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782 -  土器と骨からアンデス文明と縄文時代の暮らしを探る。ペルー遺跡出土品調査

土器と骨からアンデス文明と縄文時代の暮らしを探る。ペルー遺跡出土品調査

五味佑麻さん(文学部3回生)

  • No.782
  • 2016年1月26日更新
今年8月、文学部矢野健一教授の旧石器・縄文ゼミが、ペルー共和国のリマ市を訪れた。ペルー政府と共に研究を行う市木尚利氏(*1)と矢野先生の共同研究開始に向けた協議を行うと共に、ゼミに所属する五味佑麻さんら学生5名が現地の出土品を通じて学ぶ実践的な研究が目的である。



調査はアンコン地域の博物館やワイカンデシエネギア遺跡の研究所で実施し、計約30点の土器(アンコン文化・チャンカイ文化・インカ文化)を実測して図面化した。測った器形を点と線で記していく作業は緻密な動きと正確さが求められるうえ、政府所有の土器を扱う緊張感も加わった。「自分はまだ自信をもって図面に線をひけず、何度も躊躇することがありました。自分が書いた図面が一国の資料として残っていくプレッシャーもありました」と五味さんはいう。



五味さんは、マレーシアで幼少期を過ごした影響もあり、将来的には世界に出たいという思いと日本について学びたいという思いが重なり、世界や日本について比較しながらどちらも学べる考古学・文化遺産専攻に進んだ。今回の活動参加にあたり、事前に中央アンデス地域の遺跡について勉強し、「動物考古学」という学問に出会った。動物考古学とは、石や遺構などを元に分析する考古学に対し、動物の骨など有機質遺物を分析して生活環境や社会環境を読み解くもの。「中央アンデス地帯の牧畜が始まる起源を探る研究では、遺構からの推測と、骨からのものと開きがあることがわかりました。動物の骨から日本の歴史を捉えなおせば、おもしろいんじゃないかなと思っています」

調査終え、「学術本で学ぶより、実際に出土品を見ると同じ時代の物でもちょっとした変化がわかり、気づくことが多くありました。それから学術本に立ち返って知識と経験を合わせることで、より現実的な形となって自分の知識が蓄積されていくのがおもしろかったです」と五味さんは語る。今回、ペルーの研究者や政府関係者と接する機会があり、文化の異なる人との交流を通じて、振る舞いなど日本人としての行動を見つめなおす必要性を改めて感じたようだ。



ゼミでは、日本に持ち帰ることができた一部の図面を元に、土器の器形の変化を体系立てるなどの研究を進めていく予定だ。五味さん自身は動物考古学を中心に、ともに外界の影響を受けずに独自で発達した日本の旧石器縄文時代とペルー=中央アンデス地帯の共通点を探り人間の生業や、その背景にあるものを解き明かしていきたいと考えているようだ。五味さんの研究がより豊かなものになるであろう言葉を聞くことができた。「次は、ぜひペルーの遺跡発掘作業に実際に関わりたい」




(*1)市木尚利氏
立命館大学環太平洋文明研究センター客員研究員
リマ日本人学校常勤講師

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