclub/image20230330 d_int07
Q.今後取り組んでいきたいことを教えてください。
【杉邨】
地域創生に興味を持っています。趣味のドライブをする中で色々な道の駅に立ち寄ります。そこには魅力的な商品などがたくさんあります。ただ、どうしても車を使わないと訪れることができないため、その魅力に気づいている人が多くないように感じています。したがって、まずはその魅力を知ってもらい、そこから行きたいと思ってもらえるような環境作りを考えていきたいと思っています。

【藤光】
地方の活性化に強い関心があります。大学の友人に、私の出身地である佐賀の名物を聞かれても、地元でしか知られていないものが多く、うまく答えられずもどかしい思いをすることが何度もありました。佐賀には魅力のある食材がたくさんあるのにも関わらず、あまり県外の方に知られていないので、その食材を活かした地域活性化や魅力の発信に関わる活動をしてみたいと考えています。

【荒木】
今回の活動を通して、例えば海のサステナビリティの重要性を伝えたいと思っても、それだけでは元々興味を持っている人にしか響きにくいことを知りました。また、お客様から商品に対するリアルな声も聞くことができました。したがって、一つの視点から物事を捉えるのではなく、良い面に加え課題点にも着目するなど、多面的な視点で考えていく手法を身につけて行きたいと思います。また、知れば知るほど奥深く、興味深い「食」の世界について知り、考え、自分の世界?価値観?考え方を広げていきたいです。

~~~
今回の活動では、自身の意見を上手く伝えられないという苦い経験をしたと3人からお聞きしました。しかし、これまでの学びをどうすれば社会に還元できるかをご経験され、今後の活動への期待が膨らんでいる様子も感じられました。残り2年間の大学生活がより充実したものになることを期待しています。


▼▼編集後記▼ ▼

今回は、立命館大学食マネジメント学部の小沢道紀教授(経営学部1997年卒・千葉県出身)をご紹介します。小沢教授はご自身の研究を進めながら、学生の教育にも大変力をいれられています。授業はもちろんのこと、今回の「輝く学生インタビュー」で紹介した3名の学生のように、学びを実践するための課外活動へも多数携わられています。大学教員としての学生との関わり方についてお伺いしました。
rclub/image20230330 f_kouki01 
~~~
1993年に立命館大学経営学部に入学し、立命館で修士(経営学)の学位を取得、経営学研究科博士課程後期課程で研究を進め、そのまま母校の立命館大学で専任講師として働き始めました。そこからは、研究を進めながら、スポーツ健康科学部および食マネジメント学部の設置などに関わってきました。学生時代を含めて30年近く立命館にいることもあり、様々な議論が進み、大学が変わっていく様子を見てきました。私自身が2023年4月に入学する娘を持つ親でもあり、学生や父母が支払っている学費の重みもよく理解していますので、正課かどうかに関わらず学生に対しては、いかに成長してもらえるかを第一に考えて、積極的に接しています。挑戦したい“何か”を持った学生に対して活動のきっかけを示し、また様々なプロジェクトを提案し、学生が自主的に参加して成長できる環境を作っています。
 
食マネジメント学部の学生は、興味があることに対して、大変積極的に参加をしてくれます。単位も評価も関係なく、どこへでも行きたいという学生が多いように感じています。2021年度には、コロナ禍の最中でしたが、滋賀県にある農業公園の「ブルーメの丘」とのプロジェクトにも積極的に参加してくれました。また最近も、3月15日から17日まで資源エネルギー庁が主催する「福島での食の安全に関する実地研修」を実施しました。東京までの交通費は学生自身が負担することになっていたのですが、19名もの学生が参加しました。このような仕掛けを作った際に、関わりたいと声をあげる学生が多いのは、食マネジメント学部の設置当初から、学生が自ら行う積極的な活動も含め、教員と学生が共に積極的に社会で活動する文化を作り上げてきたからだと思っています。
rclub/image20230330 f_kouki02 rclub/image20230330 f_kouki04
この文化の土台には、食マネジメント学部が独自で実施しているAO入試があると確信しています。AO入試で入学した学生は、入学試験において大学生活で取り組みたい活動をプレゼンし、入学後に周りの学生を巻き込みながら実現していっています。また、その様子を見た学生が触発され、積極的に動くきっかけとなっています。AO入試で入学した学生が周りの学生の見本やきっかけとなり、挑戦をしていく文化が学生によって作り上げられているのです。
 
学生にとっては教室で受ける授業で知識は取得できますが、その知識がどのように実社会で役立つのかわからないことが多く、積極的に学ぶ意欲を持ち切れていない学生が多いと思います。自分が教室で学んだ知識が実社会で使える知識であると感じさえすれば、教室での学びに積極的になり、知識を得ることが楽しく感じていくと思います。そこで、授業で学んでいることが実際にどのように役立つかを、学生自身が体験することが重要だと考えています。今後もそういった機会をより多く作り、学生が取り組んでみたいことを実現する手助けをしていければと考えています。
 
学生との関わり方としては、何か不測の事態があった時に、最後に責任を取る存在としていることを意識しています。そのような存在がいることで、学生は安心して活動に取り組めます。そしてまた、学生に指示を出すのではなく、必要な時に必要なヒントとなるような助言ができる存在であることも意識しています。学生にとって、悩んでいる時に自分で頑張れと言われるのではなく、いつでも支援してくれる存在があるだけで、学生がどれだけ積極的に動けるかが変わります。そこで、学生を信じて、何かあれば手助けをする、ある意味”父親”のような立ち位置にいるようにしています。
rclub/image20230330 f_kouki05
今の学生たちの将来は、日本自体が活気のない厳しい時代を生きていくことになる可能性が高いと思います。ただ、それに対して、私自身も変化の波を起こそうとしていきますが、その社会の中で生きて次の社会を作っていくのは学生たち自身になります。そこで、学生たちが、自分たちが過ごしやすい社会を作り、自分たちが希望する生き方で生きていくことができる力を、少しでも大学生活の間に培ってくれることを期待しています。
 
~~~
学生の成長を第一に考えながら、日々研究と並行して学生と接している小沢先生。取材の中で、「学生と色々やっていると私も元気をもらえるんです。若返りの妙薬です。」と笑顔でおっしゃっていたのが印象的でした。
(立命館CLUB事務局)



▼▼第242号読者プレゼント▼▼

今回は、「立命館グッズ クルトガシャープペンシル」3名様にプレゼントします。
rclub/image20230330 epresent01
プレゼントをご希望の方は、下記URLよりお申し込みください。
なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします。

 <応募締切:4/24(月)>

【携帯電話の方はコチラ】

 ※上記フォームがご利用できない場合は、下記必要事項を明記のうえ、
  立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。

 応募先:立命館CLUB事務局(rclub@st.ritsumei.ac.jp)
 応募必要事項
 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: 
 (3)電話: (4)今回のメルマガ内容に関する感想:
 (5)プレゼント発表時の氏名公開:可  否
  (否の場合はイニシャルで表記いたします。
   ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。)

▼第241号読プレ当選発表▼
多数のご応募ありがとうございました。241号の読者プレゼント(立命館グッズ アルミボトル)の当選者発表です。
プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。

・やっちゃんさん(大阪府)・とらさん(静岡県)・M・Rさん(広島県)

次回のご応募もお待ちしています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次回の配信は第4金曜日の4月28日(金)です。お楽しみに。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆バックナンバー
https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/magazine/
◆立命館CLUBホームページ
https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/
◆立命館大学ホームページ
https://www.ritsumei.ac.jp/
◆配信先の変更・解除
https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-meljr-a849c83c0a4b477a2a6d631dde627b2
[注意]
※リンク先は、時間の経過と共に変更・消去されることがあります。
 ご了承ください。
※メールマガジンを転載、その他の利用によって生じる事象につい
 て、立命館大学では一切の責任を持ちません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■ 発行:立命館大学立命館CLUB事務局
■■ 〒604?8520京都市中京区西ノ京朱雀町1番地
■■ TEL:075?813?8118
■■ FAX:075?813?8119
■■ ご意見、お問い合わせなどは、下記までお願いいたします。
■■ メール rclub@st.ritsumei.ac.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


前のページにもどる
バックナンバー一覧へ




立命館CLUBとは

最新号バックナンバー

会員登録

よくあるご質問

お問い合わせ

↑ トップページ


 © Ritsumeikan Univ. All rights reserved.