05.15


2014

中国現地実習(4)

廣澤 裕介(キャンパスアジア担当教員)

中国現地実習(4)

廣澤 裕介(キャンパスアジア担当教員)


 8日目は香港でのフィールドワークです。学生たちは自分たちで計画を立て、尖沙咀や旺角、湾仔に出かけました。

 今回、学生たちは初めての中国に来た人がほとんどで、香港へは全員が初めてでした。1週間前に広州に着いた頃には、学生たちがどれだけ中国の人と話ができ、街なかでどれだけ移動・行動ができるのかちょっと心配でしたが、8日目には中国語や英語をなんとか使い、協力し合って、行きたい場所に行けるようになったようです。



 私は朝ホテルの周りを探検したあと、部屋で体を休めながら本を読んで、お昼前から行動開始。上野先生と学生たちが飲茶(ヤムチャ)を食べに行くので、合流させてもらいました。当然、うまい。


 私はそのあと道教の廟を2カ所見に行きました。地図と街の標識を見くらべながら目的の場所を探して、初めての街をキョロキョロ、ウロウロする悦しみは、格別です。近代的なビルディングと隣り合わせにある、長い年月人々の祈りや願いを集めてきた小さな宗教空間は、中に入るとやはりずしんとくる雰囲気があり、外の喧噪とは別世界。帰りはトラムに乗ってセントラルへ。春の風が気持ちよかったです。
 実は、私も香港の市内をゆっくり歩くのは初めてで、香港の街の様子や人々の生活を知ることができて、いい勉強になりました。
  
 夕食は、学生全員と市内に集合して食べました。これがこの実習で全員で食べる最後の食事となりました。学生たちはこの一日のフィールドワークでの成果や土産話を楽しげに報告してくれました。

 上野先生、ごちそうさまでした。


 翌日はいよいよ最終日、日本に戻る日です。

 実は深センのデパートでインド産の紅茶を買いこんでおり、朝起きてそれを思い出し、煎れました。東アジアに西欧的な近代をもたらしたアヘン戦争は、イギリスが中国から茶葉を買い入れた貿易の不均衡に端を発し…アヘンが蔓延し…戦いが起こり…香港はイギリス領となって発展し…中国に復帰した。そしていま東アジアを学ぶ学生たち23人とこうして香港を訪れるのは、その特異な歴史が作り出した独特な社会や文化があるからだと実感しながら、学生たちがこの実習で得たことを今後の学習に活かしてくれることを期待しつつ、紅茶を味わいました。



 パンダホテルを出発し、近くにあるエアポートバス乗り場から25人が一斉にバスに乗りこみました。45分後、空港に着き、午後三時のフライトで関空へ。イベント盛りだくさんの実習でしたが、みんなが無事で帰国できてなによりでした。

 さいごに、お世話になった方々、ご協力いただいた各方面の方々に、心より御礼申し上げます。

 (おわり)

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