恩讐を超えて学び、東アジアのリーダーをめざす
吉積皓平さん(立命館大学文学部4回生)写真:左
朴昭炫さん(東西大学校4年生) 写真:右から二人目
薛植華さん(広東外語外貿大学4年生) 写真:右
2012年に文部科学省「世界展開力強化事業」の採択のもと、4年間のトライアル事業として始まったキャンパスアジア・プログラム(以下キャンパスアジア)では、日中韓3ヶ国の学生が生活を共にしながらキャンパスを移動し、各国の歴史や文化、社会について学んできた。最終年度となる今年は、卒業後にむけて海外インターンシップや就職活動に取り組んでいる。また、参加学生たちの成長が著しいことからキャンパスアジア・プログラムを2016年度より常設化することを3大学で決定した。またこの常設化に伴い、立命館大学文学部では、中国語・朝鮮語を学ぶ高校生を対象としたプログラム連動型AO入試を新設した。
キャンパスアジアの学生たちにとって、このプログラムで二つの言語を同時に並行して学ぶことは決して容易ではなかったが、共同生活が国際的なコミュニケーション学習の場となった。多文化環境の中で、相手に真意を伝えらえるように会話を工夫するようになり、自然と3カ国の言語が入り混じった特有の“キャンパスアジア語”が生まれた。授業やテキストでは学べない、日常的な会話の中で語学力に磨きをかけることができたそうだ。
共同生活を通じて、留学先では習慣の違いに戸惑ったことも。例えば、日本の“ごみの出し方”。「どうすればいいかわからない」という留学先の経験を踏まえて、自国の生活では留学生に一から丁寧に説明したという。「日本人学生が日本にあった履歴書の書き方を教えてくれたので、自分も彼らに手助けしたいという気持ちが芽生えました。」と薛(シュエ)さん。どの国の学生も一人ひとりが、留学生の立場で考え、支えあえるようになっていった。
留学を終えた彼らに共通したことは、人目も憚らず熱心に学ぶ中国人学生や、はっきり意見を述べる日本人を目にして、それぞれの国や国民に対して抱いていたイメージが変わったということ。そして、他国や他国の人々と付き合う上で、相手が何を考えているのか理解するために、話し合うことが重要だと思ったことだという。朴(パク)さんは、「領土問題について、一方的な意見をもっていましたが、キャンパスアジアの学生と話し合ったことで、相手(相手国)と話し合う前に物事を決めつけていたことは間違いだったと気づきました。」と話した。彼らは東アジアを担う次世代リーダーを目指すため、グローバルな視点を持ち、同地域の諸問題を実践的に解決できる力を養ってきたのである。
吉積さんはこう振り返る。「テレビのニュースで中韓の出来事を見ると、キャンパスアジアの仲間の顔が浮かんで、その出来事にリアリティを持つようになりました。自分の生活の中に中韓が入ってきたということが、人文学を学ぶことや、国際的な仕事をする上で重要なのだなと思いました。高校生のときは、留学の“良さ”がわからなかったし、勉強して知識も増えて、世の中結構わかったような気になっていましたが、地元を出たことや、留学したことで、想像していた以上に世界は広かった、と感じています。留学では今まで常識だったことが常識でなく、価値も違う、暮らしづらいし、辛かったです。でもその経験を実際に感じてみることが、物事対する理解の深さにつながってくると思います。何より、中韓に一生の友達ができたことが最高の成果です。」
卒業後は、研究を続ける者、語学力や異文化を理解する力を生かしてグローバルな場で就職を目指す者、目指す未来はさまざまだが、彼らが東アジアと世界を横断し、活躍する日はそう遠くはない。
キャンパスアジアの学生たちにとって、このプログラムで二つの言語を同時に並行して学ぶことは決して容易ではなかったが、共同生活が国際的なコミュニケーション学習の場となった。多文化環境の中で、相手に真意を伝えらえるように会話を工夫するようになり、自然と3カ国の言語が入り混じった特有の“キャンパスアジア語”が生まれた。授業やテキストでは学べない、日常的な会話の中で語学力に磨きをかけることができたそうだ。
共同生活を通じて、留学先では習慣の違いに戸惑ったことも。例えば、日本の“ごみの出し方”。「どうすればいいかわからない」という留学先の経験を踏まえて、自国の生活では留学生に一から丁寧に説明したという。「日本人学生が日本にあった履歴書の書き方を教えてくれたので、自分も彼らに手助けしたいという気持ちが芽生えました。」と薛(シュエ)さん。どの国の学生も一人ひとりが、留学生の立場で考え、支えあえるようになっていった。
留学を終えた彼らに共通したことは、人目も憚らず熱心に学ぶ中国人学生や、はっきり意見を述べる日本人を目にして、それぞれの国や国民に対して抱いていたイメージが変わったということ。そして、他国や他国の人々と付き合う上で、相手が何を考えているのか理解するために、話し合うことが重要だと思ったことだという。朴(パク)さんは、「領土問題について、一方的な意見をもっていましたが、キャンパスアジアの学生と話し合ったことで、相手(相手国)と話し合う前に物事を決めつけていたことは間違いだったと気づきました。」と話した。彼らは東アジアを担う次世代リーダーを目指すため、グローバルな視点を持ち、同地域の諸問題を実践的に解決できる力を養ってきたのである。
吉積さんはこう振り返る。「テレビのニュースで中韓の出来事を見ると、キャンパスアジアの仲間の顔が浮かんで、その出来事にリアリティを持つようになりました。自分の生活の中に中韓が入ってきたということが、人文学を学ぶことや、国際的な仕事をする上で重要なのだなと思いました。高校生のときは、留学の“良さ”がわからなかったし、勉強して知識も増えて、世の中結構わかったような気になっていましたが、地元を出たことや、留学したことで、想像していた以上に世界は広かった、と感じています。留学では今まで常識だったことが常識でなく、価値も違う、暮らしづらいし、辛かったです。でもその経験を実際に感じてみることが、物事対する理解の深さにつながってくると思います。何より、中韓に一生の友達ができたことが最高の成果です。」
卒業後は、研究を続ける者、語学力や異文化を理解する力を生かしてグローバルな場で就職を目指す者、目指す未来はさまざまだが、彼らが東アジアと世界を横断し、活躍する日はそう遠くはない。