• [+R な人] 映画「京都太秦物語」で監督助手を務める/古寺綾香さん

  • 2010年4月02日更新

京都、太秦をめぐる冒険

古寺綾香さん(映像学部4回生)
立命館大学・松竹株式会社共同製作映画「京都太秦物語」で監督助手を務める。

「映像に関わりたいのなら日本の名監督の作品を観ておきなさい」。高校生の時に先生からアドバイスを受けました。そこで出会った作品が山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」。この時、「私はこんなに大切なものに今まで出会ってなかったんだ」と言葉にならないほどの衝撃を受けました。今から思えば、この作品が山田監督との運命の出会い。入学後に山田塾に入り、「京都太秦物語」の制作に携わることになりました。

舞台となった「大映通り商店街」では、役者だけでなく地域の方もキャストの一人。ですが、自分たちのやりたい事を伝えるのは容易な事ではありませんでした。みなさんには「仕事」があります。一番大事なのはお客さん。「映画を撮るので協力して下さい」と言っても伝わる訳がありません。私たち学生は約1年半、商店街に通いました。山田監督は「表面」ではなく、その奥にある「日常」を大切にしていました。そこで、実際に店舗で仕事を手伝わせて頂いたり、一緒にご飯を食べたりすることで商店街のみなさんの日常を体験しました。商店街の方々の暮らしぶりも分かるように。自然とコミュニケーションも取れるようになっていました。

撮影スタッフの方々

そのうちに「学生が真剣に取り組んでいるんだから」と、みなさんが撮影に協力してくれるようになりました。私がお手伝いをさせていただいたお食事処のおばあちゃんからは、「あなたたちが映画を作らないといけない。かつての活気を取り戻してほしい」とメッセージをもらいました。撮影中は「おばあちゃんのため、商店街のみなさんのために作品を仕上げよう」という一心で取り組んでいました。ですが、完成するとやっぱり「より多くの人たちに観てもらいたい!」と思うようになりましたね。

この想いが届いたのか、「京都太秦物語」が、ベルリン国際映画祭で上映されることになり、私もレッドカーペットを歩くという夢のような体験をすることが出来ました。私たちが作り上げた作品を鑑賞している外国の方たちの表情は、今でも忘れることが出来ません。
これからも山田監督の作品に関わっていくことが運命だと感じています。

山田監督と古寺綾香さん

  • 取材・文
  • 犬塚直希(経済学部4回生)

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