“ふくしまの今”を届ける。「ベジ食べ×RU(ベジタブル)プロジェクト」を実施!
小坂祐貴さん(文学部4回生)
ふくしま食文化探検隊
私たち「ふくしま食文化探検隊」は、文学部心理学専攻のサトウタツヤ先生のゼミ生を中心とした3・4回生によって結成した団体で、福島県の魅力や現状をさまざまな形で発信しています(※1)。これまで、福島県の風評の払拭を目指す「ベジ食べ×RU(ベジタベル)プロジェクト」を進めてきました。
これは今年6月、2014年度福島県主催委託事業「ふくしまからはじめよう。若い力による風評対策提案事業」に採択されたプロジェクトで、福島グルメの旅フェアやふくしま食品・食材直売所のほか、「逆仕送RU(※2)」などの企画を行うものです。この事業への参加は福島県校友会幹事長から勧められたもので、現在も協同で事業を行っています。私たちが伝えたい思いは、「“ふくしまの今”を知ってもらうきっかけになりたい」ということ。私たちは福島県産の食材の安全性に疑念がもたれている状況を理解していますが、このプロジェクトを通じて今一度考える機会を持って欲しいと願っています。
私が心理学専攻を選んだのは、入学前から“他人が自分をどう思っているんだろう”ということを考え、「印象」について興味をもっていたからです。この「ベジ食べ×RUプロジェクト」を通じて、風評には「認知的不協和」という心の働きが関係しているということを学びました。これは、「人は都合の悪い情報を取り入れにくい」というもの。たとえば「福島県産のものを必ずしも食べる必要はないので、リスクを負ってまで安全であるという前向きな情報を取り入れる必要はない。」というような心の働きです。その上で、人が受け入れやすい情報とは何かを考えたときに、心理的距離が近い人(友だち・家族など)からの情報は取得しやすい傾向にあるという心の働きを利用した「1人が2人に伝える」という仕組みをみんなで考案しました。生産者と消費者を近づける場を設けるなど、体験を共有する形で福島の魅力を伝えるこのプロジェクトが生まれたのです。
運営の中では、風評被害を目の当たりにして自信を失くしてしまったこともありましたが、プロジェクトに賛同し励ましてくれる友人、福島の人々からプロジェクトを続ける力をもらいました。私はゼミに入るまで、東北に行くことを考えたり、風評被害についても考えることがありませんでした。しかし、ゼミの活動やこの事業によって、今では福島のことがいつも気になるようになっています。福島の人々と関わる中で、福島に対するさまざまな誤解を、「誤解されたままではいけない」と強く感じました。福島県産の食材の中には、「制限を受け出荷できないもの」があるのも事実です。安全性に疑問をもち抵抗を感じる人々の気持ちを理解しながら、深刻というより楽しく気軽に福島について考えるきっかけづくりを、これからも続けていきたいと思います。
※1 ふくしま食文化探検隊fcebook
https://www.facebook.com/pages/%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%81%97%E3%81%BE%E9%A3%9F%E6%96%87%E5%8C%96%E6%8E%A2%E6%A4%9C%E9%9A%8A/667466583339351?ref=bookmarks
※2 「逆仕送RU」:福島県の食材を一部使用した郷土料理を生協食堂で提供し、購入したレシート専用の用紙とともに応募いただくともれなく、応募者が指定した住所に福島県産の商品を無料で届けられるというキャンペーン。
これは今年6月、2014年度福島県主催委託事業「ふくしまからはじめよう。若い力による風評対策提案事業」に採択されたプロジェクトで、福島グルメの旅フェアやふくしま食品・食材直売所のほか、「逆仕送RU(※2)」などの企画を行うものです。この事業への参加は福島県校友会幹事長から勧められたもので、現在も協同で事業を行っています。私たちが伝えたい思いは、「“ふくしまの今”を知ってもらうきっかけになりたい」ということ。私たちは福島県産の食材の安全性に疑念がもたれている状況を理解していますが、このプロジェクトを通じて今一度考える機会を持って欲しいと願っています。
私が心理学専攻を選んだのは、入学前から“他人が自分をどう思っているんだろう”ということを考え、「印象」について興味をもっていたからです。この「ベジ食べ×RUプロジェクト」を通じて、風評には「認知的不協和」という心の働きが関係しているということを学びました。これは、「人は都合の悪い情報を取り入れにくい」というもの。たとえば「福島県産のものを必ずしも食べる必要はないので、リスクを負ってまで安全であるという前向きな情報を取り入れる必要はない。」というような心の働きです。その上で、人が受け入れやすい情報とは何かを考えたときに、心理的距離が近い人(友だち・家族など)からの情報は取得しやすい傾向にあるという心の働きを利用した「1人が2人に伝える」という仕組みをみんなで考案しました。生産者と消費者を近づける場を設けるなど、体験を共有する形で福島の魅力を伝えるこのプロジェクトが生まれたのです。
運営の中では、風評被害を目の当たりにして自信を失くしてしまったこともありましたが、プロジェクトに賛同し励ましてくれる友人、福島の人々からプロジェクトを続ける力をもらいました。私はゼミに入るまで、東北に行くことを考えたり、風評被害についても考えることがありませんでした。しかし、ゼミの活動やこの事業によって、今では福島のことがいつも気になるようになっています。福島の人々と関わる中で、福島に対するさまざまな誤解を、「誤解されたままではいけない」と強く感じました。福島県産の食材の中には、「制限を受け出荷できないもの」があるのも事実です。安全性に疑問をもち抵抗を感じる人々の気持ちを理解しながら、深刻というより楽しく気軽に福島について考えるきっかけづくりを、これからも続けていきたいと思います。
※1 ふくしま食文化探検隊fcebook
https://www.facebook.com/pages/%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%81%97%E3%81%BE%E9%A3%9F%E6%96%87%E5%8C%96%E6%8E%A2%E6%A4%9C%E9%9A%8A/667466583339351?ref=bookmarks
※2 「逆仕送RU」:福島県の食材を一部使用した郷土料理を生協食堂で提供し、購入したレシート専用の用紙とともに応募いただくともれなく、応募者が指定した住所に福島県産の商品を無料で届けられるというキャンペーン。