超高エネルギー天文学における大気チェレンコフ観測

地球大気に入射する高エネルギー宇宙線は、核相互作用により大気の原子核と 衝突し、生成された粒子が電磁相互作用などにより新たな粒子を作り出す、 という過程の繰り返しで、空気シャワーと呼ばれる大量の粒子群をつくる。

シャワー中の荷電粒子が大気中の光速(真空中より遅い)より速く走ると、 チェレンコフ放射と呼ばれる光を放出する。 この光は地上では1度程度の円錐状に放射され、地上で反射鏡を用いて 集光し、超高速のカメラで光のフラッシュとして撮像することができる。

粒子のシャワーはガンマ線観測には雑音となる宇宙線粒子によっても 作られるが、宇宙線のチェレンコフ光像は広がっており、あらゆる方向から 入射するため、天体方向を向いたガンマ線のつくるチェレンコフ光像と 区別をすることが可能である。これを「イメージング法」と呼ぶ。


* Air Cherenkov Detectors (NASA Imagine the Universe!)

* 他の実験へのリンク.


Masaki Mori
Last update: May 29, 2006