好きなことを追求する楽しさ
今村悠樹さん(理工学研究科博士課程前期課程2回生)Ritsumei Racing(内燃機関研究会)に所属2012年4月より本田技研工業株式会社に勤務予定
僕が学生生活を振り返って、一番印象に残っていること、それは「全日本学生フォーミュラ大会」に出場したことですね。みなさんは「フォーミュラ」に、なかなかなじみがないかもしれませんが、例えていうのならF1のような車です。この大会は、学生が自作のフォーミュラカーを持ち寄り、競技や設計審査を通じて、ものづくりの技術を競う大会です。
僕は小さい頃から自動車レースを見るのが好きで、車について深く学びたいという思いから理工学部に入りました。そして,サークルも車に関わるサークルに入りたいと考えていました.そんな時、「フォーミュラカーを作りませんか?」という内燃機関研究会の広告を見つけて、衝撃を受けました。まさか,自分で車を作れるとは思っていなかったからです。本当にそんなことができるのか、と疑いつつ、すぐに見学を申し込みました。
研究会に出会うまでの僕は、市販車を改造して自動車レースに出ようと考えていて、見学の際にもその思いを捨てきれずにいました。しかし、部の先輩に「ユーザーのままでいいのか?作る側になりたくはないのか?」と問いかけられた事をきっかけに、自分は作りたい方なのだということを自覚しました。その瞬間に迷いはふっきれ、活動にのめりこみましたね。自分のやりたいことを気づかせてくれた先輩には、今でも感謝をしています。
車が完成するまで、長い時間を費やしたり、作業で油まみれになったりもします。地道な作業の連続ですし、正直にいえば楽しくない時もあります。でも、自分が作った車に乗れる感動はやっぱり忘れられません。信じられないスピードがでるのも魅力の一つですね。今は卒業に向けて、自動車用の燃料電池の研究にも取り組んでいます。
車は僕にとっての「コミュニケーションツール」。従来のモビリティをコミュニケーションツールという観点から徹底的に見直して、新しいモビリティの形を追求したいです。従来の形にこだわることなく、人とコミュニケーションをとりたくなるような新しい車を作ることができればと思っています。また自動車だけでなく、「乗り物」全般についてもっと関心をもち、そのコミュニティに属する人たちと関わって、自分の知見と人脈を広げていきたいと思います。
キャンパスに行くと、自然と車好きの人たちが集まるので、みんなで車の話ばかりしています。それが本当に楽しいんです。そういう意味では、大学はリアルなコミュニティサイトなんだなだと感じますね。