国を越えたビジネスが展開される現代、各国で知的財産権に関わる争いが増えています。しかしそれらの解決手段として、訴訟が必ずしも最善であるとはいえません。知的財産権の保証範囲は各国に限られるため、国ごとに裁判を起こす必要があり、訴訟が長期化したり莫大な費用がかかったりするからです。
とはいえ、知的財産紛争において、調停のような裁判外の解決手段は十分に活用されてはいないのが現状です。
そもそも判例を重視し裁判の結果から新たなルールを作っていこうというイギリス法と、あらかじめ複雑な法体系がありそれに従って現実の争いを解決しようというフランス法という、根本的に異なる法体系が混在しています。
それぞれの違いを明らかしたうえで、知的財産法に調停制度を組み入れる方法を考えることが重要になってきています。
例えばAIが生み出した知的財産権は誰にあるでしょうか。今ある法律では扱いきれない問題が起こった時、訴訟では解決できない争いが益々増えていきます。テクノロジーの発達スピードに法律が追いついていない今、調停制度はなくてはならないものになっていくでしょう。