オンリーワン技術で切り拓く、農業の未来
生命科学部生物工学科 久保 幹 教授
独自技術SOFIXで、土の健康状態の「見える化」に取り組む
私は、研究者はただ自分の興味分野を研究するのではなく、社会の役に立つ研究を行う必要があると考えています。所属する研究室においても「世の中に貢献できる研究を!」の観点から、産業界との共同研究や国家プロジェクトにも積極的に参加しています。また、みんなが研究している分野を追従するのではなく、誰もやっていなかった研究をする。ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指すことによって、解決が難しいと思われていた社会的課題に解決策を示し貢献することができます。このような研究のひとつとして、SOFIX(※)があるのです。
私はもともと環境微生物を専門として研究をしており、誰も取組んでいない領域、世の中に貢献できる領域を探し、農業分野の研究をはじめました。そしてSOFIXという技術にたどり着き、有機栽培による農作物の量と質の向上を実現しています。今後はこの技術を核に、日本の農業が抱える問題をどう解決していくかが課題となっています。
このための目標として私は、日本の食料自給率100%の達成を掲げております。日本は豊かな食文化を持つ一方、その食の生産の多くを海外に頼っています。産官学と農業が連携することによる産業化の推進や、循環型農業による地産地消モデルの具現化を通して国内の農業に活力を与え、目標達成へ近づくことができると考えています。この第一歩としてまずは滋賀県守山市の食料自給率100%を達成させます。成功モデルをつくり全国に広めていくことで日本各地の地産地消を推進し、国としての自給率100%を達成することも夢ではないと思っています。
同時にSOFIXを日本の標準技術にすることも急務であると考えています。今までは経験や勘に頼る面が強かった有機農法をSOFIXで数値化し工学的にすることで、農家は安全な農作物を安定的に生産することができます。また安定的な生産が可能となることで、企業の農業参入もより容易になり、新たなビジネスチャンスを生み出します。全国への普及を推進するために診断方法をマニュアル化、簡易診断キットも開発してさらなる技術の伝播に繋げていきたいと考えています。
将来的には世界の食の問題も解決していきたいと思っています。世界的にはさらなる人口の増加、食料不足が懸念されており、食に携わる農業技術は日本のみならず各国共通の関心・問題です。上海では既にSOFIXを、日本独自の有機農法「日式農法」として発表をしています。化学肥料の多用が問題となっている中国において、SOFIXを使った有機栽培は注目を集めつつあります。今後もアメリカや台湾、コンゴなどに出向きSOFIX技術の紹介、活用機会の検討を進める予定です。
社会が抱える問題を解決し、世界を少しでもよりよく変革するために。これからも世の中に貢献できる研究を探求し続けていきます。
※SOFIX…生物的指標にもとづく土壌肥沃度指標。これにより、土の健康状態を数値で見える化することができ、経験ではなく科学に基づいた有機栽培が可能となる。世界で初めて開発された立命館独自の技術。商標登録済み。
私はもともと環境微生物を専門として研究をしており、誰も取組んでいない領域、世の中に貢献できる領域を探し、農業分野の研究をはじめました。そしてSOFIXという技術にたどり着き、有機栽培による農作物の量と質の向上を実現しています。今後はこの技術を核に、日本の農業が抱える問題をどう解決していくかが課題となっています。
このための目標として私は、日本の食料自給率100%の達成を掲げております。日本は豊かな食文化を持つ一方、その食の生産の多くを海外に頼っています。産官学と農業が連携することによる産業化の推進や、循環型農業による地産地消モデルの具現化を通して国内の農業に活力を与え、目標達成へ近づくことができると考えています。この第一歩としてまずは滋賀県守山市の食料自給率100%を達成させます。成功モデルをつくり全国に広めていくことで日本各地の地産地消を推進し、国としての自給率100%を達成することも夢ではないと思っています。
同時にSOFIXを日本の標準技術にすることも急務であると考えています。今までは経験や勘に頼る面が強かった有機農法をSOFIXで数値化し工学的にすることで、農家は安全な農作物を安定的に生産することができます。また安定的な生産が可能となることで、企業の農業参入もより容易になり、新たなビジネスチャンスを生み出します。全国への普及を推進するために診断方法をマニュアル化、簡易診断キットも開発してさらなる技術の伝播に繋げていきたいと考えています。
将来的には世界の食の問題も解決していきたいと思っています。世界的にはさらなる人口の増加、食料不足が懸念されており、食に携わる農業技術は日本のみならず各国共通の関心・問題です。上海では既にSOFIXを、日本独自の有機農法「日式農法」として発表をしています。化学肥料の多用が問題となっている中国において、SOFIXを使った有機栽培は注目を集めつつあります。今後もアメリカや台湾、コンゴなどに出向きSOFIX技術の紹介、活用機会の検討を進める予定です。
社会が抱える問題を解決し、世界を少しでもよりよく変革するために。これからも世の中に貢献できる研究を探求し続けていきます。
※SOFIX…生物的指標にもとづく土壌肥沃度指標。これにより、土の健康状態を数値で見える化することができ、経験ではなく科学に基づいた有機栽培が可能となる。世界で初めて開発された立命館独自の技術。商標登録済み。