光電子顕微鏡

○ 概要

光電子顕微鏡(Photoemission Electron Microscope 以下PEEM)とは、 光電子を観測する電子顕微鏡です。PEEMはその視野が広くリアルタイムに 顕微鏡像を得られるのが特徴です。

○PEEMでの実験例

この実験室では、上記のPEEMの特徴を利用して、] PEEMとXMCDを組み合わせることで物質表面の磁区構造観察をおこなっています。

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磁化した試料の吸収スペクトルを円偏光を使って測定すると、 円偏光のスピンと磁化が平行な時と反平行なときでスペクトルが異なります。 XMCDを用いてPEEM像を得ることの利点としては、磁区構造を目で見て観察することができ、 これにより微小パターンの磁化方向の決定や磁区(スピンの向きが同じ方向を向いている領域) の決定を行うことができます。 またスピンや磁化方向を変化させることにより磁性変化の観察を行うことができます。 上図のように実際の観察では、 円偏光のスピンと試料の磁化方向が平行な部分は多くの光電子を出すことでPEEM像では白く写り、 反平行な部分は比較的少ない光電子を出すことでPEEM像では黒く写ります。 また、垂直な部分はその中間でグレーに写ります。