2006年度からの新たな経営学研究科の展開
立命館大学では、経営学研究科プロフェッショナルコースでの成果を一層発展させ、2006年度に開設予定の経営管理研究科(仮称)ではより一層のMBA教育を志向し、従来の経営学研究科は研究者養成にシフトした教育・研究指導を志向する2つの研究科に分かれることになります。
経営学研究科では、具体的に以下のような方々を中心に、高度な専門能力・研究能力の育成を行います。
@ 新卒者であって、高度な理解力と専門力量を身につけ、コンサルティング・調査・研究組織などへの就職をめざす方
A 税理士資格取得をめざし、修士論文執筆によって試験科目免除を届け出ようとする方、
B 留学生であって、国内外に通用する豊かな学識を身につけようとする方
C 社会人として長年の経験を有し、修士学位取得に取り組もうとする意欲ある方
D 後期課程をふくめた5年間を通して、自立した研究者として研究活動を行うに必要な高度な研究能力を身につけ、将来にわたって研究を持続しようとする方
カリキュラムの特徴
研究者養成、高度職業人養成に即した科目配置
カリキュラムの特徴として、系統的履修を促進するカリキュラム作りを行っています。また、研究者養成と高度専門職業人養成にふさわしい科目配置を行っています。
@ 経営学のコアを学ぶ基幹科目群
A 個々の力量形成を伸ばす展開科目群
B 研究方法を学び、研究能力・分析能力などを磨く研究方法科目群
C 高度専門職業人養成に不可欠な実務実習プログラム
D アップ・トゥ・デートな内容を取り扱う特殊講義群
E 演習指導科目群
上記科目群から各院生のキャリアビジョンに合わせて必要な科目を学修して30単位の単位取得をするとともに、修士論文執筆に必要な研究指導を受け、修士論文の審査に合格することによって、「修士(経営学)」の学位が授与されます。
複数ゼミによる丁寧な論文指導
研究テーマに沿って「戦略・マーケティング系」「組織・人事系」「国際経営系」「会計・税務系」「サービス・マネジメント系」「デザイン・マネジメント系」の6系列に分かれます。展開科目群に各系別「特論」を6科目配置し、1回生後期セメスターに「テーマ形成」ゼミとして位置づけています。なお複数の「特論」履修を行うこともできます。
その上で、2回生から各自で選択した演習担当教員の指導を受け、「修士論文」をまとめます。また、2回生の9月に修士論文中間報告会を各系別に実施し、研究成果の中間まとめと発表、まとめに向けた研究構想の発表を行い、複数教員からの指導を受けるとともに、院生間で切磋琢磨して研究成果をまとめることになります。
プラカデミック・アプローチ
経営学研究科では、従来の経営学研究科プロフェッショナルコースにおける成果を引き継ぎ、理論(Academic)と実践(Practice)を高度に融合させた、「プラカデミック・アプローチ(PracademicApproach)による教育を指向します。たとえ研究者を目指す方であっても、アカデミックな理論に偏ることなく、実際のビジネスの現場を知り、高度な専門力量・研究力量をつけることが求められます。具体的には各界最前線で活躍する客員教授や講師、ゲスト・スピーカーを招聘して講義を行います。このような実務界からもたらされる新鮮な事例をもとに討論を行い、これを学問研究の先端をゆく講師陣が理論的に裏付けるというアプローチをとることにより、高度な力量や問題解決能力を身につけるとともに、研究者としての素養を磨くことができます。
研究テーマに沿った6つの系
■特論から始まる6つの系
戦略・マーケティング系
競争環境の変化の中で、企業行動における革新性が必要になり、企業の戦略構築能力は以前にも増して重要になっています。企業環境を正しく把握し、マーケティング、仕入れ、配送、新規事業等の各分野において、戦略の方向性や企業・事業の将来のあるべき姿を導き出すための理論や応用力を高める研究をすすめていきます。
組織・人事系
日本企業の組織・人事は、今日大きく変容を遂げつつあり、働き手の自己実現欲求にもとづく創造性の発揮、これを推進するリーダーシップ、人事システムの構築など、組織・人事系では理論的フレームワークの修得だけでなく、受講生自らが参加した実習を織り込んだ研究をすすめます。
国際経営系
経済と企業経営のグローバル化は、一方ではグローバルな標準化を推し進め、他方では地域の違いの持つ意義を際立たせています。企業間のグローバルな競争場裡に現れる国際経営の諸問題を研究し、これを分析する理論的枠組みを修得し、論文作成に繋げていきます。
会計・税務系
大きく変貌した現代会計について、特に、講義科目群で展開する多くの科目を通じて修得した現代の会計業務について必須の知識などをもとに、理論・制度・実務のすべての側面にわたって多面的に研究をすすめます。
サービスマネジメント系
スポーツや観光をはじめとした21世紀の成長産業である「サービス」には多くの注目が集まっています。こうしたサービスをマネジメントするという新しい発想のもと、高度な理論と現場での実践を念頭に、スポーツ、観光、健康といった分野を主な対象に研究を行ないます。
デザインマネジメント系
情報消費に対応したマーケティングをどのように構築すべきか。商品デザインや広告プロモーション、あるいはブランドなど、デザインを中心とする商品の情報的な価値をCI、パッケージ、商品デザイン、広告、店舗デザインなどの具体的手法について研究を進めます。