‘たけのこ’と‘スイーツ’で町おこし!
藤井祥平さん(経済学部3回生)、大西雷太さん(経営学部3回生)
経営学部 八重樫ゼミに所属京都府向日市の名産であるタケノコを使った料理とスイーツで地元をPR!!
私たちの出身地、京都府向日市。向日市は激辛商店街があることで全国的にも知られています。しかし、激辛ものよりもっと馴染みがある名産があります。それは「たけのこ」です。このことは年配の方やお年寄りの方には広く知られていますが、僕たちのような若者はほとんど知りません。若い世代に名産であるたけのこを通じて、向日市のことを広く知ってもらいたい。そんな思いから、私たちの活動は始まりました。
知名度を上げるには「インパクト」が必要です。ただたけのこを料理するだけではおもしろくない。若者にウケて、インパクトを与えられるたけのこ料理とはいったい何なのか、と私たちは考えました。やがて、私たちはあるものをひらめきました。それは、たけのこスイーツです。たけのこを使ったスイーツなんて聞いたことがない。そう思い、私たちはさまざまなたけのこスイーツに取り組んでいくことにしました。
しかし、たけのこスイーツといっても何を作ればいいのかわかりません。まず、たけのこの性質について学ぶため、向日市の市議会議員の方や、たけのこを扱う農家の方、お菓子屋さんを訪問しました。そこで、たけのこを使ったスイーツを作りたいという思いをぶつけたのですが、最初はどの方からも前向きな意見をもらえませんでした。たけのこは調理が難しく、そう簡単に素人に手がだせる代物ではないからと。
しかし、向日市のたけのこは甘みが強くジューシーだという性質を知り、私たちはますますたけのこスイーツを作りたくなりました。
農家の方々と話をしているうちに気づいたことがあります。それは、名産であるたけのこを多くの人に知ってもらいたいという気持ちは私たちと同じだということ。私たちの熱い思いをつたえているうちに、やがてみなさんが応援してくれるようになりました。
まずは、たけのこに合う食材を見つけるため、BKCと衣笠キャンパスでアンケートを実施。2日間の間で約260名の人に「たけのこに合うものは何か」という、さまざまな意見をもらいました。
そこでの一番人気はチョコレートでした。その結果を踏まえて、私たちはチョコレートとたけのこを組み合わせたスイーツを作りました。それがリアルたけのこの里です。原型のゆでたけのこに、チョコレートをコーティングするという、シンプルなスイーツです。見た目のインパクトは絶大でしたが、味はいまいちでした。
そのほかにも、たけのこを使ったみそ田楽、豚キムチ、たけのこアイスの他、たけのこ大福も作りました。これは、イチゴ大福のイチゴをたけのこに置き換えるというものです。こちらの方は味・インパクト共になかなか良かったのですが、あまりたけのこの味が感じられなかったのが少し残念でした。
ここにあげた料理やスイーツは、回答の多かったほんの一部です。料理も試食をするのも2人だけということもあり、全て作りきることができず、これが精一杯でした。
インパクトのあるたけのこスイーツが完成し、ぜひみんなに知ってもらいたいとフェイスブックを活用することに決めました。フェイスブックに私たちの作った料理のレシピと写真を掲載し、試食した感想などもつづっていきました。
掲載後、ページを見た友達から学校を歩いているときに声をかけられることもしばしば。私たちの活動を通して、ページを見た人がたけのこに興味を持ってくれた。そう思えた瞬間でした。
私たちは活動を始めた当初から考えていたことがあります。それは、大きなイベントに参加し、たけのこスイーツを販売したいということ。向日市には、激辛商店街で行われる「KARA‐1グランプリ」というイベントがあります。私たちも3店舗のお菓子屋さんの協力を得て、当日出店し、たけのこスイーツを一緒に販売させていただくことになりました。
最初はたけのこを広めたいという漠然とした思いからはじまりましたが、「KARA‐1グランプリ」でたけのこスイーツを販売し、より多くの人に手に取ってもらえるのはうれしいことですし、私たち自身もこの活動の集大成として、完全燃焼したいと思っています。
私たちはこの活動を通して大切なことを学びました。それは、地元の名産に目を向けると、地元を好きになるきっかけになるということ。あらためて地元の魅力を再発見できるようになりました。ぜひ、みなさんも地元の名産について、一度、目を向けてみてほしいと思います。
- 取材・文
- 藤本翔太(理工学部2回生)