世界の水環境をが救う

#101
理工学部 教授惣田 訓

 水環境の汚染は、日本を含め世界中の大きな問題です。水をにするには、物理作用や化学反応、生物反応を活用する方法があります。中でも、や植物の自浄作用を利用する方法は、時間はかかりますが、エネルギーやコスト、環境への負担が少なく、自然の摂理にもとづく理想的なものです。

 この研究では、人工湿を活用したの処理技術を開発しています。人工湿地とは、水を綺麗にする微生物や植物を生息させ、廃水を処理するためにデザインされた湿地です。日本には、されて使われなくなった鉱山が100カ所以上もあり、今も廃水が流れ出し続けています。その廃水に含まれる有害な金属を除去するには、どんな生物の力が有効なのかを調べる実験を行っています。
他にも、アナモックス細菌と呼ばれる微生物によって都市下水を綺麗にする方法や、水生ミミズにという廃棄物を食べさせて減量化する方法、ダックウィードと呼ばれる浮き草を使って畜産廃水を処理する方法について研究しています。

 世界には、廃水処理の施設が十分にない国も沢山あります。限られた資源とエネルギーのもと、生物の力を活用した環境に優しい廃水処理技術を開発し、世界の人々の役に立てるための研究を続けています。

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