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534 -  地域が自ら復興していくために私のできること

地域が自ら復興していくために私のできること

里見 容さん(産業社会学部4回生)
宮城県気仙沼市で復興支援に取り組む

  • No.534
  • 2013年6月28日更新
2006年、建設会社に勤務していた私は、知人の誘いをきっかけに休暇を利用してタイにあるミャンマー難民キャンプに訪れました。難民キャンプを訪れてみると、自分が想像していた環境とは異なり、医療や学校などの設備が整った暮らしの光景が広がっていました。なぜならそれは難民キャンプができてからすでに二十年以上も経っていたからでした。そこに暮らす人々は、難民キャンプの外に出ることが許されておらず、生まれてからずっと難民キャンプの中で育ってきた子どももいます。子どもたちが夢や希望を描いても、実現させる機会や場所がない状況でした。私の目に映った難民キャンプは、可能性が閉ざされた世界でした。

 

日本に帰国してから難民キャンプのことがしばらく頭から離れず、難民キャンプで見てきた光景と今の自分が置かれている環境を照らし合わせる日々を送っていると、私の置かれている状況は学びたいと思えば学べる環境があることに気づきました。それまで関心があった「社会学」について、「きちんと学んでみたい、一度しかない人生だからこそ挑戦したい」という気持ちが生まれ、大学に行くことを決めました。いま思えば、それは人生の転機だったように思います。

その後、高卒認定の資格取得から大学受験に向けて勉強した結果、2008年に産業社会学部に合格することができました。大学に入学して、社会学の授業の他、課外ではフェアトレード団体beleafの活動、カンボジアでのインターンシップなどに取り組みました。

そんな中、2011年3月11日に東日本大震災が起こりました。私はテレビを通して被害の状況を見ていましたが、「何か自分にできること、すべきことをしたい」という気持ちが生まれていました。何かできることはないかとインターネットを見ていると、以前に難民キャンプでお世話になった方が「シャンティ国際ボランティア会」で現地に入っていることを知りました。震災から一週間が経つか経たないかの頃でした。私も活動に参加するため同年4月に宮城県気仙沼市を訪れました。現地での活動は、避難所への物資の配送や入浴所への送迎バスの手配、仮設住宅の交流の場の提供、養殖ワカメの再開支援など、多岐にわたりました。

 

震災直後の活動では、戸惑うこともありました。私たちが避難所を訪れ、避難されていた方にお話を伺おうとした時のこと。ある方が冗談のようなことを言って明るく振舞ってくれたのです。自分はこの深刻な状況の中で笑っていいのかと思いました。それと同時に自分たちの訪問が被災された方に辛い心情に反して明るく振舞うという無理強いをしてしまっているのではないか、本当は自分たちの仕事は無い方がいいのではないかと考えることもありました。それからは、見た目の姿からは回復したようにみえる被災された方の心も、まだまだ傷が癒えていないということを意識して行動するように心がけています。

この活動を通じて、大学に入学することで知り得たことがたくさんあったのだと気づきました。それは、支援にあたり、地域の方々との話を円滑に進めていくために必要な物の見方や考え方など、大学での学びが活かされていると実感したからです。この活動に参加する上で、「自分は何のために活動しているのか」という問いを常に意識してきました。自分が「気仙沼に何ができたか」ということを振り返り、地域が自ら復興していくためにはどうすればよいのかを追求していきたいです。“復興”という言葉が先走りしていて“実際の復興”は、まだまだこれからだと感じています。だからこそ震災のこと、被災地のことを伝えていく必要があると思っています。これからも気仙沼でまちづくりの支援を続けながら、気仙沼のこと、東北のことを発信していければと思います。

 
  • 取材・文
  • 鈴木裕加(産業社会学部3回生)

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